47匹目 VSストーンゴーレム
タク達と行動したら会話書かなくちゃいけなくて大変です。
普通の会話って何書けばいいのか全く分らないよね。
テトメトが書くと解説か漫才になってしまう・・・
「行くよボーパルちゃん!」
「きゅい!」
動きだしたストーンゴーレムに真っ先に向かったのはシルフとボーパルだ。二人で左右に回りこみ足首を砕き、削り取っていく。
モンスター エリアボス ストーンゴーレム Lv20
状態 アクティブ
「きゅいきゅいきゅい!!」
片手剣が埋まらないようにじわじわと削っていくシルフと違い、ボーパルはどっかんどっかんいわせながら削岩機もかくやというペースで左足を削っていく。
「ゴゴゴ……」
ゆっくりと立ち上がっていたストーンゴーレムが体を起こしきる前に左へと倒れていく。
「きゅい!」
十分届く高さまで降りてきたストーンの膝を踏み砕く様にスタンプして飛びあがったボーパルが、下がってきたストーンゴーレムの頭を空中回し蹴りで打ち砕き、反動で飛びあがった体を空歩で再びストーンゴーレムに肉迫させその広い背中に無数の連撃を浴びせかける。
「きゅいきゅいきゅいきゅいきゅいきゅい!きゅい!!」
「ゴゴ、ゴゴゴゴ……」
最後に両足で踏みつけるように蹴りを放ったボーパルはそのままバク宙をするようにストーンゴーレムから離れたかと思うと、掻き消えるように距離を取り次の瞬間にはその姿は再び上空にあった。
「きゅいぃいいいいいいいいい!!」
いつかのフェアリーイーターにトドメを刺したのと同じ。高空からのダイブキックがストーンゴーレムに突き刺さり背中の石が爆ぜる。
「ゴ……」
ボーパルに背中をドツキ回され前へとゆっくりと倒れてくるストーンゴーレム。
「『ウォーターボール』!!」
「ホー!!」
だが正面には俺達がいる。詠唱が終わった水の塊と風の刃がストーンゴーレムにぶち当たる。
「やったか!?」
いや、まだだ。ストーンゴーレムはまだHPが8割近く残っている。
「硬!!ストーンゴーレムかってえな!!ボーパルの連撃でも2割しかHP削れないとかどんだけ!?」
「ホー!?」
「……いや、防御と体力に特化しているボス相手に1人が一度の連撃でHP2割削るとか余程レベル差がなければ異常なんだが……ボーパルとずっと一緒に居るユウからしたらそんな感想になるのか……?」
さぁ行くぞと大剣を抜いた格好のままあんぐりと口を開いてボーパルの動きを見ていたタクが思わずと言った具合に言葉をこぼした。
「……もう全部あいつ1人でいいんじゃないか?」
「それは俺も常々思ってる」
体勢を立て直しつつあるストーンゴーレムに大剣を叩きつけながらのタクの呟きに俺も杖をたたきつけながら応じる。
ふむ。この程度のスピードなら大丈夫そうだし蹴りスキルのレベル上げでもしようかな?
「前アタシとパーティ組んだ時はアリが相手だったからすぐ終わっちゃったんだよね。タクさんはいくつに見えた?」
「5……いや。6チェインぐらいか?」
「アタシが見た感じ7だったよ」
「マジか!」
え?何の話?時々俺を置いてきぼりでゲームトークするのやめーや。こちとらネットスラングとか分らんのじゃい。
「何の話してるんだ?」
「ボーパルの強さの話だろう?ありゃ、やべーな」
「ん?蹴りウサギが強いってことか?それとも蹴りスキル?」
「違うよお姉ちゃん。職業だとか、スキルだとか、ステータスとかの話じゃないの。ボーパルちゃんが本当にすごいのは技術。所謂リアルスキルってやつだね」
リアルスキル?つまりキャラクターのスペックじゃなくてプレイヤーの技術ってことか。
「ユウはスキルチェインって知ってるか?」
「すきるちぇいん?なんだそれ?鎖スキル?」
「チェーンじゃなくてチェインな。スキル連鎖だ」
ふーん。初めて聞いたな。いや?聞き覚えがある気もするから覚えてないだけかも。
「うーん、と。お姉ちゃんはスキルには3つのタイプがあることは分る?『パッシブスキル』と『アクティブスキル』と『マジックスキル』の3つなんだけど」
「ああ、まあ何となく分るぞ?」
耐寒とかの所持しているだけで効果があるのがパッシブスキルで鑑定とかの任意で発動するのがアクティブスキルで水魔法とかの魔法スキルがマジックスキルかな?
「マジックスキルが発動の前に詠唱が必要なように、アクティブスキルは即時発動できる代わりに使用後に技後硬直があるんだが。スキルの終わりぐらいに別のアクティブスキルを重ねて、この技後硬直を纏めて後回しにするのがスキルチェインっていう技術だな」
大剣の腹でばっしんばっしんストーンゴーレムを片手間にしばきつつタクが説明してくれるが正直ふーん、そんなのもあるのかー。以外の感想が出ないんだが、ボーパルはその技術が優れているってことでOK?
「スキルチェインをするにはアクティブスキルごとに設定されている連鎖可能時間に他のスキルを発動すればいいんだが、この判定がかなりシビアでな。チェインに失敗した場合スキルは発動せずに技後硬直だけ纏めてくるから一気にピンチになるんだよなぁ……」
「おまけにチェインすればするほど判定がどんどんシビアになっていくんだよね。代わりにスキルの攻撃力も上がるんだけどそもそも成功しないし。アタシでも安定して出せるのは3チェインまでかなぁ。しかも決まったパターンだけで」
「シルフちゃんはメインがレイピアだからまだいいよ。大剣なんて本当にチェインがシビアでシビアで。一回チェイン出来るかどうかすら半々なんだよな……闘技大会までにはものにしたい所なんだが……」
はぁ~とため息をつくタクとシルフ。ちなみに駄弁りながらもバシンバシン。ザクザク。ゲシゲシ。きゅい、ホー、メエーとストーンゴーレムは囲まれて嬲られてる。にしても硬い。やっとHPが6割きった。
「で?つまりはどういう事だってばよ」
「……まぁ、要するにチェインしやすい格闘スキルとはいえ、当然の様に7チェインも、しかも状況の変化に合わせて最適なスキルを発動できるボーパルはすごいなって事だ。チェインしまくったおかげで最後の一撃とか、かなり威力上がっていただろう?」
「……あの体の小ささで、アレだけの機動力をもっていて、さらに一撃の破壊力も並外れているとか正直戦いたくないよね。残像が残るほどの速さで走ってくるし。足元とかうろちょろされたらチョー切りにくいし、一度距離を詰められたら離れること自体が難しいと思うし……近接職にも遠距離職にも相手しづらい相手だよね。ボーパルちゃんって」
「つまり、ボーパルがスゴイってことだな!ボーパル~、二人に褒められたぞ!やったな!」
「きゅい!!」
タク曰く消費したMPの回復とスキルのクールタイム待ちのボーパルに手を振って声を掛けると嬉しそうにちっこい手を振って答えてくれた。
ああ~かわいいな~
「……うん。ユウがそれでいいならいいか」
「そだね。お姉ちゃんはそれでいいと思うよ」
タクとシルフにやけに優しい目で見られた。何故だ。まぁボーパルが可愛いからいいか。
「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!」
「おっとっと」
すっかり忘れていたが今はエリアボス戦の途中なんだったな。
周りを取り囲まれ殴る蹴る斬るの暴行を加えられていたストーンゴーレムが全身から鈍色のオーラを薄っすらと立ち上らせて立ち上がりシルフへと拳を振り下ろした。
あっさり回避されていたが。
ストーンゴーレムのHPを見ると残り5割を切っていた。タクが言っていた第二段階だな。
「さて、おじゃべりはこれまでだ。こっからは本気で行くぞ!」
「「おー!」」
「ホー!」
「メエエ!」
「きゅい!!」
「あ、ボーパルちゃんはもうちょっと手を抜いてもいいからね?あたし達にスキル経験値が入ってこなくなるから」
「きゅい!?」
ボーパルにちょっと待機の命令を出しつつ戦闘は第二段階に移行していく……
もふもふ!
誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。
ありふれたの2巻買いましたー
ありふれたいいよね。何て言ったってメインヒロインが無口系ロリ少女で2番目がウサギ少女だしね!
何故か父親に先に読まれたけど。




