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44匹目 精霊の雫

クリスマス短編書きました・・・でも全然面白くないのでお蔵入りしました。

代わりに本編書くよ!目指せ今年中に闘技大会終了!

 

 大きなハコに入っていた小さな、緑の宝石の付いた指輪には、リングの部分の内側に小さな文字でビッシリと読めない文字が彫ってあった。


「ほう。精霊の雫じゃな。なかなかに貴重な代物じゃぞ?」


【アクセサリー:指】精霊の雫 レア度3

 防御力+10 重量0 耐久値100

 精霊の体の一部とも言われている貴重な宝石を使用した指輪。

 持ち主を災厄から守り、幸運を運ぶと言われている。

【効果】

 精神系状態異常耐性:?

 幸運補正:小


 レア度3!タクのホーバーブーツと同じレア度だな。鑑定結果にも見えない所があるしこれはいいものを貰ったんじゃないか?


 何より精神系の状態異常耐性が付いてるのがおいしい。

 タクに聞いたんだがFWOには大きく分けて2種類の状態異常がある。


 1つが精神系状態異常。

 精神の値が高いほど掛かりにくく、効果も低くなる状態異常で具体的な種類としては俺も掛かった恐怖や、混乱、魅了、呪い等が当てはまる。


 もう1つが肉体系状態異常。

 体力の値が高いほど掛かりにくく、効果も低くなる状態異常で具体的な種類としては、気絶、凍結、沈黙

 などが当てはまる。


 欠損などこれらに当てはまらない特殊な状態異常もあるらしいが、タクいわく精神系の状態異常は特に厄介らしい。

 まぁこれはちょっと考えれば分かるが敵に魅了されてこちらに襲い掛かってくるぐらいなら戦場の隅っこで気絶されてたほうがマシだ。


 そんな訳で精神系の状態異常耐性の上昇する装備は貴重なのだ。たぶん。


「んー、この指輪はティーニャが装備するか?ティーニャ以外はアクセサリー枠埋まってるし」


「~~!~~♪」


 俺が精霊の雫を指先でつまんでティーニャに差し出すと、ホントに!?やった~!って感じでバンザイで喜びを表すティーニャとそれをうらやましそうに見つめる他のフェアリー達+精霊ちゃん。


「~~!~??」


 ひとしきり踊りまわって、小さな体で喜びを目一杯表した後、早速装備してみようと俺から指輪を受け取ったティーニャだがそこでピシッと時が止まった様に固まってしまった。


 あー、うん。そりゃそうだよな。俺にとっては小さな指輪だけどティーニャにはでかすぎるよな。


「ティーニャにはでかすぎたな。すまんすまん。それじゃあ指輪は一旦俺が預かって……」


「!~~!!~!!」


 一旦インベントリにしまって保管しておこうかと思って手を伸ばしたんだが、ティーニャはいやいやと瞳に涙を溢れさせながら首をブンブン振って指輪を背中に隠してしまった。

 いや、まったく隠れてはいないんだが。


「う~ん。俺としてもティーニャが装備できるんならあげたいんだが、装備できないだろ?装備品は装備しないと意味が無いぞ?」


「~~!~!」


 それならば!と指輪に足を通したティーニャがそのままムリムリと指輪をお腹まで引き上げ、これでどうだ!っとドヤ顔で俺に見せてくる。

 いや、どうだって言われても……


「ダメだろう。チャンピオンベルトじゃないんだし指輪をお腹に履いても効果ないんじゃ無いのか?わざわざ鑑定結果に【アクセサリー:指】って書いてあるぐらいだしさ。後スカート捲れてるぞ」


「ダメじゃな。不正装備で装備効果は出ておらんようじゃ。というかそのままじゃと重くて飛行に支障がでるのじゃ」


 俺と精霊ちゃんの口撃でノックアウトされたティーニャがフラフラと落ちてきて、おわんを作った俺の手のひらの上にぺたんと女の子座りで着地した。


「~~」


 それからもちょっとの間う~う~唸っていたティーニャだがしばらくすると、仕方なく。ほんとうに仕方なく。といった感じでゆっくりと指輪から足を引き抜き。緩慢な動きでそっと俺へと指輪を差し出してくる。


 ……なんだろう。すごく受け取りにくい。一度渡して、アレだけ喜んでいるのを見てしまった後だから、罪悪感がふつふつと……。


「……指輪なのじゃから指に装備すればいいだけの話じゃないのかの?」


 ティーニャが両手で差し出した指輪を俺がつまむように受け取るのをじっと見つめていた精霊ちゃんがそう呟いた。

 ちなみに他のフェアリー達は飽きたのかボーパル達と遊んでる。


「いや、どう見てもサイズが合わないだろう」

「~~~!」


 ティーニャも手をブンブン振って抗議している。


「それが分からんのじゃが……ティーニャは今まで装備したことが無いじゃろうからまだしも、お主の装備しているそれはモンスタードロップじゃろ?それも全身の装備品がバラバラに出るタイプじゃ」


「そうだけど……」


「じゃが、お主が着ている装備はお主の体にピッタリあっているように見えるのじゃ。お主はたまたま偶然手に入った装備が自分にピッタリのサイズじゃったと思うのか?」


「……」


 それがどうしたのか、と続ける前に言われた精霊ちゃんの言葉に言葉が詰まってしまった。


 そうだよな。このゲームじゃ体格なんて人それぞれなんだし、防具を装備するためにサイズの自動調節機能ぐらい付いててもおかしくないよな。むしろ無いと不便すぎるよな。いちいちオーダーメイドで作らなくちゃいけなくなる。


「~~?」


「つまり指につければティーニャでもこの指輪が装備できるかもしれないって事だ」


「~~!~!!」


 俺達の話が理解できなかったのかしきりに首を捻っているティーニャに説明してあげると途端に目をキラキラと輝かせて、だっこをせがむ様に俺に両手を伸ばして差し出してきた。


 つけてほしいんだろうな。指輪は今俺が持ってるし。となると、どの指につけてあげようか……。

 ティーニャのちっこい指と指輪のサイズの関係上、指一本だけをリングに通そうと思ったら。入るのは親指と小指と、人差し指も入るかな?他の指にも無理をすれば入りそうだがちょっとした事で折れそうだから却下だ。体力2だし。


 さて、どこに付けるかだが。問題は大きな宝石が付いていることだな。親指につけたら邪魔でしょうがないだろうし。小指だとバランスが悪そうだ。となると人差し指しか無いわけだが。右手と左手どっちがいいか。う~ん、左かな。右手は空けておいた方が何かと便利だし。


 ……見た目とかじゃなくて実用性でつける位置決めたけどいいよね?大事だよね?実用性。


「!!」


 そんな訳で左手の人差し指だけがリングに入るように指輪に通してみたんだが、ある程度入った途端、しゅるしゅると指輪が収縮していってぴったりとティーニャの細い指に収まった。

 お~、便利だな。これってもしかしてティーニャも杖を装備できたりするんだろうか?いや、流石に無理か。武器の大きさと防具のサイズじゃ全然違うもんな。もうちょっと大きさサイズの武器が欲しかったのに勝手に縮められたりしたら困るし。


「~~!!~~~!!!」


 俺に指輪をつけてもらったティーニャは1回落ち込んだ嬉しさが再燃したらしく、またハイテンションになってあたりを飛び回り、他のフェアリー達に見せびらかして自慢している。


 ……指輪がティーニャにピッタリのサイズまで縮んだのは良かったと思うんだが、アレだけ大きくてキレイだった宝石まで一緒に縮んでしまったのを見てもったいないと思ってしまった俺は心が狭い男なのだろうか。まぁ外せば元のサイズに戻るだろうし、宝石だけ元のサイズのままでもつけにくくてしょうがないからいいんだけど。


「……なにやらお祭り騒ぎになり始めてきたが止めなくてもよいのか?今止めておかなければ今日中に人の住処に帰るのはちと難しくなるやもしれんのじゃが……」


「うーん。本来の今日の予定だったら森の奥地を探索するつもりだったんだけど。常時オワタ式みたいなティーニャを連れて行く気は無いし今から街に帰って、移動して、レベル上げをする気もおきないから。今夜泊まっていってもいいか?ダメならお祭り騒ぎが落ち着いた後に街に送ってもらうだけでもいいんだが」


「わらわとしてはどっちでも構わんのじゃが……」


 精霊ちゃんの視線の先にあるのは、はしゃぎまわるフェアリー達とボーパル達。吹き飛ぶ水辺。自動で修復されていく噴水。何あれ便利。どれだけ壊しても大丈夫。


「久しぶりの客人じゃ。なるべくならあやつらの相手をしていってくれると助かるのじゃ」


「了解したそれじゃあ一晩お世話になります。それと、流石にアレに混ざる体力は無いから俺は隅っこの方で見てることにするよ」


 ふっふっふー。こんな事もあろうかとシルフにスクショの取り方を教わっていた俺にぬかりは無いのだ!


「そう、か。わかったのじゃ……えーっと、じゃな。そのー」


「……俺の事は気にしなくてもいいから混ざってきてもいいんだよ?」


 実はティーニャが指輪をハラマキにしだした辺りからチラチラとフェアリー達のほうに視線を送ってそわそわしている。本人は多分バレてないつもりなんだろうなー。と、思ったから黙ってたけど。


「そうかの!?……おほん。お主がそこまで言うのじゃったら、わらわとしてもあやつらと戯れてくるのもやぶさかではないの。では行ってくるのじゃ………………わらわも混ぜるのじゃ~!!」


 くるっと振り返って3歩歩いた後に猛ダッシュで魔法飛び交う戦場(あそびば)に参戦していく精霊ちゃん。

 別に無理して威厳アピールしなくてもいいのにな。ああやって見た目相応な笑顔で絨毯爆撃(じゅうたんばくげき)しているほうが、かわいらしい……うん。ちょっと待とうか。

 どうしてあの子は高笑いしながら空から魔法を連打して地上を殲滅しているのかな?そしてどうして無傷で突破してきたボーパルの縦回転かかと落としを片手で受け止めているのかな!?そのまま地面に叩きつけてるし!


 ……その後も周囲を完全に包囲したフェアリーの魔法攻撃を同数の反属性魔法で全て打ち落としたり、ボーパルを肉弾戦で圧倒したり、ミズキの飛行の先回りをしてビビらせたり、アイギスを一撃で星にしたりと精霊ちゃんVS全員の構図でも圧倒的な強さを見せていた。

 精霊ちゃん怖い!絶対に怒らせたらダメな人だ!前回の人、良くこんな人に無茶振りできたな!


 ……この泉周辺が街と同じくダメージを食らわない場所だと気づくまでの間、俺は撮影も忘れて流れ弾が来ませんようにとひたすら天に祈っていたのであった。

もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。


チノちゃんのキャラソンやっと買えたよ~。

チノちゃんテラカワユス!

ああ^~チノちゃんに焙煎されたいんじゃあ^~

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