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249匹目 第二回闘技大会決勝先鋒戦

『第二回闘技大会決勝戦!先鋒戦の選手が決まったぜ!』

『ユウチームの選手はミズキちゃんだね~。多彩な魔法を操るテクニシャンだよ~』


「ミズキ頑張れ~!」

「きゅいー!」

「ホー!」


ステージの外で手を振る俺達にミズキがビシッと敬礼を返して、ステージの中央へとピョンピョン歩いて行く。

やっぱり、先鋒戦を任せるならミズキかイナリになるんだよなぁ。ティーニャは防御力に。アイギスは攻撃力に難がありすぎるもん。

ボーパルは逆に優秀過ぎるから、最大で一人しか倒せない先鋒戦に配置するのはもったいないし、俺も奥義を生かしたいから後半がいいもんね。……アレを生かしたいかと言われるとまた微妙なんだけども。


『対する天下無双チームのメンバーは、ハットリ選手だぜ!』

『全身闇色で目の部分だけが出ている服を着て、腰には短刀……分かりやすい忍者装束だね~。ミズキちゃんが全身影色だから、闇対影の戦いだね~』


「拙者の相手はミズキ殿でござるか……予想が外れたでござるな」

「ホー?」


わー。ゴテゴテの忍者だぁ。むしろ日本では見ないレベルでNINJA感出てるわ~。

で?あの忍者は対戦相手がミズキなのは予想外だったみたいだけど……相性が一番良い相手がミズキ以外に居たのかね?イナリとか?忍者VS妖狐ってのもたしかに面白そうな組み合わせだよね。過去にタイムスリップしてるみたい。


『両者開始位置についたぜ!』

『最終試合行くよ~!』


「む?いやいや、ミズキ殿に文句があるわけではござらん。いざ尋常に勝負でござる」

「ホー!」


ミズキが”むすっ”としてるのを感じたのか、忍者がフォローを入れてる。

忍者コミュ力たけぇな。初めて会ったフクロウの顔色を読めるとか凄すぎる。流石忍者。


『『試合開始だぜ(だよ)!!』』


「ホー!」

「ぬぅ。やはり飛ばれるのは厄介でござる、なっ!」


アクションスキル<投擲>


試合開始と同時に飛び立ったミズキを、忍者が投げたクナイが追いかける。

少しヒヤッとしたけども、クナイは全て外れて結界に当たったな。忍者がどれぐらい遠距離攻撃手段を持っているのかは分からないけど、飛んだことで腰に差した忍者刀は無効化できただろう。不意打ちの忍殺で即死とかになったら最悪だしね。一対一で試合してるのに不意打ちが発生することは早々ないと思うけども。


『ミズキ選手が空へと舞い上がるぜ!ハットリ選手がどこからともなく取り出したクナイを投擲するも、空振りに終わったぜ。……というか、本当にどこから出てきたんだ、あのクナイ?試合中はストレージも開けないし、取り出す系のスキルも使ってないみたいだが……』

『忍者だからね~。それぐらい当然だよ~』


「ホー!」


マジックスキル<ストーンシャワー>

ダブルマジック<ストーンシャワー>


回避しなから詠唱していたミズキが、第一試合でも使っていたダブルストーンシャワーを発動した。

やっぱり広範囲魔法って強いよな。面制圧は正義!


『出たぁ!ミズキ選手のダブルストーンシャワー!純粋な物量での圧殺に加え、影梟の代名詞でもある影魔法を使うための布石だぜ!』

『逃げれる範囲が限られている闘技大会だと、広範囲攻撃は強力だよね~』


「その魔法。借り受けるでござるよ!忍ッ!」


アクションスキル<忍術・土遁>


「ホー!?」


忍術だ!こいつ忍術を使うぞ!!

まぁ、忍者だから忍術や忍法を使ってもおかしくないけども!「ニンッ!」って構えたらミズキの落ちした岩が爆散したぞ!なにあれカッコイイ!俺も覚えたい!「ニンッ!」って、やりたい!


『忍者の代名詞!忍術が発動したぜ!ミズキ選手のストーンシャワーを土遁の術で無効化だぜ!』

『……ねぇねぇテト。今更だけど忍術って魔法とどう違うの~?土魔法と土遁の術の違いはなに~?』


「ドロンでござる!」

「ホー!」


アクションスキル<土隠れ>

アクションスキル<隠密>

アクションスキル<風刃>


ミズキが翼を羽ばたかせて、ストーンシャワーが砕かれたことで舞飛んだ砂塵を吹き飛ばした頃には、忍者の姿はどこにもなかった。

むぅ。隠密系スキルか~。やっぱり忍者と言えば、正々堂々真正面から戦うよりも、影に潜んで不意打ちで忍殺するイメージだもんね。汚いなさすが忍者きたない!

……まぁ、実際に影に潜めるのはミズキだけども。物理的に。てか、魔法的に。


『説明しよう!土魔法とは、MPを消費して土の槍や岩を生み出す(・・・・)スキルだぜ。対して土遁の術は、MPを消費して土や岩を操る(・・)スキルだぜ!ハットリ選手は、ストーンシャワーの岩を互いにぶつけあって粉々にしたわけだぜ!』

『じゃぁ、土遁の術って周りに土や岩がないと使えないスキルなんだね~。ステージはタイル張りで土は見えてないから、ミズキちゃんが魔法を使うまでは使えないのか~。……忍術って弱くない?』


「隙ありでござる!」

「ホー!」


アクションスキル<暗殺>

アクションスキル<投擲>


ステージ全てを見下ろせるミズキが、忍者を探してキョロキョロしていると、砂が積もった地面から唐突にクナイが飛び出してミズキに迫り……あっさり回避されてた。

うん。完全に不意は突けてたけど、流石に距離があり過ぎたな。見てから回避余裕でした!

ふむふむ。忍者はおっきい布を被って土の下に潜んでたのか……。攻撃と同時に布が消えたし、土隠れの効果なのかな?壁に擬態する布もありそう……。


『それがそうでもないぜ?さっきもミズキ選手の発動したストーンシャワーを無効化していたが、忍術は魔法にも干渉できるんだぜ。しかも、アクションスキルだから即時発動ができるぜ!つまり……』

対魔法スキル(カウンターマジック)としてすっごく優秀なんだね~。なるほど~』


「ホー!」

「ぬぬっ。不意打ちしても当たらぬでござるか……だとしても。為すべきことを為すでござる!」


不意打ちのクナイをあっさり回避された忍者さんかわいそう。

本来は、不意打ちからの暗殺でサックリ殺るのが得意なんだろうけど、そもそもミズキに攻撃が当たらないって言うね。近接攻撃は届かないし、遠距離攻撃は避けられるし。忍者には悪いけど、相性が悪かったね。まぁ、他にも攻撃手段があるのかも知れないけど。


『そこだけ聞くと強そうだが、忍術発動中は忍術ポーズのまま動けないし、発動中は常にMPを消費し続けるから、使い時の見極めは大変なんだぜ?』

『となると、忍者さん的には短期決戦がいいのかな〜?魔法を無効化できる回数に制限があるもんね〜』


「ホー!」


マジックスキル<ウィンドシャワー>

ダブルマジック<サンダーシャワー>


「ちょっ!二種類同時は反則だろ!?あ、反則でござろう!?」


アクションスキル<忍術・雷遁>


あ、今一瞬忍者ロールプレイが崩れたな。やっぱり忍者は素じゃなかったのか……。って、当たり前か。忍者も現実世界だと普通の人間なはずだし。

そして、ミズキは考えたな~。風と雷の魔法が同時に忍者へと降ってきてる。忍者は威力が高い雷の方を操って直撃を避けたけど、風の刃は防げずに大きく吹き飛ばされたな。HPも割とごっそり削れてる。耐久低いな忍者。紙装甲だ。まぁ、暗殺特化っぽいし仕方ないのかな。


『あ、忍術の弱点がもう一つあったぜ。アクションスキルは魔法と違って、連続発動は出来ても同時発動は出来ないからな。複数種類の魔法が同時に飛んで来たら両方を操る事は出来ないぜ』

『あくまでも、『指定した属性を操る』効果だからね~。『魔法を無効化』する訳じゃないから、仕方ないね~』


「ぐぬぅぅぅぅ!!」

「ホー!」


アクションスキル<麻痺の魔眼>


吹き飛んだ忍者が空中で受け身を取って地面へ着地する直前に、ミズキの追撃の魔眼が炸裂して、忍者が麻痺して地面を転がったな。

魔眼を覚えた直後は、一回発動するだけでMP切れでフラフラしてたミズキが、今じゃあんなに余裕の羽ばたきを……。うぅ。成長したねぇ。おらぁ嬉しいよ……。


『ミズキ選手の目がキラリと光って、ハットリ選手が麻痺ったぜ。魔眼系のスキルは殺傷能力がないし、耐性やステータスで無効化される事もあるが、効果範囲は抜群だぜ!』

『味方を巻き込むし、消費MPも抜群だけどね~。後衛から撃とうとしたら前衛を巻き込むし、空から撃つと全員を巻き込むし、効かなかったらMPを消費しただけになっちゃうけどね~』


「ホー!」

「ぬぅ!面妖な!」


マジックスキル<影縫い>


うわぁ、えげつない。空中で麻痺を喰らって着地に失敗して転がってる相手に、羽根を飛ばして影を縛って動きを封じたぞ。麻痺と影縫いで、体内と体外の両サイドから動きを阻害してる。かわいそうに……。


『忍術の弱点追加だぜ。影魔法に対応する忍術が無いぜ!忍術で覚えられるのは、八属性魔法だけだぜ』

『忍術・影遁は無いんだね~。あったとしても、麻痺してる状態で忍術ポーズを取らないと発動できなかったけどね~』


「ホー!」

「ギャアアアアア!!で、ござるぅぅぅぅ!!」


マジックスキル<サンダーピラー>

ダブルマジック<サンダーピラー>


完全に身動きが取れない忍者をぶっとい落雷が貫いて、地面ごと爆発して真っ黒になったな。いや、元から黒装束だったか。

なんと言うか……。忍者も弱くはないんだろうけど、徹底的に相性が良くなかったな。やっぱ飛べるってつえーわ。


『そこまで!ハットリ選手HP全損で試合終了だぜ!』

『麻痺させた上に影縫いで動きを縛って、雷の柱で吹き飛ばす……容赦ない。ミズキちゃん容赦ないよ~』


「ホ~!!」

「おー。よしよし。よく頑張ったなミズキ!えらいぞ!!」


MPはほぼ使い切っていたが、ノーダメージで忍者を完封したミズキが俺の元へ戻ってきたので、全力で撫でくりまわして褒めまくる。

よーし。まずは一勝!次も勝てばそのまま優勝!できればこのまま俺の出番が来ずに終わればいいんだけど……無理かなぁ。中堅戦のメンバーに期待だな。


『第二回闘技大会決勝先鋒戦!勝者ミズキ選手!!おめでとうだぜ!!』

『空を飛べる優位を活かした、一方的な試合運びだったね~。天下無双チームは後が無くなったよ~。次の試合も頑張ってね~!』


もふもふ!

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