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207匹目 少女の魔力には血が流れているぅ!

特報!

今日なんと!「VRMMOでサモナー始めました」の出版社であるリンダパブリッシャーズ様のHPで!正式に!発売延期が発表されました!

ぐはぁ!て、テトメトはもうダメだ・・・あとは任せ・・・た・・・ガクッ。

 

「ほい、クレア。約束どおりアリスを取り戻してきたぞ。クレアもちゃ~んと約束は守ってね?」

「こ、こんな時になに言ってるのよバカ!かみゅころすわよっ!」


 あ、噛んだ。噛み殺すが言えなくて自分の舌を噛んじゃって真っ赤になってるな。くふ。クレアかぁ~いい。


「ち、違うわ!わざとよ!」

「いいや。噛んだね」


 そもそもわざと噛む理由も無いしね……萌えアピールとか?心配しなくてもクレアは十分キャラが立ってるよ?


「うっさい!かみゅこりょしゅわひょ!」

「悪化した!?」


 もはやなんて言ってるのか判別不能!

 クレアが両手で口を抑えてひゅーひゅー言うだけになっちゃったので、無理やりアリスを預けてみた。

 元々詠唱の時間稼ぎの為に、黒幕っぽいのが出てきたら注意を引きつけてくれってお願いしてたんだが、どうにも本当に仲良しっぽいからな。一緒に居させてあげたほうがいいだろう。俺の好感度的にも。


『メェ~』


 もふもふ美少女がもふもふ美幼女を抱えているところを見てうんうん頷いてたら共鳴召喚が切れた。ありがとなアイギス~。また頼むよ~!


「さて、戦況はっと……」

「……」(ジト~)


 両手でアリスを抱えることになり、口を抑えられなくなったクレアの涙目ジトを後頭部に感じるが一旦無視部屋の隅っこに視線を移す。

 ほとんど片が付いたとはいえまだ戦闘は終わってないしな。お家に帰ってただいまを言うまでが遠足だもの。まぁ、既に共鳴召喚が解けた俺に出来る事なんて牽制ぐらいだけどね。

 牽制と言うが……別に、 アレを倒してしまっても構わんのだろう?


「きゅい!」

「ホー!」

「コーン!」

「ひっ、ひぃぃぃぃぃぃ!!」


 あらしぶとい。まだ生きてたのか。

 俺とアイギスに頬をぶん殴られ、自慢の防御アイテムを木っ端微塵に砕かれた神父は、自分の顔程の大きさのウサギに蹴り転がされ、一羽のフクロウが羽ばたく度に木っ端の様に錐揉みし、狐火が飛ぶたびに髪を炙られてチリチリアフロになってる。

 う、うわぁ……3人とも怒ってんなぁ……まぁ、そういう俺も怒りに任せてぶん殴った後だから止める権利無いけど。むしろこれから俺も参加するんだけどね!もふもふ幼女を攫った罪は重いのだ。楽に死ねると思うなよ?


「くひっ。ふひひひっ。楽に死ねないのはもとよりぃ!だぁがぁ~?あいにくタダで死んでやるほど安くは無いのでねぇ!」

「きゅい!?」

「今度はなんだ!?」


 無様に尻を振りながら逃げ惑っていた神父が急に変な事を口走り勢いよく右手を床に叩き付けた瞬間。そこからどす黒い光のラインが部屋の中を駆け巡り巨大な魔法陣を描き出していく。


「くははははははっ!我らが神の降臨だぁ!!儀式の進捗は6割程度だが性質の反転には十分過ぎるぅ!我らが神の御力によりこの場の全員皆殺しだぁ!ふはははっ。嫌がらせってのは最っ高だねぇ!」


 なんだアイツ!ついに狂ったのか!?いや、まぁ。最初から狂ってたようなもんだけども。嫌がらせのために自爆って最高に最低だぞ!


「ッ!アリス!アリスしっかりしなさい!アリスッ!!」

「う……あ。アァァァァァァァ!!」


 心臓を直接締め上げるような悲痛な叫びに思わず振り返ると、気を失ったままのアリスがクレアの腕の中でもがき苦しみ、その身から零れる様に漏れた光の雫が真下の魔法陣へと滴り、吸い込まれている。


「少女の魔力には血が流れているぅ!苦痛と共に流されたそれは、聖なる存在を犯す最高の毒足りえるのだぁ!さぁ、来るぞぉ。我らが神の降臨のと「ボーパル!」「きゅい!」き……――――」


 ちぃ!クソ神父の首を飛ばしても魔法陣が消えやがらねぇ!ホンッッットに最低の置き土産を残して逝きやがってあんにゃろう!2回死ね!2回と言わず100ぺん死ね!


「あ、あああ、アリスが!アリスが!!」

「うろたえるなッ!来るぞ!みんな固まれ!!」

「きゅい!」

「ホー!」

「にゃぁ」

「コーン!」


 声も無くピクピクと震えるだけになったアリスを強く抱きしめながら涙を零すクレアごと部屋の隅に押し倒し、イナリとボーパルとミズキが俺達を庇う様に光を増した魔法陣の中心を睨みつける。ノゾミは眩しそうに目を細めて、イナリのしっぽに顔を突っ込んでアイマスク代わりにしてる。

 なにそのマスク羨ましい。でも今は忙しいから前を向こうね。ノゾミ。


「きゅい!」

「ホー!」


 空間と魔力に敏感な2人が警戒の声を上げると同時に魔法陣が一際強い光を放ち……その光が消えた時。その場にさっきまでは無かった1つの黒い影が存在していた。


「グェエエエエエ!!」

「コーーン!!」


 空間を揺るがす雄たけびを上げた黒い影に、怯えそうになる己を叱咤するためかイナリも雄たけびをあげて対抗している。

 腕の中のクレアが「ひぅっ」と小さく悲鳴を上げて立ち上がった黒い影を呆然と眺めているが、俺にもクレアを慰める余裕が無い。それほどに表れた黒い影は俺の心を直撃していた。

 立ち上がったその黒い影は闇を纏ったように漆黒の毛で全身を覆われており、前足を高々と上げ大きく翼を広げた姿は神々しさを感じさせる。前足を付き、四足で立ち上がったその影は猛禽類特有の鋭い瞳で俺を睨みつけてきた。


「あ、あっ。あぁ。あれ、あれは」


 ウツロおばあちゃんとは違う。暴力的に無理やり俺の心の内を丸裸にするような視線に、出かけた叫びは喉に引っかかりなかなか言葉にならない。

 でも、言わなきゃ。心が叫びたがっているんだ!今言わなきゃ全てが手遅れになってしまう!

 さぁ、立ち上がれ!息を吸え!相手の雄たけびに負けないほど吠えてみせろ!


「ぐっ……グリフォン。キタ――――――――――――ッ!!」

「グェエ!?」

「きゅい!?」


 俺の魂からの狂喜の叫びが空間を。この部屋自体を震わせた。ついでにグリフォンとボーパルをビビらせた。

 ぐぇへっへっへっへ。新たなもふもふゲットしてやるぜぇ!


もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想の方へお願いします。

VRMMOでサモナー始めましたの1巻が・・・じきに発売予定!お楽しみに!


グリフォンキタ━━━(゜∀゜)━━━!!

そして神父は結局名前も分からないまま面倒くさい事だけして首チョンパでバイなら~。

グリフォンさんがなんかダークポケモ・・・もとい、ダークモンスターになってるけど。逆に言えばスナッチで奪っていいって事だもんね。やったね。

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