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223匹目 聖魔霊樹

オデッ〇イクリアー!

いやぁ、長い旅路だった・・・途中何度もキノ〇旅が思い浮かんだのはテトメトだけじゃ無いはず。

 

「ところでウィアナちゃん。俺に手を貸そうとしたんじゃなかったのなら、なんで手を伸ばしてたの?」


 ウィアナちゃんに手を払われたので自力で立ち上がり、お尻に付いた砂をパンパンと払う。

 地面に倒れ込んでいた訳だからお尻どころか背面全体が砂だらけで更に言えばほっとけば砂は消えるんだが、つい習慣でね。


「そうです。目を掻っ穿って(かっぽじって)よく見てください。ユウお姉ちゃんに貰った鉢植えがこんなに立派に育ちました」

「いや、目を掻っ穿ったらなにも見えなくなると思うんだが?」


 ウィアナちゃんがまたイケナイ笑顔をしている……

「立派に育ちました(ユウお姉ちゃんと違って)」って副音声が聞こえた気がするのは気のせいかな?うん。気のせいと信じる。


「でも、確かに立派に育ったよなぁ……なんかもう精霊樹って言うより世界樹っぽいもん」


 いや、あのメチャクチャ広い迷宮に比べればちっちゃいけども、それは比較対象がおかしいわな。普通木は宇宙エレベーターにはならないもん。


「はぁ……」

「え、何その失望のため息。俺なんか間違えた?」


 すごいすごいと褒めたのにため息で返された……

 なに?選択肢間違えたらあからさまにため息を吐かれるゲームなの?ある意味分かりやすいけどもやる気がゴリゴリ削られるよ?


「ユウお姉ちゃん。私はユウお姉ちゃんの依頼を達成するためにいっぱいお水をあげたんです。この子に聞いて最適な水量に調節したんですよ?このゾウさんジョウロで」

「おおぅ。それはすっごく大変そうだな……」


 あの大樹の成長を支えるだけの水分をウィアナちゃんがどこからともなく取り出したおもちゃみたいなプラスチックのゾウさんジョウロで賄うのはもの凄く大変だろうなぁ……もはや泉から水路を引いた方が早いレベル。

 ん?ウィアナちゃんがまた手の平を上に向けて俺に差し出してる?お手でもしろと?

 って、あぁ。なるほど。そう言う事か。


「ほい。お駄賃。これからもお世話頼むよ」

「はい。任されました」


 ウィアナちゃんに有り金からキリの良い分を渡すと、もはや用は無いとばかりに翼を翻して家に帰って行った。

 わ~ぉ。マイペース。本当にこの場に居るのってマイペースな子ばっかりだなぁ。


 ……ところで目の前には俺所有の立派な大樹があって、俺の手元にはヤドリギの種があるんだが……

 これはあれだよね。使えって事だよね。

 ぶっちゃけこの精霊樹以外だと、エルダートレントぐらいしか木の心当たりは無いしなぁ……今からエルダートレントを仲間にするのはめんどいからヤダ。モンスターに植えたら持ち逃げされそうだしな。

 とりあえず植える前に鑑定っと。


【オブジェクト:樹木】聖魔霊樹 レア度8

 完璧な環境で育てられた精霊樹が聖なる者と魔なる者の祝福を受けて成長した霊木。

 その体内には新たな精霊の命が宿っており生きた樹木でもある。

 聖魔霊樹で作られた武器は非常に高い魔法適正を持ち、一時的に精霊の力を借りる事も出来ると言われている。


 あ、はい。そうですか……

 本当ならここも「わービックリー」って驚くべきなんだろうけどもね、なんかもう慣れたよ。レア度も星空のドレスよりも低いしな。

 そんな事よりも生きた樹木か~。トレント的な?いや、精霊(リーン)ちゃんの同類が宿ってるのならきっとかわいい女の子に違いないね!

 となれば餌付けもやむなしだな。いや、餌付けというか水やりだけど。

 え~っと、ゾウさんジョウロはウィアナちゃんが持って帰っちゃったから……水魔法でいいかな?


「僕の水をお飲み~。なんちて」

「きゅい!」

「ホー!」


 俺が浮かべた水球をボーパルとミズキが砕いて飛沫にして根っこに振りかける。いっぱい飲んでおっきくなるんだぞ~。いや、これ以上おっきくなられても場所に困るけども……


「うぉっ!?なんだ!?」

「きゅい!?」

「ホー!?」


 俺が複雑な気持ちで水やりをしていると、急に聖魔霊樹がワッサワッサと暴れだした。

 えぇっ……なに?オコなの?俺の水は飲めないって事?一応所有権は俺のままのはずなんだけど……やっぱり水やりは美少女のゾウさんジョウロに限るのかね?それとも泉の水の方が良かったのかな?今度水やりするときはウィアナちゃんにジョウロ借りようっと。


「あたぁ!」

「ホー!」

「きゅい!」


 水やりはまた今度にしようとした俺の上から”何か”がスコーン!っと降ってきて、バウンドした”何か”がミズキの頭に激突し、最後にボーパルのウサミミの間に突き刺さった後、俺の足元へと転がり込んできた。

 な、なんだこのミラクルシュートは……。え、物理攻撃をするほど怒ってたの?なんかごめんね?悪気は無かったんだよ?


「のじゃー!精霊樹が喜んでるのじゃ!ユウが水をやってあげたのじゃ?」

「コーン!」

「「「「~~~~♪」」」」


 まだワサワサしてた聖魔霊樹にどう謝罪すれば木に伝わるのか考えている俺の元へ、リーンちゃんと多数のフェアリーを搭載したイナリがやってきた。

 リーンちゃんはイナリに肩車されるようにイナリの頭に抱きついており、フェアリー達はイナリの4本のしっぽに群がって……むしろ潜り込んでる。

 なにそれ羨ましい。俺もフェアリーになってイナリのしっぽに潜り込みたい!まぁ、無理な話なんだけども。


「え?ていうかこの子喜んでたの?」


 なんか興奮してるのは分かるんだけど、流石に木の気持ちは分かんないんだよなぁ……


「なのじゃ!その証拠にほれ。ユウへのプレゼントなのじゃ!」


 そう言ったリーンちゃんが指さした先には、さっき俺達の頭をスリーバウンドした木の枝が落ちていた。

 おぉ。聖魔霊樹の枝か~。丁度杖用に欲しかったんだよね。


【アイテム:素材】聖魔霊樹の枝 レア度8

 完璧な環境で育てられた精霊樹が聖なる者と魔なる者の祝福を受けて成長した霊木の枝。

 聖魔霊樹で作られた武器は非常に高い魔法適正を持ち、一時的に精霊の力を借りる事も出来ると言われている。

 主に杖の素材として使われる。


【アイテム:素材】聖魔霊樹の実 レア度8

 完璧な環境で育てられた精霊樹が聖なる者と魔なる者の祝福を受けて成長した霊木の実。

 1つの木に1つしか実らず、口にした者はランダムで1つ不思議な効果を受ける。

 良い効果が出る事が多いが、悪い効果が出る事もある。


 ん?聖魔霊樹の実?

 枝だけ鑑定したつもりだったんだがどっかに木の実が付いてるのかな?と思い、俺の腕ぐらいの長さの枝をひっくり返すと、葉っぱの裏にひっそり小さな赤い木の実が付いてた。

 おぉ~。この巨体に見合わぬちっちゃくてかわいい木の実だな。木の実なのに効果に植えると聖魔霊樹が育つとは書いてないあたり、完全に食用なんだな。

 というか内容がランダムかぁ……どうみても貴重な品だからとっておきなタイミングで使いたいけど、ピンチな時に悪い効果が出たらヤバイから使いづらそうだなぁ……まぁ、大事にとっておくか。


「というか、木の実をプレゼントして貰えたのは嬉しいんだが、俺が貰ってよかったのか?これ1個しか生らないんだろ?確かに所有者は俺だけども、世話したのはリーンちゃん達なんだからリーンちゃん達が貰ったほうがいいんじゃないのか?」

「気にすることは無いのじゃ!確かにこの子を育てたのはわらわ達じゃが、この子を産んだ(ドロップした)のはユウじゃからな!言わばわらわ達は育ての親で、ユウは産みの親なのじゃ!ユウはこの子のママなのじゃからその木の実を受け取る資格は十分あるのじゃ!」


 そのリーンちゃんの言葉を肯定するように更にワサワサする聖魔霊樹。


 ……どうやら俺は、俺の知らない間にママになってたらしい……う、うん。ゲームならよくある事さぁ……(遠い目)


もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想の方へお願いします。

VRMMOでサモナー始めましたの1巻が1月10日に発売予定!お楽しみに!


パル〇ンテって使いづらいよね~。少なくともテトメトは使えません。使うぐらいなら普通に殴るよ。

今後の予定は、グリフォンちゃんを召喚して、町に戻って色々やって、掲示板を挟んでフィアちゃん家に押しかけてから闘技大会までワープかなぁ~。もしかしたら登校日の話とか書くかも。面白くなかったらボツにするけどね。

ではではまた次回。

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