35匹目 拓夢
《スキル:耐寒がレベルアップしました》
《スキル:耐寒がレベルアップしました》
《スキル:耐寒がレベルアップしました》
《スキル:耐寒がレベルアップしました》
《スキル:耐寒がレベルアップしました》
《スキル:耐寒がレベルアップしました》
《スキル:火魔法がレベルアップしました》
《スキル:鑑定がレベルアップしました》
《プレイヤーがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
《召喚モンスター:ボーパルがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
《召喚モンスター:ミズキがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
《召喚モンスター:アイギスがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
《アントの封印率が100%になりました》
《アントが封印完了しました》
《スキル:召喚魔法がレベルアップしました》
ユウ サモナー
Lv13 → 14
体力 13
筋力 13
敏捷 13
器用 13
魔力 19 → 20
精神 19 → 20
スキル
杖Lv6 蹴りLv16 召喚魔法Lv12→13 火魔法Lv10→11 水魔法LV12 鑑定Lv9→10 ダッシュLv9 回避Lv5 防御Lv5 耐寒Lv7(NEW)耐暑Lv1(NEW)
《スキルポイントを2点獲得しました。SP8→10》
ボーパル 蹴りウサギ
Lv13 → 14
体力 10
筋力 21 → 22
敏捷 21 → 22
器用 12
魔力 4
精神 7
スキル
索敵 気配察知 跳躍 ダッシュ 蹴り 溜め蹴り 立体機動
ミズキ マジカルオウル
Lv13 → 14
体力 12
筋力 11
敏捷 17 → 18
器用 10
魔力 15 → 16
精神 10
スキル
飛行 奇襲 索敵 夜目 高速飛行 風魔法
アイギス ハーデンゴート
Lv10 → 11
体力 21
筋力 11
敏捷 10 → 11
器用 12 → 13
魔力 4
精神 10
スキル
危機察知 悪路走破 怒り ダッシュ 硬化
「よーし。じゃあ、そろそろ終わろっか~」
「うい~」
「きゅい!」
「ホォ~」
「メェ……」
いつから魔法使い3人のMPが一回切れたら終わると錯覚していた?
とばかりに3人とものMPが切れたらある程度回復していたシルフがまた魔法を使いその後またミズキが……というループで結局日が昇るまで戦闘を繰り返した。
ザコ相手とはいえ流石に疲れたよ……。
「んー!お腹も空いたし街までダッシュで帰ろっか♪ボーパルちゃん街まで競争する?しちゃう?負けないよ~?」
「きゅい!」
精神的疲労で砂の上に座り込む俺とアイギスとミズキとは対照的に背伸びしたり足を伸ばしたりと元気溢れるシルフとシルフのマネをしてコロコロしているボーパル。この違いはどこから来るのか……コレが若さか……。
「……ってちょっと待ってぃ!ボーパルと駆けっこするって事は召喚範囲的に俺も一緒に走らなきゃいけないんじゃ!?」
「よーい、ドン!」
「きゅい!」
バビューンとアニメの様に砂を撒き散らしながら砂漠を爆走していくシルフとボーパル。
砂の所為でどっちが速いのかは分からないけどどっちも尋常じゃ無い速さなのは確かだな。
だって、砂の中で待ち伏せをしていたのであろう巨大ミミズが置いていかれてるし。てか巨大ミミズキモ!
「て、ちょ、ま、えーい!ミズキ!アイギス!走るぞ!!」
「ホー!」
「メェ~」
「アイギス文句言わない!行くぞ!」
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3人で追いかけたものの勿論追いつく筈も無く。街で待っていたシルフとボーパルに何故かビリだからとオヤツを奢ることになってしまった。
理不尽な……。
お腹も空いたし精神的に疲れたしでこの日は解散になった。
ずっとログインしてボーパル達と触れ合っていても良かったんだが……その、な?宿題という名の呪縛が俺を現世に繋ぎ止めるんだ……。
また明日来るから皆達者でな!
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「おいおいおいおい、聞いたか祐!」
「何をだよ、朝一からうるせえよ。顔を寄せるな気持ち悪い。宿題は見せんぞ」
「すみませんでした。この通り謝りますんでどうか!どうかお慈悲を!!祐様に見捨てられると本日居残らなくてはならなくなってしまうが故に!!」
「おーい、セリフがメチャクチャになってるぞ」
俺の机に両手と額をつけ懇願するタクの頭をノートでペシペシと叩いて頭を上げさせると、両手でノートを掲げ持ちありがたやーと言いながらタクは自分の席についた。
この借りは今日の帰りにアイスでも奢って貰う事にしよう。そうしよう。
「……ふぅ。……って落着いてる場合じゃねえ!なぁなぁ祐よ!知ってるか!?」
「……はぁ、だから何だよ煩いな」
「クラスチェンジだよ!クラスチェンジ!昨日クラスチェンジした奴が出たんだよ!本サービスから実施されるとは言われていたけどレベル15が条件らしいぜ!俺が見た奴はファイターのクラスチェンジ先で剣士って職だったんだけど他にも選択肢があったらしいぜ。そいつの獲物は片手剣なんだが、俺がクラスチェンジしたら何になるんだろうな?大剣を使うから大剣士とかか?いや~夢が広がるな!!」
「お、おう、そうだな。レベル15でクラスチェンジするのか。ならもうちょいだな」
声がでかい、顔が近い。周りのクラスメート達がチラチラ見てるだろうが。何人かいるニヤけてる奴と頷いている奴は同類だな。そこそこ女子もいるのが驚きだ。
「……なんか、冷静すぎね?もっとテンションアゲアゲで行こうぜ?」
「いや、お前のテンションが高すぎるんだよ。逆に冷めるわ。それにボーパル達はもうクラスチェンジしてるし。俺もそろそろじゃないかと思ってたけど後1レベルか。今日中に上がるかな」
ガシィ!と両肩を掴んでグリンと真横を向かされる。
「ちょっ、おまっ、今なんつっぶべ!?」
「肩が痛い、顔が近い、手を離せ」
真正面に来たタクの顔を下からの掌底で顔を打ち上げて離す。強制的に真上を向いたままゆっくりと崩れ落ちるタクがガタンとイスに座ったのを確認して1限目の準備に入る。えーと、1限は現国か。
「ひふぁい。ひは、はんだ」
「自業自得だ」
「って、そんなことよりも……お前今なんて言ったよ?」
「自業自得だ」
「そっちじゃねえよ!もっと前だ!」
「宿題は見せんぞ?」
「それは戻りすぎだ!ていうか結局見せてるし!」
「ほほう?つまり俺のノートはいらないと」
「あ、いえそれは貸してくださいお願いします。……そうじゃなくてほら、ボーパル達がクラスチェンジしたとかどうこう言ってただろ?」
「ああ、そのことか。ボーパルもミズキもアイギスも10レベルでクラスチェンジ……」
キーンコーン カーンコーン
「お、HRが始まるな。続きは後でな」
「むぐぐ、後で絶対聞かせてもらうからな!」
「タクがはしゃがなければ十分語りきれたのにな。はぁ~あ」
「俺の所為か!?」
「「「はぁ~あ」」」
「まさかの教室中大合唱!?」
ガラガラ
「夏本~廊下までお前の声が響いてたぞぉ~。そんなに声を出したいのなら先生の変わりに前出て、ホームルームやるかぁ~?んん~?」
教室に入ってきたのはうちの担任の現国の田中先生だ。
いつも気だるげでやる気が無く、お経の様に読まれる古典には催眠の魔法がかけられているとかいないとか……そしてヅラだ。
「いやいや、勘弁してくださいよ。それに騒いでいたのは俺だけじゃないでしょ?ねえ?」
「「「……」」」
「一糸乱れぬとはこの事か!!」
スッと何事も無かったかのように席に着き目線も合わせないクラスメート達。同じ学校に入って2年4ヶ月。クラスメートになって4ヶ月。皆だいぶタクの扱いを心得てきたようで俺は嬉しいよ。
「何ちょっとしたことで息子の成長を感じてホロリときている母親みたいな顔してんだよ!」
「いやに具体的だな。大体合っているが」
「ほら、夫婦漫才してないでホームルーム始めるぞぉ~。今日の日直は誰だぁ~」
夫婦じゃねーし。気持ち悪い。という突っ込みは、日直のきりーつという声が先に出たためにモゴモゴと消えていった。
まぁいい。今日はボーパル達とどこへ行こうか。今日ログインしたら昼だから山や砂漠や森の奥のモンスターも知らない奴だろうし。ああ、南の海にはまだ行ったことないから行ってみるのもいいな。皆で泳ぐのも気持ちいいだろうなぁ……
夢へと誘う田中先生の古典朗読とタクのイビキを聞き流しつつ。今日の予定を考えるのはまるで夢の中を泳ぐかのように気持ちよく……
スコン!
「はう!」
「ふべ!」
「久遠寺でも、夏本でもいいから、続きを読んでみろぉ~」
「すみません聞いてませんでした……」
「聞いてませんでした」
「二人共立ってなさい~」
くっ
「いや、俺を睨まれても俺の所為じゃねえからな!?お前流に言えば自業自得だからな!?」
小声で怒鳴るという器用な真似をするタクは放置して今度は読んでいるところを目で追いつつも空想に旅立つ。
ああ、愛しのボーパルにミズキにアイギス。まだ見ぬモフモフ達よ。早く会いたいなぁ。
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