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63匹目 本選第九試合 シルフVSライガ (シルフ視点)

皆聞いてくれ。テトメトは今日執筆をしていてふと気がついたら4時間経過していたんだ。

これは絶対スタンド攻撃を受けたか疲れていたかのどっちかだと思うんだ。

 

『さて、一次試合の8試合が終了!休憩も挟んで第九試合の開始だぁああああ!!』

『盛り上がっていくよー!』


 む~。準決勝でボーパルちゃんと当たるとして、どうすればあたしの誠意が伝わるかな?プレゼントしようにも闘技大会にはアイテムは持ち込めないし。


『実況は変わらず!テトとー』

『メトでお送りしまーす♪』


 姫騎士さんの試合みたいに棄権して勝ちを譲るとか?でも大切な闘技大会の準決勝で戦いに背を向けるのは失礼に当たらないかな?ただでさえもボーパルちゃん、タクさんの所為で出番が一回減って。見せ場も少なくなってるのに……


『それじゃあさっそく第九試合の選手入場だぁああああ!』

『カモ~ン』


 決めた。ボーパルちゃんとは今のあたしの全力でぶつかろう。

 それであたしの本気を知ってもらって戦いの後は握手でお互いの健闘を称えあう。これだ!

(※注意※シルフは敗者が戦闘不能で死に戻りするのを都合よく忘れています)


『まず入場してきたのは第三試合の勝者!魔剣士のシルフ選手だぁあああああ!』

『わー、ここにいても闘気が感じられるぐらい気合入ってるねー。この試合も期待してるよー』


 戦いの中で深まる絆!言葉が無くても繋がる心!戦友と書いて友と読む!ああ、ボーパルちゃん。心の友よ……。

(※注意※シルフの頭の中では夕日をバックに河川敷でボーパルと握手をする光景が再生されていますがFWO内は今日一日中昼な上、ここは闘技大会会場です)


『第三試合を見た感じだと、シルフ選手は高速でのレイピアさばきに加え平行詠唱する魔法で手数も増やしたスピード&テクニックタイプのプレイヤーだぜ。対戦相手はどうやってシルフ選手のスピードに着いていくか、あるいはシルフ選手のスピードを生かさせないかが、勝負の鍵になりそうだな』

『シルフ選手の切り札はもう見せちゃったからねー、あるいは第三試合の投擲みたいにまだ伏せている札があるのかな?シルフ選手、予選は細剣スキルだけで勝ちあがったからねー。まだまだ隠してても不思議じゃないよー』


 となると今すぐにでも対ボーパルちゃん用の戦法を考えないと。予選ではボーパルちゃんにレイピアを突き刺すのを躊躇っちゃって喋ってる間に体勢を立て直されて負けちゃったけど、一回戦の動きを見た感じあたしと戦った予選よりも速かったからね。


『さぁ!続いて入場してきたのは格闘家のライガ選手だぁああああああ!!』

『執事服が決まっててダンディだよね~』


「こんにちは、可憐な妖精さん。ふふ、そんな怖い顔をするものではないよ?可愛いお顔が台無しだ」


 やっぱりあたしじゃ、ボーパルちゃんに勝つのは無理だよね。実際一回負けてるし。でも秒殺じゃ無くていい勝負ぐらいはしたいよね。


『第四試合では開幕と同時に速攻!息もつかせぬ怒涛の六チェインで対戦相手を秒殺!あれも凄い技術だったな……』

『スキルは軽いものほど威力が低くチェインが繋げ易くなるからね。大剣よりも直剣。直剣よりも細剣。細剣よりも短剣。短剣よりも体術。でも例え体術系のスキルを軸としたチェインでも六チェインはすごいよー』


「……ふむ。無視か。それとも私の口撃を警戒しているのかな?安心して欲しい。戦いの場で語るには……(これ)があれば十分だ」


 となると、やっぱり参考になるのは予選のあたしの戦いと第一回戦のボーパルちゃんの戦いかな?

 ボーパルちゃんは攻撃と接近を兼ねて初手に跳躍とか跳び蹴りとかを使う傾向があるよね。


『両者開始位置についたな?それじゃあ!試合開始だぁあああああああ!!』

『どっちも頑張ってねー!』


「では、行かせてもらおうか!!」


 アクションスキル<飛び蹴り>


 そうこんな風に。って、ぇえええええええ!?


『おおっと!開始と同時にライガ選手の先制スキル攻撃だ!しかも第四試合で見せた殴打スキルじゃない!蹴りスキルだ!』

『シルフ選手は持ち前の速度で難なく回避したね~。やっぱり速さではシルフ選手が何枚か上手みたいだね。それでも完全に不意をついた今の攻撃を避けるのはなかなか難しかったと思うけど、シルフ選手はこうなる事を予想してたのかな?』


「そうか!これを避けるか!だが、まだまだ行くぞ!!」


 スキルチェイン<鉄槌打ち>


 ええ!?何この無駄にテンション高いおじさま!?執事服!?何で!?


『ライガ選手スキルを繋げていくぅ!今度は拳だ!』

『速度に明確な差がある上で、この近距離だからね~チェインが途切れたらやられる。それはライガ選手が一番良く分かってると思うよ~。チェインが途切れる前にいかにシルフ選手に攻撃を当てるか。あるいは逃げ切るか。両選手の技量が試されてるね~』


「さぁ、ドンドン行くぞ!存分に死合おうか!!」


 スキルチェイン<浴びせ蹴り>

 スキルチェイン<みだれ突き>

 スキルチェイン<みだれ蹴り>


 ふぅ、落ち着いた。

 頭を狙って振り下ろされた蹴りも。一度に複数襲い掛かってくる様に見える連続攻撃も確かに脅威ではあるけれど、ボーパルちゃんの攻撃に比べれば軽い。軽すぎる。


 ボーパルちゃんなら相手を確実に仕留めるようラッシュの一発一発に殺意を持って打ってたね。

(※注意※シルフの主観です)


『ライガ選手、ラッシュラッシュラーーーーシュ!シルフ選手に怒涛の連撃を浴びせかけるぜ!―――だが、当たらない!シルフ選手!この無数の!連撃を!全て!避けて弾いて凌いでいくぅうううううう!!!』

『……これは本当にビックリだね~。シルフ選手、スキルも補助魔法も何も使ってないよ~。ただ単に自分の素のスペックと技量だけを頼りに連撃スキルを全部避けてるよ。流石に詠唱をする余裕は無いみたいだけど、今の一切油断も、慢心もしていてないシルフ選手に攻撃を当てるのは並大抵の攻撃じゃ無理じゃないかな~』


「ふふっ。素晴らしい!これは私も真の姿を見せる必要がありそうですね!」


 スキルチェイン<ステップ>


 ん?ラッシュが止まったおじさまがバックステップで離れてった?むぅ。もうちょっとラッシュを捌く練習したかったのに……


『ここでライガ選手シルフ選手から距離を取ったぜ!このままではシルフ選手を倒せないと思って距離を取ったか、それとも―――』

『―――シルフ選手を倒すために距離を取ったか。だね』


「いくぞ!!」


 スキルチェイン<流星蹴り>


 おじさまが地を蹴って跳びあがる。これは……この技は……


『ここで大技に繋いだぁあああああ!!ライガ選手の体が地を蹴り、高く舞い上がっていく!!』

『流星蹴り。このスキルは休憩時間に私も調べたから知ってるよ~。高くジャンプして相手へと降下キックをする技だよね。ちょこっとホーミング機能が付いていたはずだけど、シルフ選手なら避けるのは難しくないはずだよね?』


 ボーパルちゃんのキメ技だ。


『加えて流星蹴りは降下状態に入ったらもうチェイン可能時間は無い。この攻撃をシルフ選手がかわしたらそれで試合終了だな』

『ならこれが、この試合最後の攻防になるんだね~』


 アクションスキル<カウンター>


『!?シルフ選手空へと跳びあがったライガ選手を睨みながらスキルを使ったぞ!迎え撃つつもりなのか!?』

『カウンターは相手の攻撃力が高いほど威力が上がる技だね。判定が凄いシビアで使いにくいけど確かにホーミング機能つきで真っ直ぐ自分へと落ちてくるのが分っているのなら当て易いかもしれないけど……』


 これぐらい出来なきゃボーパルちゃんと同じステージに立つことも出来ないよね!


『何にせよこれが最後の激突だ!!みなぎってきたぁああああああああああ!!』

『どっちもがんばれー!』


 スキルチェイン<アーマーチェンジ>


 え?空に飛びあがったおじさまが光輝いているんだけど……


『は?ここでアーマーチェンジ?なんでだ?』

『テト、テト。なんかライガ選手が光ってるけど、どんなスキルなの~?』


『お、おう。アーマーチェンジは読んで字のごとく防具をあらかじめ設定しておいたセットと完全に入れ変えるスキルだな。戦闘中に近接様装備と遠距離用装備とを切り替えたりする時に使うスキルだ。あ、武器は変わらないぞ』

『なるほどねー。じゃあ全身鎧に着替えてダメージを上昇させたり、なによりシルフ選手のカウンターのタイミングを外すために使ったんじゃないかなー?カウンターを発動しちゃうと攻撃が当たるか一定時間経たないと移動できないし』


 ちっ、ボーパルちゃんのキメ技を体験する事も出来ないの?しょうがない。魔法の詠唱を……


『なるほど。あそこでチェインすると落下ダメージがモロに入るから下策だと勝手に思い込んじまってたみたいだぜ』

『あ、ライガ選手の光が収まるよー!』


『……は?』

『……へ?』

「……え?」


 光が収まった後おじさまの服装は確かに変わっていた……全裸に。


『ば、……バカだ!バカがいるぞ!!』

『HENTAIだー!』


「キ、キャアアアアアアアアアア!!?」


 スキルチェイン<フライングプレス>


「ハッハッハー!では、参りますよ!」


『変えの服を設定失敗したのかと思ったが、冷静にチェインを繋げている所を見るとまさか予定通りなのか!?』

『そ、空から全裸のHENTAIが降ってくる!?シルフちゃん逃げて超逃げて!!』


「いやぁああああああ!来るな!変態!!」

「ハッハッハー!ありがとうございます!」


 逃げなきゃ!あ、あれ?体が動かな、しまった!カウンターの失敗で硬直が!あっ……


 ベチャ!!


『……えー、本選第九試合……勝者ライガ。むしろ裸イガ』

『嫌な……事件だったね……』


「……おや?何やら沢山の人に蔑まれている様な素敵な感覚が……安心して下さい。はいてませんよ?」


『ええい!ポーズをとるな!早く控え室に戻れ!というかマトモな服を着ろ!』

『なんでだろう、準決勝が大変なことになりそうな予感が、今からもう沸々と湧いてるよー……』


もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。


※注意※

はいてます。見えにくいだけではいてます。

ちなみにシルフは全裸認定していましたが武器である手袋とネクタイは残っています。


というわけで準々決勝でシルフ敗退です。

流石にライガのオッサンはテトメトが名前を考えました。

バトルジャンキーで露出狂のドMは流石のシルフにも荷が重かったようですね。しかもさらっと8チェインというボーパルに次ぐ実力もあるという・・・。

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