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198匹目 ウツロのメダル

やはやは。テトメトだよ。

キリのいい所まで書いてたらちっと長くなっちった。まぁ、イラスト公開までの楽しいドキドキが長く続くと考えれば儲けものだよねっ!

という訳で今回公開するのは悪友のあいつ・・・ケッ。イケメン爆発しろ。ぶーぶー。

てなわけで、もう1人の男の娘であるあの子も同時公開!やったね!これは目が離せないよ!いろんな意味で!

それでは、本編をじっくりねっとりお楽しみの後で後書きで会いましょう!

 

「――――――――――――この東エリア第五層のエリアボスじゃ」


「きゅい!」

「ホー!」

「きゃっ!」


 ウツロおばあちゃんがその身から威圧感を出しつつ言った言葉に即座に反応したボーパルとミズキが俺とクレアを庇う様に前に飛び出し、戦闘態勢をとってウツロおばちゃんを睨みつけている。

 ウツロおばあちゃんはボーパルとミズキに敵意を向けられている事など一切歯牙にもかけず、飄々とした態度で俺に「ぬしはどうするのかえ?」と目で問うてきているようだ。


 ……正直この場で戦うのは得策ではないな。ウツロおばあちゃんは死のウサミミよりもレベルが高いんだろうし、こっちは人数も足りない。いつか戦うんだとしても今はダメだろう。


「……ボーパル。ミズキ。ありがとな。俺は戦うつもりはないから、ウツロおばあちゃんを警戒しなくてもいいぞ。それで死んだらそん時はそん時だ」

「きゅい?きゅい!」

「ホー」

「んんぅ……」


 俺のある種開き直りすら感じられる宣言を聞いたボーパルとミズキは「またいつものなの」「ですね」みたいなアイコンタクトと頷きを交わした後に戦闘態勢を解いて俺の傍へと寄ってきた。俺っていつもそんなに無茶な事してるか?

 なんだかんだ言って、即座に攻撃や牽制をしなかった辺りボーパルとミズキも彼我の戦力差を何となくは感じていたと思うんだが……ノゾミが俺の肩の上から一切動く気配が無かったのもそのせいだと思いたい。

 何やら満足気に喉を鳴らしておられますけども、あなた何もしていませんからね?ピンと張りつめた空気の中で1匹ゴロニャンしているノゾミの周りだけが癒し空間だったわ。相変わらずマイペースかわいいなぁノゾミは。


「……なんじゃ。戦わんのかえ?久々に体を動かすのも悪く無いと思っておったんじゃがの」


 俺達の意見が一致したのを見たからか、威圧感を引っ込めたウツロおばあちゃんがつまらなそうな顔をして、しんなりした筆尻尾で床をペシペシ叩いてる。

 あの様子ならウツロおばあちゃんの方から襲い掛かってくることは無さそうかな?良かった良かった。折角新しい町に来たのにワープポイントの設定もせずに死に戻るのは流石にキツイからな……

 ……というか、よく考えればここ安全エリア内じゃん。戦闘出来ないじゃん。むしろ第五層は全部が安全エリアじゃん。ボス戦出来なくね?


「戦い、降す事だけがエリアボスを突破する方法では無いと言う事じゃな。わっちが出す試練にぬしらが挑み、見事クリアすることが出来ればこの先に進む事を許可してやってもよい。

 もちろんわっちと戦っても良いぞ?わっちを倒せれば特別な褒美も与えてやりんす。エリアボス戦専用の場所もしっかり用意されておるしの。どうじゃ?」

「……遠慮しておきます」


 わくわくした顔で提案されてしまった……意外とバトルジャンキーなのかな?だとすればなおの事戦う訳にはいかねぇよ。セーフ!

 にしても試練ねぇ……なんだかこの第五層のエリアボス戦は今までと全く違うんだな。まぁ、エリア全体が安全エリアの時点で他とは全く違うけど。あとエリアボスがモンスターじゃなくてNPCだし。


「で?その試練って言うのは?今すぐ受けられるものなのか?」

「まぁまぁ、そう焦るでない。まずはぬしらに渡すものがありんす」


 そう言ったウツロおばあちゃんが片手の持っていた煙管を灰皿の上に置き、両の手を”ポン”と合わせると俺の目の前に光が生まれ、程なくしてその光が収縮して一枚の金貨の様なメダルになった。


「それは”ウツロのメダル”じゃ。わっちの元にたどり着いた事を証明する(あかし)のようなものじゃな。1人に1枚しか与えんからの。無くすでないぞ?」

「ウツロのメダル……」

「にゃ~」


 金ぴかのメダルが気になるのか、俺の肩に乗ったままグィ~と首を伸ばしてメダルを眺めるノゾミと一緒にウツロのメダルを観察する。片面には遠吠えをするオオカミの姿が彫られており、裏面には俺の名前が彫られているな。

 ウツロおばあちゃんの言う通り、世界に一枚しかない俺だけのユニークアイテムか……無くさない内にインベントリに仕舞っておこう。主にノゾミが今にもネコパンチしたそうにうずうずしているし。ダメだからね!これ無くしたら大変なんだからね!絶対ダメだからね!絶対だよ!


「今渡したメダルは証明書であると共に挑戦権でもあるのじゃ。それと同じようなメダルを他の”四賢老”からも1枚ずつもらい4枚集める事が出来れば試練に挑戦する権利を得られる」

「ふーん。面倒くさいんだな……」

「きゅい……」


 ようはボス戦の前におつかいクエストが要ると。まぁ、最初からこの町を探検する予定ではあったからいいんだけどね。ついでにその”四賢老”とか言うおじいちゃんおばあちゃも探してこよっと。


「その四賢老が居る場所ってウツロおばあちゃんからヒントは貰えるのか?」

「うむ。聞かれれば答えてやっても良いとなっておるの」


 うわぁ……運営の性格の悪さが滲み出てますねぇ……初手で脅しといて仲良く歓談しなきゃ情報出てこないとか酷くね?まぁ、でも見た目おっさんじゃなくてお姉さんな辺り配慮はされてるか。クレアも居るしね。


「是非教えてください」

「では教えよう……コホン。

 ”1人は天を突く山脈を越えた天空に。1人はどこまでも続く大海原の海底に。1人は砂漠に埋もれる古代遺跡に。1人は緑深き森林の最奥に……これはわっちの事じゃな。

 この四つの町におる”四賢老”を訪ね証を集めよ。さすればぬしの前に試練は現れん……”

 ……どうじゃ?最後は即興(アドリブ)だったのじゃが、なかなか雰囲気が出ておったろう?」


 アドリブが上手く決まって嬉しいのかにやにやしているウツロおばあちゃんだが、悪いが俺はそれどころじゃない。今のウツロおばあちゃんのヒントで、ちょろく考えていた”おつかい”が根底からひっくり返ってしまった。


「四賢老って……この町に居るんじゃないのかよ!!」

「……誰もそんなことは言っておりんせん。ぬしの勘違いじゃ」


 あのヒントってつまりあれだよな……北の山エリア。南の海エリア。西の砂漠エリア。東の森エリアの全てを踏破して、恐らく第五層にいるのであろう四賢老を訪ねなければ、第六層へ進む為の試練を受ける資格すら無いと……うわキッツ。

 まぁ、一応それ以外の道が全くない訳では無いけども……


「……なんじゃ?やっぱり戦う()るのかえ?」

「やりません……」


 ちらりとウツロおばあちゃんを窺うように視線を向けると、ニヤリと犬歯を見せつける様に獰猛な笑みで返されてしまった。クレアがやると必死に威嚇する小型犬みたいでかわいいけど、ウツロおばあちゃんがやると頭から丸かじりされそうで怖いんだよ……


「ぬしよ。嫌そうな顔をしておるが、どちらにせよぬしは4枚のメダルを集める必要があるのじゃから、何を考えようと変わりはせぬぞ?」

「……まぁ、ウツロおばあちゃんと戦うつもりは無いもんなぁ……」


 でも、第五層まで行くのって結構面倒なんだよね……まぁ、レベルも上がってるしペースはかなり違うだろうけどさ。


「それは残念じゃが、そういう意味では無くての。簡単に言えばメダルを4枚集めて得られる特典は試練への挑戦権のみでは無いという事じゃ」

「……というと?」


 なんだろう?証を4つ集めたら女神様に体力かスタミナを一段階上げてもらえるのかな?


「メダルを4枚集めて貰えるもう1つ特典はの。レベル上限(キャップ)の上昇じゃ」

「うぇ。マジで?レベルって上限あったの?」


 今まで一切引っかからなかったから無いもんだと思ってたわ。


「そうじゃ。この4つの証を持たぬものはレベルが50までしか上がりんせん。つまりはレベル50の身で同じくレベル50のエリアボスである第四層のボスを4体倒さねばならぬと言う事じゃな。

 証を4つ集めた時に起こるレベル上限の上昇は人の身を超えた存在になったという事の証明かもしれぬの」

「人の身を超えた……」


 まぁ、俺のパーティって俺以外全員人外なんだけどね。レベル50の身で~って言われても俺達誰1人レベル43にすら到達してない状況で死のウサミミ屠っちゃったし。イナリに関しては当時レベル31だよ31。なんかエリアボス戦は思ったよりチョロイ気がしてきたな。


「さて。ぬしに話さねばならぬ事は今はこれぐらいかの。久しぶりの来客でわっちゃあ話疲れてしもうた。クレアよ。わっちは少し休むゆえ、この者に町を案内してやりんす」

「え、なんであたしが……あ、いや。でもコイツを町に野放しにしたらみんなが危ない……分かったわおばあちゃん!町の平和はあたしが守ってみせる!」

「……なんで町の案内を頼まれて守護を誓ってるんですかねぇ……」

「ホー」


 クレアが使命に燃える防人みたいな顔してるんだけど、俺は魔王か何かなのかな?たしかにモンスターを従えてはいるけども超平和的存在だよ俺。殺戮を好んだりは……あ~。俺は(・・)してないよ?


「だからその説明で何を安心しろって言うのよ!」

「む?戦う()るかの?」


「おばあちゃんも乗らないで!というか、疲れて休むんじゃなかったの!?」

「くふ。冗談じゃ」


 両手で握りこぶしを作り、頭の上でフリフリしながら叫ぶクレアをウツロおばあちゃんと一緒に微笑ましく眺めていたらクレアに気づかれて赤くなった顔でキッと睨まれてしまった。なんで俺だけ……


「もぅ!町を見て回るんでしょ!早く行くわよ!」

「あ、うん。ウツロおばあちゃんまたね~」

「きゅい~」


 赤くなった頬を誤魔化す様に荒々しい手つきで俺の襟元を引っ張るクレアに引きずられてウツロおばあちゃんの部屋を出ていく。

 ……ところでクレアさんよ。ゲームだからいいけど首締まってるんだけど、首。クレアの方が俺よりもよっぽど凶暴じゃない?今時暴力ヒロインは流行らないと思うよ?


「失礼しました!」


 クレアがあからさまに定型句だと分かる挨拶を叫ぶと同時に襖を力いっぱい締めようとする……その直前にチラリとウツロおばあちゃんを視界に納め鑑定を発動させる。

 まず無いとは思うがもし戦う事になった時の目安……に……あぁ……これは無理だ。天地がひっくり帰っても不可能だ。思わず顔が固まってしまった俺は、目を細めてこちらを見ていたウツロおばあちゃんとバッチリ目があってしまった。


「うむ。またの(・・・)


 スパーン!といい音を立てて襖が締まるまでの一瞬。その一瞬で目に焼き付いたウツロおばあちゃんは、やはりこちらの心の内を全て見透かすような深い深い瞳で俺を観て(・・)おり。誇り高き狼人族。その肉食獣(・・・)の素顔を一切隠さない獰猛で壮絶な笑みを浮かべていた……

 そして、その笑顔と直前に見たステータスがカギになっていた様に、直前のウツロおばあちゃんとの会話がいくつか脳内でフラッシュバックする。


 ”どちらにせよぬしは4枚のメダルを集める必要がある”

 ”レベル上限の上昇は人の身を超えた存在になったという事の証明”


 まったく……やっぱりこの第五層の攻略は一筋縄ではいかせて貰えないようで……







 NPC ウツロ

 現人神 四賢老 Lv100★








もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想の方へお願いします。


こにゃにゃちわー。お散歩している保育園児の集団を観察していたら金髪幼女がいて感動したテトメトです。いやー居る所には居るもんだね。びっくりしちゃったよ。キンパツッ!

そしてテトメトは前回の感想で特に募集もしてないのにクレアとウツロの元ネタ4人をバッチリ言い当てられたダメ作者でもあります・・・くそぅ!なんで分かったんだよ!そんなに分かりやすかった!?ちょっと嬉しいじゃん!

特に、にゃむ様とさち様が凄い・・・もはや絆だね!流石は我が心の友だ!


っと、場も温まってきたところでラフの公開!まずは”じゃない方”から。


挿絵(By みてみん)


誰だこのイケメン!?爆発しろ!というか靴wwピンクて!ヒールて!リボンて!羽て!流石タクさんですわー。ちょっとテトメトにはあれを履く勇気は無いなぁ・・・

というか格闘戦でヒールって。ヒールが邪魔だッ!って圧し折ったりしないのかね?まぁ、靴の一部だろうしそんな事すれば靴ごと消し飛ぶか。

そしてヒールで身長が底上げされているせいもあってユウと並ぶと大変な事に・・・

ユウの頭の天辺がタクの肩ぐらいだってよ。ユウ君ちんまい!とても同い年とは思えない!だがそれがいい!


挿絵(By みてみん)


・・・エプロン姿を見て一瞬履いてないと思ったのはテトメトだけじゃないはず。ホットパンツですってよみなさん!でもコート姿は渋い!かっこいい!ユウとは違いリアルに居そうな感じもイイネ!でも、どうみてもボーイッシュな女の子だわ。特に右下の笑顔のせい。ミヤヒナと一緒に居たら100%完全無欠に女の子にしか見えないね。ミヤヒナまだかな~(チラッ)売上次第なんだよな~(チラチラッ)


さて、残るラフは錬金姉妹とモンスター姉妹だね。リアさんもあるけど・・・それはいいや。

それでは次回にまた会いましょう!お盆に入ったし意外と近いかも?逆に遠いかも?まぁ、待て次回!

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