番外編:クゥと遊ぼう!
お久しぶりです。テトメトです。生きてたぞわれぇ!(先回り)
本編書こうかなぁとも思ったんだけど、時間かかりそうだったから前から書きたかったクゥちゃんの短編をば。
なにせ早く投稿したかったからね!その理由はまた後書きで・・・。
「と、いう訳でクゥと遊ぼう!」
「クルゥ?」
フェアリーガーデンにある寝室にクゥだけを呼んで第一声に遊ぼう宣言したら、鷲の頭を傾げて不思議そうな顔をされてしまった。
昨日新しく召喚したクゥは、胸に抱きしめると丁度いいサイズのグリフォンの子供だ。
だっこしてすりすりもふもふしてたら最高に気持ちいいし、かわいいんだけど・・・。
「クゥがちっちゃかわいいのって今だけな気がするんだよね・・・」
「クル、クルゥ♪」
クゥの親的なエルダーグリフォンっておっきいグリフォンなんだよね。で、最終的にはクゥに乗って空を飛びたいと思ってるから、クラスチェンジする度にクゥは大きく成長させていくわけだ。
もちろんおっきくなったクゥも変わらず愛せる自信があるが、それはそれとしてちっちゃいクゥも愛でたい!子供の成長は早いからね。愛でられる時に愛でておかないと!
「じゃーん!ね~こ~じゃ~ら~し~!こんなこともあろうかと用意しておいたのさ!」
「クルゥ?」
正確には商売上手のリアさんに買わされたんだけどね!損したとは思ってないから何も問題ないが。今こうして使ってるし!
「ほーれほれ。ふりふり~!」
「クルゥ・・・」
地面にしゃがんで、クゥの目の前で猫じゃらしをふりふりしてるんだが、ちょっと困ったような顔で俺を見るだけで全然じゃれついて来ない。
あっれぇ~?おかしいなぁ。クゥって半分が鷹で半分がライオンだから、猫じゃらしで遊ぶと思ったんだけど・・・頭が鷹だから鷹的な遊びの方が好きなのかな?鷹的な遊びってなんだろう。フリスビーとか?でもクゥはまだちゃんと飛べないしなぁ・・・。
「もしかして、遊び方が分からないとか?ならここは猫の先輩にご教授願おうか!」
「クルゥ?」
てなわけで、出番ですよノゾミさ~ん!
「にゃぁ~ん・・・」
「クルゥ・・・」
面倒そうな顔を隠そうともしないノゾミを召喚すると、ビクッ!と跳ねたクゥが俺の後ろに隠れてしまった。
んー。クゥも仲魔のみんなには慣れてきたんだけど、突然現れたらまだビックリしちゃうみたいだね。って、こらこら。スカートの中に入ってこないの。くすぐったいでしょ?
「クゥ~。ノゾミだから大丈夫だよ?ほら、知ってる子でしょ?」
「クルゥ・・・?」
「にゃぁー」
クゥが恐る恐る俺の後ろから顔を出して、ちょこんとお座りしているノゾミを見ると、安心したようにゆっくり前に出てきた。
クゥが少し臆病なのも小動物っぽくてかわいいと思うんだけど、モンスターと戦闘が出来るのかが心配になるよね・・・。まぁ、なるようになるか。
「で、なんでノゾミを召喚したかって言うと、この猫じゃらしで遊んでもらうためだな!」
「にゃぁ・・・」
じゃーん!と猫じゃらしをノゾミに見せたんだが、なんか呆れた目で見られてしまった。
「ほーれほれほれ。猫じゃらしだぞ~!」
「にゃぁ」
ノゾミの前で猫じゃらしをぷるぷるしてみたんだが、反応が無い。
もうちょっと近づけてみる。尻尾がふさふさ揺れだすけどじゃれてはこない。
顔の前まで近づけてみる。そわそわしながらそっぽを向かれた。
猫じゃらしでほっぺをぺちぺちぺちぺち。
「んにゃっ!」
「ごめん。ごめんてば~。ノゾミが素直じゃないからイタズラしたくなっちゃったんだよ~」
流石に顔ぺちぺちは我慢ならなかったようで、猫パンチで猫じゃらしを持っている俺の手を弾き落とされてしまった。
やっぱりノゾミもかわいいなぁ~。上目遣いで俺を見つめるジト目が好きだわ。癖になっちゃう。
「じゃなくって。ノゾミ~。普通に猫じゃらしで遊んでみてくれる?クゥに遊び方を教えてあげて欲しいんだよ。お姉ちゃんとしてお手本を見せてあげて?」
「クルゥ!」
「・・・んにゃぁ~」
最初は嫌そうな顔をしていたノゾミだけど、俺の「お姉ちゃんとして」発言で耳がピクッと動き、クゥがキラキラした瞳で見つめると、まんざらでもなさそうな顔でしょうがないにゃぁ~みたいなことを言った。
本当にノゾミは素直じゃないねぇ~。素直じゃないけど本音を隠しきれていないのが、かわいすぎる!
「ほれほれ~!」
「にゃぁ。にゃにゃぁ」
「クルゥ!」
ノゾミとクゥが並んで座り、俺がふりふりしている猫じゃらしを仲良くぺちぺちしてる。
先輩風を吹かせたノゾミが猫じゃらしを捕まえる実演をやって見せ、クゥが上半身ごと両手を振り上げてタシッ!タシッ!と捕まえようとしてるんだけど、大振り過ぎて失敗してる。
それどころか、右へ左へと夢中でタシタシするあまり、その場で180°回転しちゃって、あれぇ?って、不思議そうな顔をしてる。呆れ顔のノゾミに向きを修正してもらって、もう一回タシタシ!
もぅ~!なにこれ!かわいすぎるんですけど!もしかして天国かな?にゃんにゃん天国だ!動画動画。動画で保存しなきゃ!後でシルフに見せて自慢してやろうっと。
「クルルゥ!」
「にゃぁ」
「お~!すごいすごい!」
ついに両足で猫じゃらしを捕まえたクゥが、見た!?今の見た!?って感じで、俺とノゾミの方を交互に見てきたのでなでなでして褒めてあげると、嬉しそうにすり寄ってきた。
はぁ~。クゥがかわいい。超かわいい。癒されるわぁ・・・。もうクゥはクラスチェンジしなくてもいいんじゃない?飛行手段は別のモンスターを捕まえようかな・・・。
「にゃぁ~」
「ん?ノゾミはどっか行きたいの?んー。もうちょっと休むつもりだったから別にいいよ」
クゥが猫じゃらしで遊べるようになったので、もういいでしょ?って感じでノゾミが部屋を出て行こうとしてる。ノゾミは一匹オオカミって言うか、一匹ネコ感強いよね。みんなとわいわいするのは苦手なのかね?
「クルゥ!」
「にゃぁ?」
ノゾミが部屋から出て行こうと扉の方に歩いていくと、その後ろをクゥが同じようにテクテク付いて行って、ノゾミが止まるとクゥも一緒に止まった。
クゥの中で、ノゾミがお姉ちゃんとして認識されたみたいだな。もしくはお母さんかな?カルガモのお母さんに付いて行くヒヨコみたい。
「にゃぁ・・・」
「クゥはまだここに慣れてないみたいだからね。ちょっと面倒見てあげて?」
ノゾミがちょっと困った様な、どうすればいいか迷っているような表情で俺を見てきたので、面倒見てあげてってお願いすると、やれやれみたいな様子をしつつも頼られる事が嬉しそうに、尻尾を揺らしながら、クゥと一緒に部屋から出て行った。
「クゥには俺が居ない時に頼れる相手が出来たし、ノゾミも一人で居るだけじゃなくなった。全てが丸く収まったな!」
・・・うん。分かってる。これが最善だよね。最善なのは分かってるんだけど・・・。
「結局クゥと全然遊べてないッ!!」
今日は一日クゥと遊ぶ予定だったのにおかしいな?
まぁ、いっか。今日じゃないとクゥと遊べない訳じゃないしな!また今度一緒に遊ぼっと。それまでにミヤヒナにレーザーポインターを作ってもらわなきゃね!




