56匹目 闘技大会予選ルール説明
本日3匹目!
ついに闘技大会開幕!
今回は予選の説明回です。
フィアちゃんの耳を責めた日の翌日。日曜日。闘技大会当日。
例外的に一日中昼になっているらしい今日。下手にダメージを食らったり損耗したりする訳にもいかず。はじまりの街に集まって闘技大会の始まりを今か今かと待ちわびている大勢のプレイヤーが発するジリジリとした空気に当てられ闘技大会に参加しない生産職のプレイヤーやNPC達も息を殺すようにシンと静まり返り各々が自分の中の興奮を必死になって押さえ込んでいる中突然それは始まった。
ドドーーーーーン!!!
突如どこからともなく沢山の花火が空に打ちあがり驚いたプレイヤー全員空を見上げると、始まりの街の空を四角く切り取るように線が走り。
光の線で囲われた内側にどこか別の場所の映像が映し出された。
『FWO大型イベント第1弾!第1回闘技大会を始めるぜええええええええ!!』
『始めるよー!』
「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」
映し出されたのは2人の男女。2人を知っている人も知らない人も待ちに待ったイベントの開始を告げる声に大いに沸き立った。
『さっそく今回のイベントの説明だ!……と言いたい所だが自己紹介をしろと部下がうるさいから自己紹介からするぜ!』
『俺はFWO開発主任の寺田 友則だ。主に戦闘とスキル周りを担当している。気安くテトって呼んでくれや!』
『同じく開発主任のー女浦 智香ですー。主にNPCとモンスターを担当してまーす。メトって呼んでね?メトねえでもいいよ?』
『うっし。自己紹介終わり!』
『おわりー』
『それじゃあ、お待ちかねのイベント説明だぜぇ!』
『説明するよー』
『まず、エントリーしたプレイヤーお前らには予選に参加してもらう!予選は8つのエリアに分かれてのバトルロイヤルだ!8つのステージはこれだ!』
『映像ドンー』
映像に映っている2人テトとメトがそう言うと空中に2人が映っているのとは別の少し小さなモニターが浮かんだ。
そのモニターには森、砂漠、岩山、沼地、洞窟、火山、雪原、天空の遺跡。さまざまな場所が個別に映っている。
『お前らはこれらのステージにランダムに割りふられそこで殺し合いをしてもらうぜ』
『デスペナルティーは無いから安心してねー』
『各予選で勝ち残った2名が本選に進めるぜ。もちろん逃げるのも隠れるのも手だ。最後まで死なずに生きていればそれでいいぜ』
『本選は一騎打ちだけどねー』
『だがずっと隠れられても面白くないし、永遠続けられても困るのでタイムリミットを作ったぜ』
『作っちゃったー』
『予選のステージは時間経過と共にドンドン狭くなっていく。ステージの崩壊に巻き込まれたプレイヤーは一発リタイアだ』
『即死だよー』
『まぁ崩壊はゆっくりとステージ全体が黒くなっていくから自分の周りが黒くなってきたら色が付いているところに移動すればいいぜ』
『急いでねー』
『それとプレイヤーがリタイアするたびにもステージも縮んでいくぜ。人が少なくなれば探すのも大変になるからな』
『やっさしー』
『まだあるぜ!この闘技大会中はHPもMPも自然回復はしない!』
『びっくりー』
『ただし!他のプレイヤーをリタイアさせたときに限り最大値の半分HPかMPが回復する』
『どっちかは運だよー』
『少しでも有利な状態を保ちたかったら騙し討ちでも何でもして回復しろ!』
『ひゃ~怖い~』
『っと、説明が必要なのはこんなもんか?中に入れば同じ説明が読めるからちゃんと目を通しておくんだぜ!』
『周りには気をつけてねー』
『それとエントリーしていないプレイヤーは各自のウィンドウで、プレイヤー毎。ステージ毎。運営セレクトの3つの内から選んで観戦が出来るぜ!自分の知り合いを応援するもよし。面白そうなステージを選んで観戦するもよし。俺達が選んだ楽しそうな戦場を観戦するもよしだぜ!』
『運営セレクトだけはリアルタイムじゃ無いけどねー』
『うし!予選の説明はこれで終わりだ!次は本選で会おうぜ!』
『本選の実況もやるからねー』
『それじゃあお前ら!心の準備はいいか!』
『よくなくても行くよー』
『『試合開始だ!!(だよー)』』
「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」
テトとメトが叫んだ瞬間。街中にひしめいていたプレイヤーが光に包まれ消えていった。
それと殆ど同時にテトとメトが映っていた大きなモニターも消えていき、それぞれのステージを映した8つのモニターが代わりに空に整列する。
それぞれのステージには転移させられたプレイヤーが早速他のプレイヤーを探しに行ったり、あるいは詳しい説明を読んだり、隠れる場所を探したりと自由に行動しているところが映されている。
どうやら各自のウィンドウ以外でも空のモニターでも観戦できるようである。
「始まったわね……」
「そうだねー。きっとタク君やシルフちゃんならいい所までいけると思うよー」
急に人が居なくなり寂しくなった噴水広場の片隅で2人のプレイヤーが話しをしている。
それぞれ自分の知り合いをウィンドウに移して応援しているのだろう。
「あ、リアさん!レン君!昨日ぶりー。何?シルフ達の応援?なら俺達と一緒に応援しませんか?」
「ホー」
「メエエ」
「~~!」
そんな2人に話しかけたのは1人の少年とその仲間達。偶然会った知り合いに声をかけた。そんな様子の少年に、しかし2人の方はパチクリとさせて不思議そうな顔をしている。
「あれ?ユウ君?え?闘技大会にエントリーしているってタク君に聞いていたのだけれど……」
「あれれ?そういえばボーパルちゃんは?いつも一緒にいるのに姿が見えなよ?」
頭にハテナを浮かべる2人に少年はにっこり笑って自分のウィンドウを2人に見えるようにクルリと回す。
「ボーパルなら……」
『きゅい!』
「今1人目を倒したところですね」
少年の持つウィンドウには真っ赤なマフラーを巻いた真っ白なウサギがプレイヤーを蹴り殺す姿が映っていた。
はい。と言うわけで闘技大会にエントリーしていたのはユウじゃなくてボーパルでした。まぁね。ユウが出ても勝負にならないしやっぱりこういうのは主人公が出ないとね。
ボーパルが闘技大会出ればいいのに。とか、ボーパルの出場を許可してもらえれば!っていう感想の多いこと多いこと。
だが、あえて言おう!
いつから闘技大会に出るのがユウだと錯覚していた! と。
まぁそう思うように明言は避けつつ誘導したんですけどね。テトメトが読者でも同じ感想送りましたけどね。
でも感想返しでなんて言えばいいのか困ること困ること。後半は無視してました。ごめんなさい。
という訳でよく分かる解説のコーナー。ドンドンパフパフ。
えーまず。イベント情報にあったエントリー関係の情報がこちら。バン。
①出場者は7/22(土)午前10時までにエントリーを済ませていること。
②1つの筐体ゲームハードに記録されているデータの内出場者は1名まで。
③サモナーの召喚モンスターはプレイヤーと同等とみなすため、大会中の召喚魔法は使用不可。
エントリー方法 メニューの開催中のイベントの項目から第一回闘技大会エントリーを選択。エントリーするキャラクターを選択してエントリーする。
この内重要な情報がこちら。デン。
サモナーの召喚モンスターはプレイヤーと同等とみなす。
エントリーするキャラクターを選択してエントリーする。
もうお分かりですね。
どこにもプレイヤーしかエントリーできないとは書いていない上に召還モンスターはプレイヤーと同等とみなすとの運営からのお墨付き。その上、自分でウィンドウを開いてエントリーできるプレイヤーしか参加出来ないのなら全く必要の無いエントリーするキャラクターをわざわざ選択させる意味。
この闘技大会は初めから仕組まれていたのだ!!
まったく運営は性格悪いですね。
そ、それぐらい初めから分かってたし(震え声)って言う人は是非高評価をポチっとな




