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220匹目 ヤドリギの種

次話投稿しようとしたらエラーで後書きが全部消えた・・・かなしい・・・

 

「お、戻ってきたの」

「おうじしゃまぁぁぁぁあああああ!!」


「なにこのデジャブ……」


 星空のドレスその他のステータスの確認と現実逃避を終えてゲームに意識が復帰した俺へ、気絶から復帰したアリスが飛び掛かってきたので軽々とキャッチした。

 ふふん。俺に同じ手が2度通じるとでも思っていたのか?

 ……まぁ、星空のドレスのステータス上昇のおかげもあるんだけどね。というか、むしろそっちの比率の方が大きいという……いいじゃん!恰好つけたかったんだよ!


「王子様かっこいいですわ!かっこよくて、かわいらしくて、セクシーで……本当に素晴らしい完璧な王子様ですわぁ!!」

「あぁ、うん。ありがとう」


 星空のドレスに抱き着いたアリスが、小さな身体をめいっぱいに使って俺の体に臭い付けをするように、すりすりと擦り付けている。

 まぁ、アリスの香りが付いても何か困る訳じゃないしな、好きにさせておこう。

 ……あと、アリスの王子様の定義がちょっとおかしい気がするんだけど、これも触らない方向で。


「あー、でもゴメンねアリス。折角のお揃いだったのにまったく違うものになっちゃって……」

「王子様が謝る必要はありませんわ!例え姿形が変わっても王子様が身に着けている服はわたくしが差し上げた物に違いありませんもの。ほんの少しでもわたくしが王子様と繋がっていられる。それだけでわたくしはとっても幸せですわ!」


 花咲く様な笑顔でそう言ったアリスが俺のドレスのトランプのマークを指でつんつんしてはくすくすと楽しそうに笑っている。

 ついかわいくて、ピコピコ嬉しそうに動いてるウサミミごとアリスの頭をなでなでしたら、甘える様に俺の手の平に頭を擦り付けてもっと撫でてと無言の主張をしてきた。なにこのかわいい生き物。家で飼いたい。


「あたぁ!ちょ、クレア?なに?」

「……別にぃ。ただなんとなく腹が立っただけよ!噛み殺すわよ!」


 なんとなくで俺の脇腹を抓らないで欲しいんだが……というかまだ抓ってるし!捻りまで加わってるから!リアルだと絶対痛いやつや!怖くて自分の脇腹が見れねぇ!肉取れてないよね!?


「……クレアよ。気持ちはちゃんと言葉にせんと伝わらぬぞ?好意などは特にあざといぐらいでちょうどいいのじゃ」

「……余計なお世話よ」


 ほんと、アリスを救出してからクレアの気が立ってるんだよな。なんでだろ?

 ん~、なんかアリスが俺にくっ付いてるとイライラしてる感じなんだよなぁ……でも、俺とアリスがくっついてたからってクレアが苛立つ理由なんて……あっ。


「そんな心配しなくても大丈夫だぞクレア。俺は別にクレアからアリスを取っちゃおうなんて考えてないからな!」

「……ほらの?年長者の言う事は素直に聞いておくべきじゃぞ?」

「……肝に銘じておくわ」


 クレアも混ざって3人でもふもふしようと手招きしたのに、無視されちった。あれ?何か間違えたかな?


「こほん。このままではまた話が前に進まないからの。勝手に進めさせてもらいんす。

 ぬしへのもう1つの褒美である杖じゃがな。選別にちと時間がかかっておる。

 依頼に対する対価は対等でないといけないからのう。でないと傷が付いてしまいんす。現世の軀に。星世の運に。天世の魂に。故に、今日はぬしの要望を聞くに留め、また明日わっちの所まで取りに来てくりゃれ」

「……つまりは、あいつのドレスの強化をうっかりやり過ぎちゃった所為で、見極めに時間がかかっちゃうって事ね」


「……クレアよ。正直は美徳じゃし、観察眼に優れるのも良い事じゃが、物事には時と場合と言う物がありんす」


 折角神秘のベールで包み込んであやふやにしかけた不手際をクレアにあっさり曝露されたウツロおばあちゃんが静かに怒ってらっしゃる。いつもの様に超然とした微笑みを浮かべながらも、目や口の端が微妙にヒクヒクしてるもの。あ~あ。俺しーらね。


「して、杖の材質は何が良いかの?色々あるから順番に特徴を教えてやりんす。

 ニワトコは黒い女神への戸を叩く樹。攻撃魔法を使うならこれがよかろう。

 ヤナギは生けるものと死せるもののあわいに佇む。回復魔法の効率がピカイチじゃ。

 ハシバミはあらゆる厄を退ける。防御魔法や解呪に適しておるの。

 イチイは永遠の印魔法に親しくまた祓う。刻印が一番馴染むのはこれじゃな。

 ナナカマドは強い命を持ち妖しいものを従わせる。扱いは難しいが召喚魔法に最も向いているのはこれじゃ。

 もちろん杖以外の武器でも良いぞ?望みがあればなんでも言ってくりゃれ?」

「と言われてもなぁ……」


 正直俺が戦う事ってあんまりないから攻撃系は要らないなぁ。無難に考えるならナナカマドかな?でもなぁ……


「杖ならレン君に作って貰いたいんだよなぁ……あ、そうだ。素材ってある?ナナカマドが原木であれば欲しいんだけど」

「原木かや?流石に原木は保管しておらぬのう……」


 だよねぇ。普通原木がポンと倉庫に置いてあったりしないわな。しかもナナカマドとか使い辛そうな木だと特にね。残念。


「……じゃが、代わりにコレをやりんす」

「おっとっと」


 ウツロおばあちゃんが着崩した和服の胸元から取り出した何かを指で弾いて俺の手元へと飛ばしてきたのを慌ててキャッチする。

 ……うん。なんかほのかに生温かいんだが、今ストレージから取り出したんだよね!?ずっと胸に挟んでたりしてないよね!?


「くふっ。それはヤドリギの種じゃ。それ自体に大した力は無いが、その種は寄生した樹と1つとなり杖にするときにも1つの素材として使用することが出来る。もっとも加工の難易度は飛躍的に上がるがの?

 ヤドリギは寄生した樹によって成長後の性能が大きく変わるからの。これぞという樹を見つけたら植えてみんす」

「おぉ~。なんか凄そう」


 要は木材の強化パーツって事ね。杖にしたい樹でもあれば植えてみよう。ウーイル種のドラゴンでも居ないかな?居ないか。


「気に入ったようじゃの?ではぬしへの2つ目の報酬はその種にしんす。

 ……これでぬしへの報酬は全て渡し終わったかの?」

「ウツロおばあちゃんからの報酬これで全部じゃないかな?」


 むしろ貰いすぎな気もするんだが……ウツロおばあちゃんの事だから渡し過ぎって事はあるまい。

 となれば、残りは……


「あっ!急に用事を思い出したわ!今日はこれでさようならね!もう真夜中だから気を付けて帰りなさい!お休みなさい!」

「まぁ、待とうかクレア?俺はまだクレアからの報酬をもらっていないんだが?」

「ほほぅ?」


 嫌な予感がしたのだろう。さっきまでのほほんと俺とウツロおばあちゃんのやり取りを眺めていたクレアがしっぽを逆立たせて部屋から飛び出そうとしたが、襖が壁に描かれた絵の様にビクともしない。


「ちょっ!おばあちゃん!開けて!開けなさい!!変態に襲われるぅ!!」

「酷い言い草だッ!」


 単にクエストの報酬を履行してもらおうとしただけなのにな。げっへっへ。


「クレアから言い出した契約じゃ。逃げるのは諦めて大人しくわんわんされるんじゃな」

「く、くぅぅぅぅぅん。し、仕方ないわ……で、でもちょっとだけだからね!あたしが”おしまい”って言ったらやめるのよ!」

「OKOK。りょーかい」


 床に胡坐をかいて座った俺の膝の上にそっとしっぽを添えたクレアが俺を眼光鋭く睨んでいるが、羞恥で赤く染まった頬とうっすら浮かんだ涙の所為で全く怖くない。むしろかわいい!


「ほ、本当に”おしまい”っていったらおしまいなんだからね!絶対よ!?」

「分かったってば」


 半泣きのクレアを見てニヤリと笑ってしまった所為か、クレアが怯えた様にビクビクと体を震わせて、何回も確認をとってくる。

 うんうん。分かってるって。クレアが”おしまい”って言えたら(・・・・)おしまいなんでしょ?分かった分かった。


「ぜ、絶対のぜった、ふにゃぁぁぁぁ!」

「おぉ。ふわふわだぁ♪」


 膝に乗ってるクレアのしっぽの下に手を入れて、反対の手で逆立ったクレアのしっぽを宥める様に手櫛で解いていく。

 うんうん。毛の絡まりの一切ない綺麗なサラサラしっぽだ。良きかな良きかな。


「ちょ、ちょっとそんな急にひぁぁぁぁ!」

「しっぽのお肉もマッサージしましょうねぇ~♪」


「い、いや!もう”おしまぁぁぁぁ!」

「え?なになに?聞こえな~い♪」


「だ、だめぇ。へんなこえでちゃ、うぅぅぅぅ!」

「逆撫でしてぇ~♪戻してぇ~♪根元からきゅぅ~♪」


「にゃ、にゃんでぇ。こえぇだしたく、ないのにぃ!どんどんきもちよきゅぅぅぅぅ!!」

「ん~?もふもふのスキルレベルが上がってるのかな~?これはカンストまでもふるしかないね♪」


「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 それはもう丁寧に隅から隅まで完璧にもふらせてもらいましたとも!

 もはやクレアのしっぽの事はクレアよりも知っている自信があるね!


 ……まぁ、ちょっとやり過ぎた感はあるけども。なんかクレア荒い息をしながら床にぐったりと倒れてるもん。

 で、でもまぁクレアも嬉しそうだからセーフ!セーフだよね……?セーフって事にする!

 ……なんか同じ部屋に居る2人のもふもふの目がジトってる気がするけど気にしな~い!


もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想の方へお願いします。

VRMMOでサモナー始めましたの1巻が1月10日に発売予定!お楽しみに!


聞いた話によると、1巻が3000冊売れれば続巻が出るらしいね!

つまりは3000人の人が1冊ずつ買ってくれれば2巻が出るワケダ!

いや、こんな小説買うの1000人ぐらいだろって思う人は3冊買ってね!

いやいや、100人ぐらいっしょ(笑)って人はノルマ30冊!

いやいやいや、この小説を買うのは俺だけだ!!って人は3000冊買ってね!これで2巻は確実だぜ!


まぁ、実際はボーパル様が出てる聖書だし、6000人は余裕でしょ。つまりノルマは1人0.5冊だ!

・・・あれ?それどうやって買うんだろう?真っ二つかな?縦ならまだいいけど、横に切られたら悲劇だね。めっちゃ読みづらそう・・・


まぁ、それは半分冗談として、ランキングの隅っこにでも引っかかる事が出来れば書籍の売り上げが伸びて2巻が出る気がするんだよなぁ・・・チラッ

日間ランキングの一番下って80ポイントあれば乗るんだよなぁ・・・チラッ

8人が10点評価くれればなぁ・・・チラチラッ


・・・どう?ウツロおばあちゃん仕込みのあざといまでのアピール!伝わった?伝わったと信じる!

まぁ、何が言いたいかと言うと、これからもなろうと書籍の両方でユウ達の冒険を応援してねって事!

それじゃあバイバイ!しーゆー!


・・・あ、評価はお願いします。これは冗談じゃなくね?日間10位ぐらいに入ったら毎日投稿してもいいのよ?入ってる間はね。テトメトのオデッセイは犠牲になるのだ・・・

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