225匹目 成れ果ての街
今日更新するつもりはなかったんだけど、Twitterの自己紹介文で「テトメトさん惚れました」ってかいてあるのを見つめてしまったので頑張りました。
ツイートでもメッセージでも無く自己紹介文に書いてあるのを偶然みつけたんだよ?これは書くしかあるまいて。
クゥの歓迎会と称してもふもふパーティを楽しんだ後。俺達は始まりの街へとやってきた。
俺の頭ぐらいの大きさしかないクゥはまさしく動くヌイグルミの様な愛らしさで、俺にベッタリと懐いてくれるかわいい子だ。
子供らしいふわふわとした柔らかいクゥの体を優しくなでなですると、嬉しそうに「クルルゥ」と喉を鳴らすクゥが本当にかわいくてなぁ!今も俺の肩の上に登り、ミニ帽子が付いているのとは反対側の頭に抱き着いてるクゥがかわいすぎるぅ~。耳が幸せ!もふもふ!
・・・て、あれ?
「・・・あ、あれれ~?おかしいな?人間がどこにも見当たらないぞ?お、俺転移する場所間違えたかな?はっ、まさかまだ寝ぼけてるのかな?もうお昼過ぎてるのにな~。おっかしいなぁ~・・・」
いや、正確には人間が見当たらないと言うより、普通のプレイヤーが見つからないと言った方が合ってるんだが・・・
あれ?ここって俺の知ってる始まりの街で合ってるよね?かなり住人が変わってるんだけど、実は別の始まりの街に間違って出てきたりしてないよね・・・?
なんだろう。凄いデジャブ感じてるが、眼前の光景には違和感しか感じない・・・
なんで・・・なんでこの町には合成獣が溢れてんだよぉ!!
道行くプレイヤーの悉くが複数の動物が混ざった謎生物になっているんだが・・・なんなの?始まりの街じゃなくてキメラの街に改名したの?成れ果ての街かな?
まぁ、みんながみんなもふもふだから俺は一切文句は無いがな!むしろ獣人の街よりももふもふ度が高い気がする。獣人の町にはもふもふ以外の獣人もいたしね。この街ではもふもふしか見てないけど。
みんなもふもふ好きね~。俺も大好きだけどね!もふもふ!
「リアさんこんにちわ~」
「きゅい!」
「ホー!」
「~~~!!」
「クルゥ~」
流石にプレイヤーをもふる訳にもいかないので、目で楽しむだけに留めてリアさんのお店へとやってきた。
リアさんのお店に来るまでの道中、俺を観察する異形の集団が怖かったのか必死で俺の頭に抱きつくクゥがかわいいわ~。
「いらっしゃい。外の喧騒が段々近づいて来てたからユウ君じゃないかと思ってたわ」
リアさんのお店に入ると、カウンターの向こうに居る珍しく人間なリアさんがなにか疲れた様にやれやれってしてる。
いや、外の喧騒は俺の所為じゃ・・・いや。俺の所為かもしれないけど俺は悪くないよ?
星空のドレスとクゥが珍しいからか、プレイヤーの集団に遠巻きに見られてただけだって。どれだけ見られてもあげないけどね!
「今度の服もかわいらしいわね?またレアドロップ品なのかしら?」
「いいや。この星空のドレスはクエストの報酬で貰ったんだよ~。かわいいでしょ?」
この二段になってるスケスケスカートとか、ちっちゃいミニ帽子とか結構気に入ってるんだよ~。
と、スカートをちょっと持ちあげて自慢したら、お店の外がざわざわしてる。うるさいけど害は無いから無視無視。
「・・・怖いから鑑定は止めておく事にするわ。それで、頭の子を紹介してくれるかしら?」
「もちろん。この子は新しく召喚した子で、ベビーグリフォンのクゥ。で、クゥ。この人はリアさん。俺が良くお世話になってる人だよ」
「クルゥ~?」
横から俺の顔に張り付いていたクゥだが、リアさんのお店に入った時からリアさんの視線から隠れる様に俺の頭に張り付いたまま後頭部の方へと移動しており、俺の言葉を聞いてそろぉっと俺の頭の影から片目だけを覗かせ、小さく手を振るリアさんをチラチラ見てはまた俺の頭の後ろに隠れてる。
・・・まぁ、クゥが隠れてるつもりなだけで全然はみ出てるんだけどね。
クゥは本当に小動物っぽくてかわいいなぁ~。まぁ、実際小動物なんだけども。そう言う意味じゃ無くてね?小動物系って意味ね?
「ユウ君の召喚モンスターは本当にみんなかわいらしいわねぇ。それに幻獣ってことは凄く強いのでしょう?」
「そうなんだよ~。グリフォンはボスで出てきてさぁ。封印するのは本当に大変だったよ・・・」
クエストボスとして出てきたエルダーグリフォンを餌付けしようとして失敗したり、口説き落とそうとして失敗したり・・・結局エルダーグリフォンは仲間に出来なかったしな~。
まぁ、代わりにクゥが仲間になったからいいんだけどね!むしろ良かったけどね!クゥちゃん大好き!後頭部に感じるお腹のもふもふが本当に最高です。ありがとうございます。
・・・にしても外がざわざわうるさいな。用事無いならレベル上げにでも行けばいいのにね。
はっ!まさかクゥのお腹のもふもふを狙ってるのか!?
ダメだからね!クゥのお腹は俺のものなんだから!誰にも渡さないからね!お父さん許しませんよ!
「そうそう。今日リアさんのお店に来たのはクゥのかわいさを自慢したいのもあるけど、エリアボスのドロップの買い取りをして欲しかったんだよ」
「あらあら、こちらもキツネさん装備のオークションの分け前を渡そうと思っていたからちょうど良かったわ~。
それで?どこのボスドロップを持ってきてくれたのかしら?」
リアさんがカウンターの下からいそいそとドル袋を取り出しながらそんなことを言ってる。
・・・あの凄く見覚えのある$マークが描かれた黄色い袋はわざわざ作ったのかな・・・?
このゲームの生産職なら趣味で作っててもなにもおかしく無いからなぁ・・・
「これが第四層のエリアボスのドロップアイテムのソルジャースピアね。通常版がこっちで刻印有りがあっち。
あと、ウサギのドロップアイテムの買い取りもお願いしまーす」
ドサドサドサッと槍と毛皮と肉を取り出して隣の床にぽいっちょした。
空飛ぶランドセルや獣人の町でもらった野菜も一緒に売っても良かったんだが・・・まぁ、数が少ないし取っておこうかな。後でフィアちゃんにお裾分けしよう。特に赤ランドセルをね!
「・・・第四層のボスドロップに未公開の刻印つき・・・それがダース単位であるのね・・・」
「取り巻きのウサギをいっぱい倒したからなぁ・・・いやぁ大変だったよ。空を飛んでランスチャージしてくるソルジャーラビットをかわすの。まったく、何度死にかけた事やら・・・」
ウサミミ戦車の全弾フルバーストを浴びた時は本当に生きた心地がしなかったからなぁ・・・
クゥがおっきくなったら余裕で躱せるようになるんだろうか?
・・・物量で制圧してくるウサミミ戦車のバルカンとミサイルをアクロバット飛行で躱すクゥと、その背中に必死で張り付いてる俺・・・
うん。どのみち生きた心地がしないのは変わらないだろうな。と言うか酔って吐きそう。クゥの背中で。
「クルゥ!?」
なんか、俺の後頭部でクゥが慄いているが冗談だよ?
ゲームの中じゃ吐けないしね。仮に吐いたとしたらログアウトしたときに大惨事になってるだけさぁ・・・
「そうねぇ。全部でこれぐらいでどうかしら?」
「ん。オッケーオッケー」
1つ1つ槍を手に取って確認していたリアさんが最終的に出した金額を碌に確認もせずにそのまま受け取る。
いやだって、ぼったくって困るのはリアさんだし。等価交換のペナルティ的にさ。
「よし。それじゃあレン君の所へ行こうかな。リアさんさよなら~」
「きゅい~」
「クルゥ~」
軍資金をバッチリ確保したからレン君の所に突撃だー!
ヤドリギ付きの木材は加工難易度が上がるらしいけどレン君なら大丈夫だよな!むしろレン君がダメだったら誰に頼めばいいんだって話なんだよなぁ・・・俺の交友関係狭すぎ!狭すぎと言うか尖り過ぎというか・・・
「えぇ。さようならユウ君・・・闘技大会は頑張りましょうね」
小さく手を振るリアさんに手を振り返して、リアさんのお店から飛び出した。リアさんは闘技大会が始まるまでが一番大変な時期だろうしなぁ。俺だけに構ってる訳にもいかないだろう。というか、何故か俺がリアさんのお店に居ると、お店の前に人だかりが出来てて誰もお店に入ってこれないみたいだしな。
・・・あれ?俺もしかして嫌われてる?
その証拠に俺が外にでた直後から入れ替わる様にお店の外に居たプレイヤーがお店に雪崩れ込んでいるし・・・
・・・べ、別に悲しくないし!知らない人にどう思われようが関係ないもん!だから、だから傷ついてなんかいないんだからね!勘違いしないでよね!!
「クルゥ?」
「うぅ・・・クゥの優しさが目に染みるよぅ・・・」
相変わらず俺の頭に抱きついたままのクゥに頭をポンポンされながらも、取り巻きを全員引き剥がせた俺はトボトボとレン君のアトリエへと向かった。
もふもふ!
誤字脱字ありましたら感想の方へお願いします。
VRMMOでサモナー始めましたの1巻が1月10日に発売予定!お楽しみに!
リアさんを書くのってどうも苦手なんだよねぇ~
なんでだろう?ってテトメトが考えた結果出た結論がこちら!
「リアさんが真面目なキャラだから書きにくいのか!」
・・・なんだろう。テトメトはふざけたキャラしか書けないって言いたいのかな?
まぁね。人間自分に無い要素は書きようが無いからね。って誰が真面目要素がカケラも無いふざけた人間だッ!!
と、仕事中に1人で百面相してしまった・・・
こんなテトメトだけど、真面目要素もあるのよ?本当よ?




