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51匹目 そうだ。海へ行こう

日付は飛ばすもの。もう土曜日全カットでもいいんじゃないか。ダメか。


日間ランキングにまた乗ったぜイェーイ。すぐ落ちたぜイェーイ。

 

 ログインしますた。


 今日は金曜日。闘技大会は明後日だな。

 昨日はアトリエに行って、エルの長話に付き合って、フィアちゃんとちょっと仲良くなって、毒消し丸を買い足した。


 今日は森に行ってトレント狩りをしてもいいんだが、もうちょっとティーニャのレベル上げもしておきたいしまだ行ったことない海のほうに行ってみようと思う。


 -----------------------------------------


「夜の海ってなんか不気味で怖いよな。こう、吸い込まれそうな感じがする」

「きゅい!」

「ホー?」

「メエ」

「~」


 夜の森も真っ暗で怖かったけどそれとはまた違う怖さがあるな。上を見上げれば遮るものの何も無い綺麗な星空が見えているが海の方に目を向ければどこまでも吸い込まれそうな漆黒の海原がどこまでも広がっている。やっぱり昼にくるべきだったかもな。それならもっと綺麗な風景が見れたかも。夕方でもいいな。


 もっとも今一緒にいる中で夜の海の怖さを分かち合えるのは俺の背中にしがみついてプルプル震えてるティーニャだけだけど。

 ボーパルは寄せては返す波に当たらない様にギリギリを攻めて遊んでるし。

 ミズキはいつも通り冷静だし、むしろ夜はフクロウの時間だし。

 アイギスはそんな事を気にするほど繊細じゃないし。


 ……それにしても敵出ないな。草原から出てすぐが砂浜で、後は海だから行動できる範囲が狭すぎる。海に突撃するわけにもいかないし、浜辺を皆でテクテク歩いてるんだが、このままじゃただの夜の海のお散歩になってしまう。

 まぁ、たまにはそういう日もいいな。


「ブクブク!」


 とか思ってると砂浜の一部がもっこりと起き上がりおおきなカニになった。


 モンスター クラブ Lv3

 状態 アクティブ


 ちょっと離れたところに出現したカニは俺達を正面に捕らえるとシャカシャカ足を動かして距離を詰めてくる。……真っ直ぐに。


 ……いや、カニなら横歩きしようよ!何で真っ直ぐ歩いてきてるんだよ!


「きゅい!」


「ブク!?」


 あ、死んだ。

 やっと出てきたモンスターに嬉々として飛び掛ったボーパルがそのままの勢いでぶちかましを仕掛けて押し潰して終わり。


 まぁ、レベル3だとこの程度だよな。ティーニャかアイギスでも単独で余裕で勝てるのにボーパルが出たらオーバーキルにも程があるな。


 じゃ、散歩がてらにサクサク行きますか。


 -----------------------------------


 《クラブの封印率が100%になりました》

 《クラブが封印完了しました》

 《スキル:召喚魔法がレベルアップしました》


 うし。封印完了。

 しばらく歩きまわってみたけどカニ以外出なかったから夜の砂浜に出るのはカニだけなんだろうな。それ以外は海に出なきゃいけない、と。

 ミズキとティーニャは空を飛べるし、ボーパルなら左足が沈む前に右足を出して海ぐらい駆けれそうだけど俺とアイギスが無理だしな。ずっと泳ぐとか嫌だし海に出る手段を得たらまた来ようかな。


「……さて、どうしようか?」

「ホー?」


 最後のカニを封印した地点で立ち止まり、うーん、と首を捻る俺のマネをしているのはミズキだな。

 ボーパルとアイギスは何が楽しいのか砂浜にひたすら穴を掘って遊んでいる。

 ティーニャはどんどん積みあがっていく砂山に突撃しては滑り落ちてを繰り返してキャッキャッと楽しそうだ。


「予想外に海の……というか、砂浜の探索が早く終ったからな。微妙に時間が余ってるんだよな」

「ホー」


 急げば森の奥にたどり着けるかな?ぐらいの時間が余ってる。でも、もうちょっと待てば昼になるんだよな。多分。

 どうにもめぐりあわせが悪くて昼のモンスターは余り封印できてないからな。具体的には山と砂漠と海と森の奥のモンスターを封印できてない。殆どじゃねーか。


 ああ、それに山のボスも倒したから山の奥にも行けるようになってるんだよな。でもレン君との約束でトレント狩りにも行きたいし……。


 よし、決めた!宿題やって寝よう。

 明日、明後日のために今日中に宿題を終わらせておく事も大事だしな。けして考えるのがめんどくさくなったわけじゃないのであしからず。


「よーし、今日は帰るぞー。……あれ?ボーパルは?」


 考えを纏めて顔をあげると穴掘りに疲れて横になっているアイギスとその背中で寝てるティーニャだけでボーパルの姿が見えない。

 見えるのはうずたかく積まれた砂山とその手前にある底の見えない穴だけで……


「……ボーパル?」


「きゅぃぃぃいいいいい!!」


「うおおお!?」


 穴を覗きこんでボーパルの名を呼んだとたん。穴の底からバビュン!!とボーパルらしき影が高速で飛びだしてきた。

 あ、危なかった。咄嗟に後ろに倒れこんでかわせたけどもう少しで頭に直撃するところだった。


「きゅい!」


 俺が内心冷や汗を流しているなか、プルプルと体を振って砂を落としていたボーパルが両手でもっていた何かを俺へと差し出してくる。


【アイテム:素材】きらめく貝殻 レア度2

 七色に輝く美しい貝殻

 宝石の代わりとしてアクセサリーなどに使われる。


「おお、綺麗な貝殻だな。くれるのか?」


「きゅい!」


 ボーパルが掘り当ててきた貝殻をありがたくもらって今日はログアウトする。

 明日は丸一日ログインできるだろうから昼はモンスター封印。夜はトレント狩りだな。

もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。


心がぴょんぴょんする曲で高評価がとれない・・・。ボタンが半分重なってるのが連続で来られるとどうしてもズレてしまう。後親指がつる。

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