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194匹目 獣人の町に到着

ふぅ~。やっぱり新キャラが居ると書くのに時間かかるね~。

まぁ、大体はTRPGのサークルに参加して遊んでた所為なんだけどね。いやぁ楽しかった!やっぱりプロはレスポンの速さが違うね。尊敬するわ~。

 

「ここら辺の畑は全部あたしの家の物なのよ!泥棒は噛み殺すわよっ!……って、どうしたのよ。そんな無敵の蛇を一撃で粉砕された錬金術師みたいな顔して。あたしの顔に何か付いてるって言うの?」

「いや、どんな顔してるのかまったく想像できないんだが……」


 そして何か付いているのかと聞かれればイヌ耳が付いているな。あと犬歯も。

 ガァ!と牙を剥いて威嚇していたイヌ耳セーラー少女だったが、俺がポカンとした顔で自分の顔を見つめている事に気づき、イヌ耳をピコピコさせながら不思議そうに首を傾げている。

 いやだって、俺が装備しているキツネさん装備のアクセサリーじゃない。本当に頭やお尻から生えてる様に見えるイヌ耳とイヌ尻尾だよ?もふもふなんだよ?むしろもふりたいんだよ?よし、もふろう!


「だ、だだだだだだダメに決まってるじゃにゃい!こ、この変態!不審者!モフリスト!噛み殺すわよっ!」

「しまった!つい本音が口にッ!」


 今週のしまったはこちらですか?

 なんか最近俺の周囲の人が平気で俺の心を読んでくるからお口がガバガバになってたよ。危ない危ない。


 俺のもふりたい宣言を聞いたイヌ耳セーラー少女は、瞬間湯沸かし器の様にポンッ!と顔を真っ赤にすると、ピコピコと動いていたイヌ耳をペタンと頭の上に伏せさせて、両手でお尻を抑える様に尻尾を抑えてジリジリと後ずさりしてる。

 ……なんかちっちゃくプルプル震えているんだがそんなに嫌かねぇ?俺がしたことなんて畑泥棒(勘違い)して、少女の顔(耳と犬歯)をじっと見つめて、耳(頭)と尻尾(お尻)をもふらせて(撫でさせて)くれって言っただけなのに……

 って、どう聞いても変態だコレ!?整理したらヤバイ!唯でさえ畑泥棒の嫌疑がかかっているのにさらに変態の疑惑まで!どっちも否定じづらいが誤解だッ!


「いやいや、違う違う!畑泥棒でも変態でも不審者でもモフリストで……はあるかもしれないけど怪しい人じゃないから!安心して!」

「その説明で何を安心しろって言うのよ!」


 確かに。自分で言ってても説得力皆無だわ。むしろこれで説得できたらビックリするレベル。


「そもそも、あんた誰よ?狐人(こじん)族……よね?変な恰好してるけど、この町の狐人族にあんたみたいなのが居たかしら?」

「こじん……?ちょっと何言ってるか分かんないけど、俺達はさっきこのエリアに来たばっかりだぞ?なぁボーパル?」

「きゅい!」


 ボーパルは今日もかわいいなぁ……ただ、手を上げたら握られてる鎌も振り上げられてるけど。ちょっと怖いから近づく時は外してね?抱っこも出来ないからね?

 というか町があるのか。やっと始まりの街以外の町を見つけたな。2番目の町が第5層とか遠すぎんだろ……


「え!?つまりあんたは外からこの町に入ってきた”プレイヤー”なわけ!?」

「お、おぅ。そうだけど……」


 犯罪者を見るようなジト目から一転。おもちゃを見つけたネコの様に目を輝かせたイヌ耳セーラー少女が俺に詰め寄ってきて、「おばあちゃんの言ってた事は本当だったのね……」とか呟いてる。


「そういう事なら早く言いなさいよ!仕方ないから畑泥棒とセクハラの件は不問にしてあげるわ。付いてきなさい」

「いやだからそれは誤解だと……って、付いて来いって……どこに?」


 自分の言いたいことを捲し立てたイヌ耳セーラー少女が俺の手を取り畑の奥へと引っ張ってくる。

 そりゃ、来いと言われりゃ行くけども。せめてどこに向かうのかぐらい先に教えて欲しいんだが……


「どこ、って。そんなの決まってるじゃない。私達の町。獣人の町よ!」


 ……どうやら俺の行く末は俺の知らない所で決まっていたらしい。


 -------------------------------------


「クレア様ー!今日も豊作ですよー!」

「クレア様を拝見できたから今日も一日頑張れるべ!」

「なんだか今日は賑やかだねぇ。新しいお友達かい?」


「ごめんなさい。急いでおばあちゃんの所に行かなきゃならないの!」


 イヌ耳セーラー少女に手を引かれて畑の奥。丘の上からみた壁の方へ近づく程にイヌ耳セーラー少女。クレアって名前らしい少女にあちこちから声が掛けられてる。恐らくあの壁が俺達の目的地の獣人の町なんだろう。


「あ~!くれあちゃんだ~!あそぼ~!」

「「「あそぼ~!」」」


「ごめんね。お姉ちゃん今忙しいからまた今度ね?」

「「「「えぇー!ヤダヤダ!あそぼー!」」」」


 それにしてもクレアは大人気だな。今もちっちゃい獣人の子供達に囲まれてあたふたしてる。

 集まってきた獣人っ子はクレアみたいに人間にウサ耳と尻尾が生えているだけの子もいれば、ヒゲが生えていたりどことなく顔にキツネっぽい特徴が出ている子や。手が肉球になってるクマっ子。完全に服を着ている二足歩行の仔ネコにしか見えない子まで様々だな。

 そんなもふもこっ子達が、自分よりもちょっとだけ大人なお姉ちゃんに甘える様に遊ぼう遊ぼうって駄々をこねている。

 これはもう一緒にお遊び不可避でしょ。お姉ちゃんが忙しみたいだからお兄ちゃんが遊んであげるからね~。それはもうしっかりたっぷりしっぽりもっふり遊び尽くしちゃうぞ~!


 ……と思いながら獣人っ子に手を伸ばそうとしたらクレアに獣人っ子を背中に隠されてしまった。なんで?


「……完っ全に犯罪者の目をしてるわよあんた。この子達に手を出したら噛み殺すわよ?」

「ひっど!流石の俺でもその扱いには異議を申し立てるぞ!」

「「「「うわぁ~ん!このおねえちゃんめがこわい~!」」」」


 ひしっ!っとクレアの背中に抱き着く獣人っ子をよしよしと宥めるクレアが、「ここはお姉ちゃんに任せて先に逃げなさい!」とどこぞの傭兵のような事を言うと獣人っ子達が「「「「わっ~!」」」」っと蜘蛛の子を散らす様に逃げ出してしまった。

 あぁ……俺のもふもふが……


「あんたのじゃないでしょ。ほら早く行くわよ!」

「……だな。町に行けばもっと沢山のもふもふが俺を待ってるもんな!」


「あんたを待ってるのはおばあちゃんだけよ!」と叫ぶクレアを無視してさっさと町へと足を進める。

 そうは言っても町には沢山のもふもふが居るワケダ。ならば1人ぐらいはケモ耳とケモ尻尾をなでなでしてもいいよって言う子が居るかもしれないワケダ。これは行くしかあるまい!最速で!最短で!真っすぐに!一直線に!!胸の思いを、伝えるためにぃー!


「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

「あ、ちょっ!待ちなさい!あんたの好きなようにはさせないわよ!町の皆は私が守ってみせる!」


「はっはっはー!捕まえられるものなら捕まえてみるんだな!行くぞみんな!」

「きゅい!」

「ホー!」

「メェ……」

「コーン!」

「にゃぁ……」


 やる気のないアイギスを急かしつつ、ノゾミを抱えて見えかけてる門へと全力ダッシュをする。

 クレアはイヌ獣人だけど足はそんなに速くないんだな。まぁ、ずっとこのエリアに居たんならモンスターが居ないもんな。生産職でもないとレベルは全然上がらないかもんな。

 つまりは俺達の走りを止める者は誰も居ないという事だ!はっはっはー!


 -------------------------------------


「止まれ!ここは獣人の町!獣人以外は立ち入る事が禁止されている!」

「あ、はい……」


 門番に止められました。


 場所は獣人の町の門。ダッシュで駆け抜けようとした所、二人の門番に槍をクロスして止められてしまった。

 にしても、町の中には獣人しか入れないのか……あぁ!そのためのクレアね。なんか強引なNPCだな~。ぶっちゃければキーキャラっぽいな~とは思ってたけど、文字通り町に入る為のキーだったわけだ。


「お前は……狐人族か。通って良し!」

「え?いいの?」


 うんうんと頷いて納得している俺の前でクロスしていた槍が退けられ町への道が開かれた。

 え?あれ?通っていいの?入っちゃうよ?あれ?クレアの意味って一体……


 《運営インフォが2件届いています》


「うおっ!」


 もぅ!視界に急に出てくるのほんと止めてよね!普通ならそんなに問題ないのかもしれないけど、やましい気持ちがあるとびびるんだから!

 まったく。これでショボい内容だったら許さないぞ?……まぁ、設定変えようと思ってて変え忘れていた俺も悪いんだけどね。喉元過ぎるとウザさ忘れちゃうんだよ……


 《アップデート情報》

 プレイヤーが獣人の町に到着しました。

 プレイヤーの選択可能種族に獣人が追加されました。


 ……は?なんか毎度毎度おんなじ様な反応してる気がするけど、はぃ?ちょっと待って。ちょっと待ってね。情報を飲み込めるまで待ってくださいお願いします。


もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想の方へお願いします。


新シリーズを見てさっそく影響されたワケダ。まぁ、キャラが立ってて可愛かったからしょうがないワケダ。そしてこの語尾意外と使いやすいワケダ。だが、文字にすると割とうざいワケダ。という事でそろそろ普通に話すワケダ。

はい。という事でいつものテトメトですっ。

はぁ。やっと出したかった公開情報が全部出たぜ~。という訳であれの出番なワケダ。

おっとまだ口調が抜けてなかった。うっかりうっかり。

話を戻すけどユウ君も情報を飲み込めるまで待ってって言ってたしね。あれの番だよね!

というわけで、次回はちっと遅れるかもデスが。よろしくデース!

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