231匹目 こんな事もあろうかと一眼レフを用意しておいたあたしにぬかりはないよ!
「VRMMOでサモナー始めました」の1巻が・・・なんと・・・
大好評につき重版が決まりましたぁぁぁぁぁぁ!!
わぁぁぁぁぁぁ!!
ついでに2巻も3月に発売予定!うぉ~。なんと言うか・・・うぉ~(言語崩壊)
「……フィアはユウさんの事を……」
「「ゴクリ……」」
俺とシルフの無言の圧力に負けたとはいえ、俺のもふもふを受け入れるのかどうかを積極的に口にしたい訳では無いフィアちゃんは、ほんのりウザそうな表情をしながらゆっくりと焦らす様に口を動かしている。
判定がYESなのかNOなのか気になってしょうがない俺達は、フィアちゃんの言葉を今か今かと待ってるんだが……あんまりにも焦らすもんだから体感だと2週間ぐらい待たされた気分だよ!続きはCMの後レベルの待ち時間じゃないよこれ!
もう!諦めて早く教えてよ!NOだと泣くけどね!YESだと抱きつくけどね!!
「……はぁ。そうですね。フィアはユウさんにもふもふされるのは……なんか嫌です」
「なんでだぁぁぁぁぁぁ!!」
本当に観念したらしいフィアちゃんが俺から顔を逸らしながら口にしたのはそんな死刑宣告だった。
どうやらこの世に神は居ないらしい。創造主は居るけどね。つまり悪いのはテトとメト?あいつら絶対許さねぇ。絶対にだ!
「まさかフィアちゃんに仲良くなりたくないと思われてたとは……・しかも理由が雑!欠点が明確じゃないから改善のしようもない!」
「……いえ、別にユウさんの事が嫌いな訳じゃありません。ただ……」
そこでまた言葉を濁したフィアちゃんは更に俺から顔を背けて……もはや俺に背中を向けだした。え、えぇ……ここから更に言いにくい事ってある?なんかもう嫌な予感しかしないんだが……
「……その、ユウさんに抱きしめられて頭を撫でられるのを想像すると……あの……軽く死ねます」
「それ嫌いよりも酷くない!?」
死ぬほど嫌か!俺にもふもふされるのは軽い気持ちで死を選ぶほど嫌なのか!?その言葉を聞いた俺の方が死にそうだよ!死んでも教会で復活するけども!
「んん~?あっ、ふ~ん。ふふっ。これはもしかしてお姉ちゃんにも春が来るのかな?」
「あ゛?なにバカな事言ってんの?こちとら春どころかいきなり南極に飛ばされた気分だわ。なんなの?バカなの?死ぬの?」
「お姉ちゃんのツッコミが氷点下!あたしへの愛が足りないよ愛が!」とかなんとかフィアちゃんの向こう側にいるシルフがほざいてるが放置で。
なんか、フィアちゃんがまだ小声で何かを呟いていたり、シルフがそんなフィアの呟きを聞いたり顔を覗きこんだりしてニマニマしてるけど俺には見えないし聞こえません~。もしフィアが俺に追加で口撃をしてたり、嫌そうな顔をしてたら耐えられる気がしないしね。
都合の悪い事は気にしないに限る。大丈夫大丈夫。俺は強い子。よし。OK。
「そういえばフィアちゃんにお土産があるんだった。今出すから待っててね~」
「おぉう。お姉ちゃんが露骨な好感度稼ぎをしてる……」
シルフうっさい。ちょっと黙ってろ。100年ぐらい。
「ちょっとの基準がおかしいよ!100年後ってあたしもう死んでるよ!たぶん!」
「あ、今喋ったからペナルティで100年追加ね」
「お姉ちゃんがあたしを確実に殺しにきた!?」とかちょっとずれた事を叫んでるが、シルフがずれてるのはいつもの事なので問題なし。いや、ある意味問題はありまくりだけども。それはさておきストレージからレン君やミヤヒナにもあげた赤ランドセルを取り出した。
「うわっ!ランドセルだ!懐かしぃ~!……いや、懐かしいけれどもランドセルをお土産に選ぶお姉ちゃんのセンスって……」
本当にお前はさっきから余計なことしか言わないな。微妙に正論なのが腹立つからシルフの分のお土産はなしな。
「……これは……カバンですか。ずいぶんしっかりとした背負いカバンですね。ありがとうございます」
「いつもお世話になってるしね。気にしないで~」
ほれ見ろシルフ。とりあえず文句を言うお前とは違ってフィアちゃんのこの素直でかわいい反応を。ほんのり頬まで染めちゃってめっちゃ嬉しそうじゃん。レン君やミヤヒナも喜んでたし、シルフの感性が歪んでるんじゃない?
「いや、フィアちゃんがほっぺた赤いのはお姉ちゃんがランドセル出す前から……って!誰の感性が歪んでるって!?お姉ちゃんがプレゼントを渡した人選の問題だよ!ランドセルを知らないNPCと現役小学生じゃん!あたしは普通だもん!」
はいはい。普通じゃない人はみんなそう言うからね~。というかどの口が自分は普通だとかほざくのかそっちの方が疑問だわ。女の子がみんなシルフみたいだったら嫌だよ俺。
「……このカバン、装備品なのですか。ふむふむ。なかなか貴重な品のようなですね」
「そうそう。ただのランドセルじゃなくて天使の羽根が編みこまれてるからね。防御も上がるし、セットスキルに飛行も付いてるから空も飛べるんだよ!かわいいし便利だよね~」
俺は装備しないけども。いや、流石に現役男子高校生に赤ランドセルはキツイっす。精神的に。
「んぅ……?天使の羽根で、アクセサリーで、空が飛べて、かわいい……あっ(察し)。お姉ちゃんやっぱりあたしにもそのランドセル1個頂戴。いや、やっぱり買わせて!なるべく品質がいい状態で手に入れたい!」
「え?お、おぅいいけど……」
なんだかんだ言ってシルフにも1個あげるつもりだったしな。買いたいって言うので交易スキルを持ってるフィアちゃんを経由してランドセルがシルフの手へ。
急に装備したくなったのかな~と思ったんだが、手に入れたランドセルをストレージに突っ込んだシルフはどっかにメッセージを送ってる。ん?このランドセルを欲しい人が居るって?別にあげてもいいけど、もっと欲しいって言われても追加はあげないからね。俺的にはエルダートレント戦に確保しておいたほうがいいと思うんだが……まぁ、その辺はシルフの自由か。
「……どうですか。似合ってますか」
「お~!すっごい似合ってるよ!かわいいかわいい!」
赤ランドセルを背負ったフィアちゃんが、前に回ったベルトを胸の横で握り、クルッと回って首を傾げてる。うん。かわいい!異論は認めない!
「はい。これがエル用ね。帰ってきたら渡しておいてくれる?」
「……はい。ありがとうございます」
「きゅい!」
「~~~!」
フィアちゃんのランドセル姿を鑑賞した後に、エルに渡す用のランドセルを取り出したんだが……フィアちゃんへと手渡す前に跳んできたボーパルとティーニャがヒシッ!とランドセルに抱き着いてきた。
えっと……2人とも装備してみたいの?
「きゅい!」
「~~~!」
という訳でランドセルを追加。2人は指輪とマフラーを装備してるから、一旦外してランドセルを装備。
装備しなくても背負う事はできるけど、その時はサイズが変化しないからね。人間用のランドセルじゃ2人にはちょっとデカすぎるね。
「きゅい~!」
「~~~~♪」
「クルゥ?」
「……かわいいです」
「きゃ~~!!超かわいいんですけど!カメラ!カメラ!!」
ボーパルとティーニャにランドセルを装備させるついでにクゥにも装備させてみたんだが……うん。みんな凄くかわいいな。あとボーパルの機動力がヤバイ。空中機動と飛行のコンボで縦横無尽にアトリエ内を飛び回ってる。
ほとんどノーコストで空を飛べるティーニャやクゥと違い、セットスキルでの飛行はMP消費がそこそこ重いみたいだから多用は出来ないが……このコンボは凶悪だな。
「~~~♪~~!」
「クルルゥ♪」
ティーニャとクゥもランドセルを気に入ったみたいでしきりに自慢してくるけど、自前で空を飛べる2人はランドセルを装備する意味がほとんどないからな~。ボーパルも赤マフラーが殆どトレードマークみたいになってるし、装備を変えるのはなんか嫌だな……
「きゃぁぁぁぁ!!かわいすぎだよぉ!!死ぬ!萌え死んじゃう!」
「……任せてください」
「ん?フィアちゃんなんか言った?ちょっとシルフがうるさくて聞こえなかった」
デジカメを構えたシルフの前で、ボーパルとティーニャがノリノリでポーズを取り、クゥがちょっと恥ずかしがりながらカメラをチラ見なんてしているもんだから、シルフがハッスルして喧しい。まったく。これは後で撮った写真を分けてもらわなきゃ許せないな。とりあえず1テラほどよろしく。
「……フィアは錬金術師です。薬も爆弾も作れますが、アクセサリーも専門です」
シルフのフェアリーセットと同じ要領で、ボーパルのマフラーの見た目は変えずに性能だけをランドセルと同じにすることも出来るし、ティーニャやクゥ用に新しいアクセサリーも作れるらしい。お~。さっすが錬金術。なんでもできるな。
「……なんでもは出来ません。出来ても星を割れる爆弾を作ったり、無限に物が入る鞄を作ったり、一瞬で長距離を移動できるゲートを作ったり、ホムンクルスを作ったり、蘇生薬を作ったり、アイテムを複製したり、過去に戻れる砂時計を作ったり、異世界を作れる絵具を作ったりできるぐらいです」
「……それは十分なんでもできるを名乗ってもいいレベルだと思うよ?」
天変地異を起こし、空間を操り、生命を生み出し、無から有を作り出して、時間を操り、世界を創る……あれ?神かな?錬金術って神術の別名だっけ?つまりは錬金術を操るフィアちゃんは女神様か。拝んどこう。はは~。
「「はは~」」
「……いえ、フィアには出来ません。錬金術を極めれば……です」
さっきまで撮影会をしていたのに、いつの間にか隣にいたシルフと一緒にフィアちゃんを拝むと、照れたフィアちゃんがあわあわしてる。ほほえま~。あ、シルフその写真もコピー頂戴ね。勿論データで。
「それと、お願いついでにもう1つ相談があるんだけど……」
こっちはシルフには内緒にしておきたかったので、フィアちゃんの耳元でゴニョゴニョっと相談。また嫌そうな顔をされたけど、ランドセルを渡すついでにエルに相談してみるとの返答を引き出すことに成功した。ランドセル効果すげ~。ただ、研究用にランドセルをもう1個持ってかれたけどな。
え~っと。最初が10個あって、ミヤヒナとレン君で3個。シルフに1個。フィアちゃんとエルで3個。ボーパルのアクセサリー用に1個だから……残りはティーニャとクゥが背負ってる2個だけか。タクにも1個押し付けて無理やり装備させようかと思ってたんだがやめとこう。アイツにあげるのはもったいないわ。
「あれ?メッセージがきてる……あっちゃ~。ゴメン!お姉ちゃん!今急に予定が入っちゃって。この後一緒に狩りに行くって話だったけど、無しにしてもらっていい?」
「ん?そりゃ俺としてはどっちでもいいと言うかむしろシルフが居ない方がレベル上げは捗るんだが……」
1回エルダートレントを倒す手間が省けるし、経験値もシルフに吸われないしな。
「そう言われると寂しいんだけど……でも、ありがとう!また今度一緒に遊んでね!フィアちゃんもバイバ~イ!いつかもふもふさせてね~!じゃ~ね~!」
「……風の様な方ですね」
「素直に嵐の様なやつって言ってもいいんだよ?」
騒ぐだけ騒いで言うだけ言ってピュー!っと走り去ってた。相変わらず騒がしい奴だ……まぁ、そこがシルフの良い所でもあるけどさ。
「じゃ、俺達もそろそろ帰ろっかな」
「きゅい~」
「ホー」
「~~~!」
「クルゥ~」
「……またのご来店をお待ちしております」
シルフが居なくなって俺の元に帰ってきたボーパル達と、やっとシルフのもふもふで吸われた魂が回復してきたらしいミズキを抱きかかえて、ペコリと頭を下げるフィアちゃんにみんなで手を振ってアトリエを出る。
さて、闘技大会まで残り数日。ギリギリまでレベル上げと行きますか!
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「いや~。フィアちゃんかわいかったな~。すっごく良い子みたいだし、また今度遊びに行こうかな?ん~。でもお姉ちゃんが居たらお邪魔になっちゃうかもね~。くふふ。
あ、そう言えばあの事をお姉ちゃんに聞いとこうと思ってもふもふしてる内に忘れちゃってた。後で聞いてみようかな?
「どうしてフィアちゃんの種族は『???』なの?」って。
ん~。でもまぁいっか。種族がなんであろうとかわいければ問題ないもんね!かわいいは正義!!」
もふもふ!
誤字脱字ありましたら感想の方へお願いします。
VRMMOでサモナー始めましたの1巻が大好評発売中!
書籍狭しと跳ねまわるボーパルが読みたい方は書店へ急げ!!
最近本当に忙しくてさぁ・・・更新遅れてごめんね?主にフィアちゃんの返事を考えるのに一週間ぐらいかかった説もあるけど。
誰だよ前回の話書いた奴。次回に丸投げしてんじゃねーよ。こっちの苦労も考えろよな。まったく。
あ、ちなみに今回シルフがデジカメ使ってるけど、使う意味があるのかと言われたら微妙です。メニューからスクリーンショットは撮れるしね。ただ、スクリーンショットは自分の視界しか撮影できないから自撮りしたいなら必須かも。そう考えると需要あるな・・・
で、書籍の話だよ。重版だってよ重版!好評なんだよ!職場で今度本出すって言っちゃって、後から後悔してたのも無駄じゃなかったんだよ!たぶん。きっと。おそらく。そう言う事にしといてください・・・
で、そうなると評判とかも気になる訳ですが・・・え、エゴサーチする勇気がねぇ・・・
だって、叩かれる要素が大量にあるのは分かり切ってるんだよ!?そんなん見たら心砕けるわ!ハートブレイクだわ!と言う訳で良い評価だけ教えてください。悪いのは要らないんで。そんな感じでよろしくです~。
あ、次回辺りから闘技大会開始するんで。もしかしたら掲示板挟むかもだけど。闘技大会前日まで時間が進んだ後のウサギエリアの阿鼻叫喚の図とか・・・ね。
では、また次回会いましょう。もふもふ!




