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38匹目 友情・努力・勝利

今回更新が遅めだったのも分量が少ないのも大体ソフィーの所為です。

コルちゃんかわいいよ。コルちゃん。

 

「突然だがコイツを見てくれ。コレをどう思う?」


「すごく……丸太です……」


 晩飯を食べた後再ログインした俺達は丁度MP切れで休憩していたレン君の(みせ)に遊びに来てそうそうレン君にトレントの木材を突きつけた。異議あり!……証言中でも尋問中でも無いが。


「……って、ぇぇええ!?!?ナニコレ!?何なの!?」

「トレントの木材。木材っていうか丸太」


「そうじゃないよ!レア度2の木材なんて始めて見たよ!どこにあったの?」

「森の奥にいたトレントを倒したら落としたんだよ。ちょっと時間無かったから1本しかないけど新しい杖作ってもらってもいい?」


「きゅい~」

「ホーホー」

「メェェ」


 ボーパル達はレン君に出してもらった紅茶とクッキーをつまみつつ、ほっこりしてる。そんな皆を見て俺もほっこりしてる。


「うん。作るよ!むしろお金出すから作らせて!今すぐに!」

「お、おう。いやお金は俺が出すから。じゃないと品質落ちちゃうし。ていうか今MP切れてて休憩中でしょうが!」


 はしっと俺の右手を包みこむように両手で掴み顔を寄せてくるレン君の顔を左手で押しのけつつ手を離してもらう。

 ……ついついタクにするのと同じような対応しちゃったけど大丈夫だろうか?

 うん、照れくさそうに頭を掻いてる姿をみるに大丈夫だろう。


「……ふぅ。それに今は闘技大会前でレン君も忙しいでしょ?作るのは闘技大会の後でもいいよ」

「んー、ボクはあんまり特注とかやらないからそんなに忙しくないよ?」


 え?ボーパルにマフラーくれたし、ミズキにもアクセサリー作ってくれる約束したし、今俺の杖も作ってくれる話をしてたよね?


「ボクが作るのはボクが作りたい物だけだよ。作りたく無い物を作ってもいい物は作れないと思うからね。まぁ、今はまだまだ作りたい物が沢山あるからそれ以外を作ってる暇は無いんだけどね。今一番作りたいのはトレントの杖だけどね!」

「……レン君の作る物が優れている理由がちょっと分かった気がするよ……」


 やりたい事しかやらないというスタンスが必ずしも正しいとは言わないけれど、やりたくない事よりもやりたい事をやっている方がモチベーションは上がるわな。


「あ、そうだ。ボーパルちゃん。ミズキちゃん。アイギスちゃん。こっちおいで。約束の作ってあるよ」


「きゅい?」

「ホー!」

「メェー?」


 レン君がストレージから装備を取り出しつつ、おいでおいでと手招きしてボーパル達を呼び寄せてる。


「はい。ミズキちゃんにはこの”友情のミサンガ”をあげる。足に付けてあげるから机に止まってくれる?」

「ホー!」


【アクセサリー:足首】友情のミサンガ レア度2

 防御力+1 重量0 耐久値10

 友の事を思い編まれたミサンガ

 装備者は良縁に恵まれるといわれている

 【効果】

 パーティメンバーの被クリティカルダメージ軽減:微小


「ホー!ホー!」


 ミズキは右足にシマシマのミサンガを巻いてもらって嬉しそうに部屋中を飛びまわっている。


「ミサンガはすぐ千切れちゃうから気をつけてね。切れたら新しいのまた編んであげるから」

「ホー!」


「次に、アイギスちゃん」

「メェ?」


「リアさんにキミのことも聞いていたからね。実は先に作っておいたんだ。ほら”努力のチョーカー”だよ」


 そういってレン君が取り出したのは木で出来たヤギのアクセサリーがあしらわれた首輪だった。


【アクセサリー:首】努力のチョーカー レア度2

 防御力+2 重量1 耐久値100

 ヤギの飾りのついたチョーカー

 装備者は技の熟練が早くなるといわれている

 【効果】

   取得スキル経験値補正:小

  スキル効果減少:微小


「メェェ?メェェ!」

「ふふふ。ほら、落着いて。止まってくれないと付けられないよ?」

「メェ」


 自分の分があるとは思わなかったのか驚いたアイギスが次の瞬間には嬉しそうに踊りだす。

 レン君に宥められた後はおとなしく首を差し出しチョーカーの長さを調節してもらっていた。


「良かったなミズキ、アイギス」

「きゅいきゅい」

「ホー!」

「メェェ!」


「実はもう1つあるんだよね。ボーパルちゃんマフラーを借りてもいいかな?」

「きゅい?きゅい!」


「ありがと。……ここをこうして、ちょちょいのちょいのちょいちょいのちょいっと!」


 うん。明らかにちょいじゃ済まない作業量に見えるけどレン君にとっては簡単は仕事なんだろうと分かるぐらいの数のちょいだな。


「はい完成。どうぞボーパルちゃん」

「きゅい!」


 レン君がスキルを使ったのか高速で縫ったボーパルのマフラーには新しく白い糸でうさぎさんの……というかボーパルの刺繍が縫い付けてあった。


【アクセサリー:首】勝利のマフラー レア度2

 防御力+5 重量1 耐久値100

 風がなくてもたなびく赤いマフラー

 端にはうさぎの刺繍が縫い付けてある

 装備者には勝利を運ぶといわれている

 【効果】

   与クリティカルダメージ補正:小


「おー、良かったな皆良く似合ってるぞ」

「きゅいきゅい!」

「ホー!」

「メェェ!」


 見てみて褒めてと押し寄せてくる皆を抱えるようにして撫でてやると嬉しそうにゴロゴロと体をこすりつけてくる。可愛いやつらめ。うりうり。


「それでこっちがユウ君の分の”ラビットチャーム”」


 最後にレン君が取り出したのはボーパルの顔の形をした握りこぶしぐらいのサイズのストラップだ。


【アクセサリー:その他】ラビットチャーム レア度2

 防御力+5 重量1 耐久値100

 ウサギの飾りのストラップ

 装備者は運が僅かに上昇する

 【効果】

   クリティカル率補正:小


「レン君ステキ」


 さっそくウサギさんワンピースを取り出して腰の辺りに付けてもらう。

 うん。可愛い。思わず顔がにやけちゃう。


「それじゃあ支払いだけどトレントの木材3つでいいよ」

「……取って来いと?いや、どの道レベル上げには行こうと思っていたからいいけどさ。それ取って来たときは夜だったんだけど、昼もトレントが居るかは分からないんだよね。だから遅くなるかもしれないけどいい?そもそも今日はもう落ちようかと思っているし」


「えー、そっか。外は時間で出るモンスターも採取できるアイテムも変わるんだったけ。不便だねー。んーじゃあ、しょうがないから今日はお金を貰うけどなるべく早くトレントの木材持ってきてね!いくつでもいいからね!なるはやでね!」


「はいはい。分かった分かった。じゃあ今日はありがとうね。近いうちにまた木材の納品と杖の引き取りにくるからねー」

「きゅいー」

「ホー」

「メェェ」


「うん。またねー。バイバーイ!」


 手を振るレン君に俺達も手を振り返してログアウトする。


 ……ふぅ。さて夏休みまでもうちょっと。いやだけど明日も学校に行くために今日はもう寝ますかね。

 おやすみなさい。


もふもふ!

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