45匹目 デスペナルティ
どうも。工事の合間のちょっとした時間にスマホをポチポチして小説を書いている感じ悪い作業員ことテトメトです。
という訳で今日の話はちょっと荒い上に短いです。もう携帯執筆はしません。メールどころかLINEすらめったにしないぼっちにはハードルが高すぎたんや・・・
「祐。正直に吐け。嘘はお前の為にならない」
「ああ?藪から棒にどうしたよ。というか先にカバン置きたいんだが?」
最終的に何故か俺まで巻き込まれ永遠に続くかに思われた終末戦争から一夜明けた水曜日。
闘技大会まで残り4日となった今日。学校に登校した俺は教室に入るなり珍しく俺よりも早く登校していた、拓に捕まっていた。
「ふん。それぐらいは許してやろう。だが直ぐにでも話を聞かせてもらうからな。前みたいにHRでうやむやにはさせん!」
「お前はなんでそんなに偉そうなんだよ……」
無駄に威張り散らす拓をスルーして席に着く。えーと、一限目はっと。
「わざとらしく無視しようとすんなし。結構大事な話だからこっち向けや」
「えー、めんどくさいな……」
わざとらしかったのは自覚しているので渋々顔を向けてやる。
「祐。この前お前が言っていたことは本当なんだよな?」
「宿題は見せんぞ?」
「そのくだりは一回やった!そうじゃなくてボーパル達がクラスチェンジをしているって話だ」
「ああ、その話ね。してるぞ?ボーパルもミズキもアイギスもクラスチェンジしてるし、俺もつい昨日クラスチェンジしたし……」
「マジか!!お前のパーティだけでクラスチェンジ4人か!俺と翼で6人揃う訳だな」
「へー、タクたちもクラスチェンジしてたのか。知らんかった」
「まぁな。それよりもユウ今日エリアボス戦に付き合え」
「はぁ!?ついに頭沸いたのか?あんなマジキチな強さのエリアボスに勝てるか!俺なんか初手恐怖になって気が付いたときには殆ど終わってたんだぞ!」
「ああ、森に行ったのか。あそこはなかなか鬼畜だよな……。っと、エリアボス戦には作戦があるんだ。まぁ作戦というかなんというか……。エリアボスはな。パーティ内にクラスチェンジしたプレイヤーがいるほど弱くなるらしいんだ。クラスチェンジ済みが1人も居ないととても勝てるような強さじゃないのは祐も分るだろ?」
「あー、まぁ確かに」
ボーパルがクラスチェンジしてたのにすっごい速くて強くて硬かったもんな。
「それに祐もレベルアップして直ぐならデスペナも少なめに出来るだろう?」
「……デスペナってなんだっけ?」
「所持金の半減と取得経験値の減少だな。この取得経験値ってのが、前回レベルアップしてから取得した経験値だからレベルアップして直ぐは被害が少ないんだ」
「ホヘー、でも所持金は半分なくなるんだろ?」
「そこはお前、信頼できる人に預ければいいだろう?」
「……お金を渡す機能なんてあったっけ?」
「そこらで拾った石でも有り金全部で買ってもらえばいいじゃないか」
「なるほど」
不適当な値段で買い取るわけだから石の品質がひどい事になるだろうけど、そこらの石なら構わないか。……でも石ころに全財産を払うとか嫌だな……。
「まぁ、そんな訳で今日の放課後付き合ってくれるな?目指すはストーンゴーレムの討伐だ!」
「へいへい」
翼には拓から話を通しておくらしいので街の噴水前で集合という事にして帰ったら直ぐにログインした。
「およ?お帰りなさいなのじゃ」
「「「~~!」」」
ログインすると精霊ちゃんとフェアリー達が水浴びして涼んでいた。
既に空が茜色になりかかっているのであんまりやると風邪ひきそうだけど、ゲームだから大丈夫なのかな?
「ただいま……なのかな?精霊ちゃん悪いんだけど直ぐに始まりの街まで送ってもらえない?友達と待ち合わせしてるんだ」
「うむ?そうか……もう行くのか。寂しくなるのじゃ」
「「「~~~」」」
「なに、また来るよ。そしたらまた遊ぼう。……あの世紀末魔法戦争はもう嫌だけどな」
みんなしてションボリへなへなしている精霊ちゃんとフェアリーに苦笑と共に言うとパァァっと笑顔が戻った。うん。やっぱりこっちの方が可愛いな。
「そう……じゃな!なんかお主達とはまた会えそうな気がするのじゃ!」
「「「~~~!!」」」
あ、今フラグが立った音がした。様な気がする。
「さて、人の住処に帰るんじゃったな。泉のふちに立って底を見るのじゃ」
「底を?どれどれ」
泉のふちギリギリに立ってうーんと首を伸ばすようにして覗き込んだ泉の底は水が澄んでいてキレイなのに見通す事が出来なかった。
「深!ちょっと予想よりだいぶ深いんだけど。これ底なんて見えな……」
「えい!」
「へ?」
振り返って精霊ちゃんに文句を言おうとした俺の背中を精霊ちゃんが実にいい笑顔で押すと前のめりになっていた俺はそのまま泉へと落ちてゆく。フェアリーでも、ボーパルでも無い俺じゃあ、空を飛ぶ事も跳ぶことも出来ずになすすべ無く泉へと落ちていく……
最後に見えた精霊ちゃんの笑顔は、ああ。実にいたずら好きなフェアリーの親玉らしいなと、そう思った。
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「って、溺れ死ぬわ!!」
「うお!?ユウ!?どっから出てきてんだ!?」
「お姉ちゃん!?」
ザバーっと水を頭から滴らせ立ち上がった俺は、はじまりの街の噴水の中にいた。膝下までしか水深が無いのにほんとどこから出てきたんだよ……。
「あー、ビックリした」
「いや、それはこっちのセリフだよお姉ちゃん……」
せやな。
噴水からでてプルプルと体を揺すると水気が飛んでどんどん服が乾いていく。うん便利だ。
「いろいろ聞きたい事もあるが山の様にあるが……とりあえずリアさんの所に行くか。ここじゃ目立ってるし、お金も預けたいし」
「「はーい」」
タクの提案に特に断る理由も無いので素直に返事をしてシルフとタクと3人で街を歩く。そういえばこのメンツで歩くのは初日以来だなーとか思いつつタクから来るであろう質問攻めを思うと頭が痛くなってきたな。逃げようかな。
もふもふ!
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本編書くぜ!と言っておきながらネタが浮かんだので冬の童話祭用の短編その1を短編集にあげました。本編書けよ。