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67匹目 風斬りの脚甲

はっぴぃ にゅう にゃあ!あけましておめでとうございます。


希のソロは唯の竹達さん。でも可愛いから許す。

 

 闘技大会が終わり、タクやシルフ達とドンチャン騒ぎをした日の翌日。ログインしたのは午後3時過ぎだ。

 うちの高校は今日が終業式で半日授業で終わったからその分早く入れたな。


 ちなみにシルフも今日終業式だったらしく俺よりも早く帰ってきてすでにログインしているらしい。なんでもアップデートが、なんやらこうやらそんやららしい。


「きゅい!」


「おう。ただいま」


 ログインしてすぐに召喚したボーパルが飛びついてきたので抱きとめてもふもふする。


 俺の腕に抱かれて胸に頭を擦りつけて来るボーパルの足には今までは無かった脚甲が白銀の輝きを放っている。


【防具:足】風斬りの脚甲 レア度4

 攻撃力+15 防御力+20 重量2 耐久値300

 風の精霊の加護が込められた脚甲。

 魔力を消費することで蹴りの延長戦上に、半月型の斬撃を飛ばすことが出来る。

【効果】

 蹴りスキル威力補正:小

 装備スキル:飛蹴波


 ボーパルの闘技大会の三位の景品にもらった装備はまさしくボーパルのためにあるような装備だな。

 薄い白銀で作られた靴に、ところどころ透き通るような綺麗な薄緑の宝石があしらわれた脚甲は、穢れ無き純白のボーパルの毛並みと合わさってより芸術性を増している。有体に言えば良く似合っていた。


 さらにこの脚甲は専用スキルの飛蹴波(ひしゅうは)を使う時には、嵌めこまれた宝石が輝きだし神々しさが増すギミックまで付いている完全に当たりの装備だ。

 とはいえ、それはボーパルが装備した時の話であり、蹴り主体の攻撃スタイルをとっていない人が装備しても宝の持ち腐れもいい所なのだが……。

 俺の知っている中だとボーパル以外にこの脚甲を使いこなせそうなのは変態ぐらいだな。……まさかお揃いだったりとかしないよな?流石に三位と一位で同じ報酬を選択していることは無いと思うけど色違いのを履いてたりしたらやだな。切実に。


 さて、そんな事はさておき今日の予定だな。

 今は昼だからちゃっちゃと封印して召喚モンスターを5匹にしてしまいたいな。


 後封印していない昼のモンスターが居るところは海と山と砂漠だな。山はエリアボスを討伐済みだから更に奥のエリアにも行けるが昼に出るモンスターは、ヤギとイワガメがかぶっているらしいので新しいのは一種類くらいだろう。

 海も、夜に一種類しかモンスターがでなかったから昼も似たようなものだろうな。


 次の召喚まで残り二匹封印しなくちゃいけないから行くなら砂漠かなぁ。ついでにエリアボスも倒しちゃったりして。

 ぶっちゃけタク達と戦ったストーンゴーレムも余裕だったし、俺とボーパルのレベルはエリアボスと同じにまで上がりボーパルはクラスチェンジもしている。ミズキも、もうちょっとでレベルアップ&クラスチェンジだし、負ける可能性は殆ど無いだろうな。


「という訳で。砂漠に向けて……しゅっぱーつ!」

「きゅい!」

「ホー!」

「メエエ」

「~~!!」


 --------------------------------------


 《スキル:耐暑がレベルアップしました》


「暑い……むしろ熱い……」

「きゅい~」

「ホ~」

「メェ~」


 砂漠に到着。と同時にうちのもふもふ部隊が壊滅した。

 もう全員でろ~んと伸びてる。たれウサギにたれフクロウにたれヤギだな。特にボーパルの脚甲が暑そう。砂漠を裸足で歩くのも嫌だが金属の靴で歩くのも嫌だな。


「(ひそひそ)たれウサギよ」

「(ひそひそ)たれウサギだな」

「(ひそひそ)たれウサギね」


 ……。


「~~!~~♪」


「なんでティーニャはそんなに元気なんだよ……」


 体の小さいティーニャは俺やアイギスよりも早く参りそうなものなんだけどなぁ。

 コップに入った水とバケツに入った水じゃコップに入った水の方が早く冷めるのと似た様な感じで……


「~~!~~~……」

 

「ああ!言わんこっちゃない!!」


 くるくると俺達の周りを飛んで初めての砂漠の熱さを体全体で浴びて興奮していたティーニャがフラ~と落ちて来たのを慌てて両手をお椀にして受け止める。


 夜の寒さはミズキの羽毛に埋まったり、俺の服にもぐりこんだりして凌いでいたみたいだけど暑いのはどうしようもないしな。


 やばいわ~。昼の砂漠マジヤバイ。俺達のパーティ寒さにはそこそこ強いけど、熱に弱すぎる。誰か!クーラーなドリンクをお持ちのお客様はいらっしゃいませんか!?


 ……シーン。


 いないらしい。


「しょうがない……戦略的撤退だ!」

「きゅい~」

「ホ~」

「メェ……」

「……」


 暑くてしんどいが脱水症状で倒れるわけでもHPが減るわけでも無いので強行突破出来なくは無いだろうけどボーパル達に無理をさせてまでやりたい訳じゃないしな。砂漠の昼のモンスターは明け方か夕方に。ボスは夜にまた来よう。


 --------------------------------------


「はい。やってきました海ステージ!砂漠程じゃないけどここも暑いから気をつけろよ?」

「きゅい!」

「ホー」

「メェエ」

「~~!」


 元気良く返事をしつつも目線は波の動きを追い続けているボーパルと俺の肩にとまりしきりに後ろを気にしているミズキ。それら一切を我関せずと無視を決め込んでいるアイギスに、俺の話を一切聞かずに波間に突撃していくティーニャとそれを見て我慢できずに飛び出したボーパル。


 ははっ。まぁ戦闘中に戻ってきてくれるならそれでいいんだけどな。


「(こそこそ)ウサギさんとフェアリーが浜辺で遊んでる!かわいい!SSっと」

「(こそこそ)うーん。見た感じ普通のうさぎにしか見えないんだが本当にアレがそうなのか?」

「(こそこそ)本当なんだって!ていうか二人共声が大きいよ。気付かれちゃう!」


 いや君の声が一番大きいからね?


「ホー……」


 ミズキが俺の肩にとまったまま翼でペシペシと俺に後ろを向く様に伝えてくる。

 街をでたころから付いて来てたのは分ってたけど、直接邪魔をしない分にはいいかなぁと思ってたけど流石にウザイな。


「おーい。ボーパルー」

「きゅい?」


 天然の波に蹴りの余波で発生させた波をぶつけて相殺させる遊びをしていたボーパルが俺に呼ばれてこっちに来てその場に留まっていたティーニャが波に飲まれて砂浜を転がっていた。お前飛べるのに何で溺れかけてるんだよ……。ちなみにティーニャはミズキが救助しました。


「ボーパルボーパル。あっちの岩陰に3人のプレイヤーが隠れてるだろう?」

「きゅい」


「その一番右の大きい女の人。SS撮ってるあの人ね。あの人をヒモ無しバンz……いや、折角海に居るんだし、板無し、牽引無しの水上スキーさせてあげなさい。海に向かって死なない程度に全力で蹴り飛ばせばいいから」

「きゅいー……きゅい!」


 しきりに首を捻っていたボーパルだがやがて納得したのか一人でひょこひょこと3人が隠れられていると信じている岩陰へと歩いて行った。


 しばらくして。


「ひゃぁああああああああ~ああああああ~あああ~ぁぁぁ~……」


「おー、思ったより飛んだなぁ」


 水上スキーって言うよりかは川に向かって平たい石を投げる水切りみたいに海面で何度もバウンドしながらかなり遠くまで飛んでいっていた。ちょっと予想とは違ったけど大体想像通りの結果になったのでこれはいい。ただ問題があるとすれば……


「俺が飛ばしてくれって言った人と違う人が飛んでいってたんだよなぁ」


 今飛んでいったのは2人いた女性のもう1人の方だった。うっかり誰を飛ばすのか忘れちゃって適当に選んだか、間違えただけならいいんだが……


「キャァアアアアアアアア~ァアアアア~ァァァァァ~……」

「うおおおおおおお~ぉおおおおおお~おお~……」


「やっぱりか……」


 誰を飛ばすんだったか忘れたからとりあえず全員飛ばしとけば問題ないだろうっていうボーパルの思考が透けて見えたな……。


「きゅい!」


 行きと同じようにひょこひょこと戻ってきたボーパルがどこか誇らしげに俺に向かって鳴いている。

 そうだねー。残った2人については何も言ってなかったからねー。えらいえらい。でもちょっとここから離れようか。

 吹っ飛んだとはいえ三人纏まって海に浮かんでいるんだし。戻ってきて絡まれたら、さらに面倒なことになるだろし……


 バクン!!ザバーン……


「……」

「……」

「……」

「メェ~」

「~♪」


「え~と……」


 何か海から巨大な魚が飛び出してきて何か(・・)を丸呑みして沈んでいったんだが……。


「よし。山に行こう!今すぐに!」

「きゅい!」

「ホー!」


「メェ~?」

「~~」


 なるほどねー、どうして海なのに泳いで狩りをしているプレイヤーがいないのかと思ったらアレがいたからなのかー。納得。


 ……すみませんでしたストーカー三人衆さん。さすがにMPKまでする気は無かったので許してください。次からはフリーフォールにします。

もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。


皆さんお忘れかと思いますが、そろそろにゃんこ投票を締め切ります。

詳しくは活動報告へGO!

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