191匹目 兎の結魔魂書
今回は説明回ですぅ~。前回のラストだけじゃ兎の結魔魂書の効果が分かりにくいからね。ガッツリ書いてあるんで、もふもふと戦闘以外興味ねーや。って人は流し読みで後書きまでダッシュしてもおkです。
【武器:封印書】兎の結魔魂書 レア度8
魔法攻撃力+20 重量1 耐久値300
ウサギの力が込められた封印書
装備者はウサギとの魂の結びつきが強くなる
サモナーが装備することで様々な恩恵を召喚モンスターに与える事が出来る
ただし、戦闘中に一度でもこの本を手放すと結びつきが途切れ、全効果が無効化される
【効果】
種族【ウサギ】の封印率150%
サモナーの敏捷の30%召喚モンスターの敏捷上昇(少数点切り捨て)
パーティメンバーの召喚モンスター入手経験値量サモナーの120%
待機メンバーの召喚モンスター入手経験値量サモナーの20%
「なるほどなぁ。ふむふむ……強くね?」
「きゅい?」
兎の結魔魂書を拾ってから色々検証したり考察したりしたんだが……うん。強いね。とりあえず強い。
なにせ兎の結魔魂書の前任である封魔の本なんて特殊な能力がなんにも無かったもん。むしろ普通の能力すら殆ど無かったまである。
まぁ、レア度1の初期装備だしね。致し方なしだ。
んで、能力の検証結果に戻るが、効果の一行目の”種族【ウサギ】の封印率×1.5”ってのはウサギを封印した時に上昇する封印率の%が1.5倍になるって事だろう。10%上がるウサギを封印したら15パーセント上がるって事だな。
……ただ問題なのは(少数点以下切り捨て)の文字が敏捷にしかついてない事なんだよなぁ……
ついて無かったら小数点以下四捨五入の可能性もあるけど、その場合1%しか上がらないボスは2%上がる事になって実質2倍になっちゃうんだよなぁ。
……つまり封印率には小数点以下が普通に存在している?最大でも100体倒せばどんなモンスターでも封印出来ると思っていたんだが、下手したら1000体や10000体必要なモンスターがこれから先に出てくる可能性も……
……よし!気づかなかった事にしよう!知らない事は無い事と同じだしね。うん。
んで、2行目。”サモナーの敏捷×0.3分召喚モンスターの敏捷上昇(少数点切り捨て)”はそのまんまの意味だろうな。俺の敏捷の3割分ボーパル達全員の敏捷値が上昇する……なにそれつおい。
俺の今の敏捷が35だから、その3割の小数点切り捨てで……10だな。つまり俺以外の全員の敏捷が10ずつ上乗せ……ってヤバイヤバイヤバイ!バランスブレイカー並みに強い!
……と。思った時期が俺にもありました。
いや、違うよ?兎の結魔魂書の能力自体は超強いよ?ただ……ボーパル達が弱いんだよ。
ステータス的には既に俺を追い抜くぐらい高くなってるけど、その代わりに装備品が殆ど無い。
俺なんて頭と体と手と足とアクセと両手に扇で装備品を7つも付けてるのに、ボーパルですら靴とハンマーとアクセの3つしか装備していない。
普通のモンスタードロップは人間用でモンスターは装備出来ないのばっかりなんだよなぁ~。アクセとかは装備出来るのも多いけど、本気で全身揃えようと思ったらやっぱりオーダーメイドになりそうか。でも、下手にオーダーメイドで鎧とか作っちゃうともふもふ出来なくなる可能性が……よし!後回しにしよう!今度もふもふっ子専用装備店でも見つけたら揃える事にしよう。そうしよう。
3行目と4行目が両方経験値関連で”パーティメンバーの召喚モンスター入手経験値量サモナー×1.2”と”待機メンバーの召喚モンスター入手経験値量サモナー×0.2”
サモナー×って言うのは俺を基準に何倍の経験値が入るのかって事だろう。パーティメンバーには全員等分で経験値が割り振られている筈だから、パーティメンバー。つまり召喚しているモンスター達には今までの120%の経験値が入るようになり。
待機メンバー。つまり召喚していないお家での居残り組には今まで経験値が入っていなかったのが、俺が手に入れた経験値の20%が入るようになる。
この増えた経験値は俺の分が毟り取られているわけでは無く、無から生み出されている物なんだろうな。じゃなきゃ計算が合わないし。召喚モンスター5匹に20%ずつ分配しちゃったらその時点で俺の分の経験値が0になっちゃうし、更に留守番組にまで配ったらマイナスになっちゃうもん!
つまりは総メンバーの数が増えれば増えるほど経験値がお得になるわけだ!まぁ、それぐらいしないとパーティの上限である5匹以上モンスターを召喚するメリットが少ないもんね。ひたすらにレベル上げが面倒くさい作業になっちゃう。それにしても強いけど。近いうちにボーパルにはレベルで追い抜かれそうだな~。
兎の結魔魂書が強すぎて、この本が1冊あれば誰にも負けない気がするな。このゲームには必勝法がある……だが、この必勝法には致命的な欠陥がある。それが、これらの効果は兎の結魔魂書を装備していないと効果を発揮しない事と”戦闘中に一度でもこの本を手放すと結びつきが途切れ、全効果が無効化される”事だ……
何が言いたいかと言うと、兎の結魔魂書の効果を発揮させようとしたら扇を外さなきゃいけないからキツネさん装備のシリーズ効果が消えちゃうじゃん!ってことだ。
狐火や隠行はもちろん、各種能力上昇も全てパーだ。セット効果の無いキツネさん装備なんてただのかわいいお洋服じゃん!
……うん。なんかなんにも問題が無い気がしてきたけど、やっぱり問題なんだよ!だって、キツネさん装備を手に入れてきてから攻撃を狐火に頼ってきたから今狐火を取り上げられたら単なる弱っちぃ魔法使いの足手まといになっちゃうじゃん!!
……うん。それもいつも通りな気がしないでもないけど、やっぱり問題なんだよ。だって兎の結魔魂書には俺自体を強化する内容は殆ど入っていないからだ。
ん~。戦闘をボーパル達に完全に丸投げするならずっと兎の結魔魂書を装備するのも手ではあるんだけど……いざと言う時の為にキツネさん装備だったら助かったのにぃ~ってなる未来も目に見えているんだよなぁ……果たしてどうしたものか。兎の結魔魂書はザコ専にするという手もあるが敏捷上昇が……むむぅ。
「メェエエエ!」
「あ、ウサギの回収終わった?それじゃあ今行くよ~」
とりあえず考えるのは後回しだな。ちょっと使ってみてダメそうなら戻せばいいや。うん。そうしよう。
もふもふ!
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今回の書籍化作業で思ったこと~。
ボーパルって召喚した当初はちょっと好戦的なだけの普通のウサちゃんだったんだね。
それが、しょっぱなからご主人様と2人で即席の連携で野犬と戦わさせられて。
頭上を取られている上に空を跳ぶという極めて不利なカラスを相手に2対多数での戦闘を死ぬまで続けさせられて。
逃走と潜伏が得意なウサギ相手に格下をなるべく早く多く倒す術を学び。
圧倒的強者であるクマを相手に足手まといを庇うために恐怖を噛み殺しながら突撃して見事に仕留めて。
・・・うん。これは確実に強くなりますわ。むしろ強くなるための圧縮育成プログラムみたいな戦績だわ。
本編書いてた頃にはそんなこと一切考えていなかったのに、こうやって読み返すと全てが糧になって伏線になっていたんだな。知らんかったわぁ~。
・・・という発見を早く後書きに乗せたかったから急いでこの話を書いたぜ。執筆のモチベージョンなんてそんなもんさ~。




