30匹目 森林マラソン大会
最近仕事が忙しくて更新が遅れました。すみません
……はっ!?何だ夢か……
「きゅい……」
「ホー……」
ボーパルとミズキが1人で百面相をしている俺の体を(頭をでは無い)心配して顔を覗き込んでくれる。
ああ、2人は優しいなぁ……。よしよし。大丈夫だよー。
「フンスッ」
対して、良くも悪くも毒消し丸の味を知っているアイギスは鼻息を1つ吐いて呆れ顔だ。
まあね?多少はオーバーリアクションだったかもね?多少は。
実際毒消し丸は死ぬほど苦いけどHPは減らないし死ぬわけじゃない。
どれだけ苦くても、他に解毒手段も無いし毒を放置するわけにもいかないから毒をくらえば毒消し丸を飲まなくてはいけないわけで……。
どう見ても罰ゲームです。ありがとうございました。
……なんで回復魔法が無いんだよ!
キア○ーかナースをプリーズ!!
ぼとぼとぼと
「「「シャーーーー!!」」」
だから、お前らは呼んでねえええええええ!!
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【アイテム:素材】ポイズンスネークの毒袋 レア度3
ポイズンスネークがドロップする毒袋
中には毒液が詰まっているため取り扱い注意
調薬や錬金術の素材として使われる
毒回避成功!そして依頼アイテム回収!
ポイズンスネークはもう封印済みだからな。ドロップを確認したら毒袋を落とした。明らかにポイズンスネークの胴回りよりも大きい紫の水風船みたないなものだな。
……俺はたまたまフィアちゃんから毒消し丸を貰ってたからいいけど毒消し丸を作るためには毒袋が必要で、毒袋を得るためにはポイズンスネークを倒す必要があるわけで……
ポイズンスネークと戦うのに毒消し丸が欲しいのにその為にポイズンスネークを狩りに行くとか本末転倒が過ぎるな。数が揃う頃には毒消し丸必要なくなりそうだ。
「メェェェ!」
勝ち鬨を上げるアイギスにはもうポイズンスネークを過剰に恐れる様子は見られない。
……最初に不意打ちを受けた相手を過剰に怯えて戦闘にならず、勝てる相手だと分かれば気が大きくなって果敢に攻め立てるってお前……
「メェ?」
アイギスを見つめる俺に、なぁに?と首傾げてこっちを見るが何でもないと首を振ると、今度は空を飛ぶミズキを目で追い始めた。
おーい、よそ見しながら歩いてると、あ、転んだ。4足歩行なのに思いっきり顔面から落ちた。器用な……
……よくよく考えてみればアイギスはパワーレベリングばっかりで始めての戦闘が不意打ちからの毒攻撃だったんだし警戒するのは当然だよな。
最初の相手がウサギだったボーパルやミズキと比べるのが間違いだった訳だ。
……ミズキは飛行のアドバンテージがあるからともかくボーパルは完全に同格の相手だったよな。実際死に掛けたし。それなのに超前のめりに突撃していったボーパルって……
!?まさかのボーパルバトルジャンキー疑惑浮上!
確かにうちのパーティでの一番キル数取ってるのはボーパルだけども、最高火力もボーパルだけども、一番槍もボーパルだけども。
……あれ?おかしいな否定材料が見つからないぞ?
「きゅい~」
「まぁ、可愛いからいっか!」
「きゅい!」
ちょこちょこ立ち止まっては忙しなく辺りの様子を探り続けているボーパルに声をかけると元気な声で返事を返してきた。可愛い。
……最近ボーパルが、可愛いと言ったら返事をするようになってきたんだが可愛いが自分の名前だと勘違いしていないか心配になってきた。
仮にフルネームで書いたら、ボーパル=カワイイかな?うん。どこにも矛盾が無い完璧な計算だな!世界一かわいいよ!!
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「そうか。走ればいいのか」
「きゅい?」
いい加減にトレントを封印してしまいたいのだが、こちらが近づくまでただの木と判別つかないので居場所が全く分からない。
つまりこちらが近づけば居場所が分かるということで、ならば森を走りまわればトレント発見し放題!
俺って天才じゃね?トレントは多分アレをドロップすると思うから数狩りたいしな。
という訳で
「第1回チキチキ森林マラソン大会開始だ!!」
「きゅい!」
「ホー!」
「メェ?」
アイギスだけは突然叫びだした俺に(゜Д゜)ハァ?って顔してるがすでに付き合いの長い前二羽は、俺の思いつきからの急なハイテンションにも慣れたものでテンションアゲアゲだ。……生まれた時からノリが良かったような気もするが。
「はい、よーいスタート!」
「きゅいーーーーー」
「ホーーーーーー」
「メェ?メ!?メェ~~~~~」
索敵をほっぽり出して急に走りだした3人に出遅れたアイギスが慌てて追いかけてくる。
もちろんアイギスを1人で置いていくはずもなくボーパルとミズキも速度を調整して俺と並走し涙目のアイギスと同じ速度で走る。
イジメじゃないです。じゃれ合ってるだけです。
はっはっはー、アイギスっておそいのね!
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「メェエエエ!!メェエエエエエエエエエ!!ガフッ」
「『ウォーターストーム』!」
「ホー!!」
「きゅいきゅいきゅいきゅい!」
暗い森の中俺たちは走っていた。それはもう走りまくっていた。
その様はまるでかの有名なメロスの様に……って確かメロスの走る速度って、距離を時間で割ったら時速4キロぐらいだっけ?普通の徒歩より遅いじゃん!いくら足場が悪い森の中だからってそんなに遅くは無いわ!てかそんな速度じゃ奴らに追いつかれる!!
「「「「シャーーーー!!」」」」
「メェエエ!!メェエエエエエエ!!ガホッゲホッ」
「分かったからアイギスは走るのに集中してろ!!」
アイギスを送還できればいいんだが戦闘中はパーティの変更は出来ないからしょうがないキリキリ走ってもらうしかない。
どうしてこうなったのか……
第1回チキチキ森林マラソン大会は急遽第1回チキチキ森林鬼ごっこ大会に変更になりました。
本来の予定では基本ヘビは振り切って、トレントが出てきたときに一緒にいた奴だけ狙うつもりだったんだがヘビしつこすぎる。
なんなのあいつら。諦め悪すぎるだろ。いやヘビだけに執念深いと言うべきか?
「ヒーヒー……」
「『ウォーターストーム』!」
「ホー!!」
「きゅいきゅいきゅいきゅいきゅいきゅいいいい!」
ぼとぼとぼと
「「「シャーーーー!!!」」」
逃げれば逃げるほどヘビが増えていく鬼ごっことか鬼畜過ぎんだろ。まぁ鬼を倒して減らせるけども。
俺のウォーターストームとミズキのウィンドストームで弱らせ一人後ろを走るボーパルがきゅい一回に付き一体ずつ蹴り仕留めてる。
ヘビを蹴っては跳びあがり、近くの木から木へと高速で蹴り移りまたヘビの集団に突っ込みヘビを複数まとめて吹き飛ばしまた上空へと跳び行方をくらませる。
……うさぎってあんな戦闘民族だったっけ……?
深刻なボーパルのうさぎ離れはさておき、そろそろ現状をなんとかしないと。具体的にはダメージ覚悟で立ち止まって数減らさないと。
トレントの封印率は80%。あと2体封印すればいいんだが、2桁を超えるヘビから逃げるのに精一杯でトレントを見かけても素通りするしかない。悔しい。
このまま逃げ続けてヘビの数が減るのを待つのも手だがヘビの数がじわじわ増えているんだよなぁ……。
それにMPもそろそろ底尽きそうだし、アイギスは舌噛んだみたいだし、なによりお腹すいたし。そろそろ午後3時。連続ログインでご飯食べてないから空腹が厳しい。ゲーム内で食べてもお腹膨れないんだよな……。
「ゼー……ゼー・・ゼ、ガヒュル!?メェ、ゴッ!!??」
「アイギス!?」
あっ詠唱止めちゃった。じゃ無くって!アイギスが突然左に吹き飛んだかと思ったら空中で方向を変えてこっちに飛んできた。回避不可。キャッチしたら足が止まる!
いやいや、どの道アイギスを見捨てて逃げれない以上ここで迎撃するしかない!
後方からは紫の絨毯のようにすら見えるポイズンスネークの群。
正面にはアイギスをお手玉してくれたトレントが2体。
俺とミズキのMPは残り少なくアイギスはボロボロ。
ピンチ?否これはチャンスだ!(震え声)
誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。
※注意※
第1回ニャンコ投票は活動報告に移行しました。
また中間報告も活動報告に上げましたので暇な人は見てみてください。
中間報告は適時更新する予定です




