188匹目 VS死のウサミミ 2
腕が筋肉痛でつらたんです・・・おのれ任天〇め。筋肉痛になった割に全然勝てないんですけど。COMレベル5が限界です。対人とかマジ無理。
「きゅい!」
「「「「きゅいー!?」」」」
ドガンッ!
ボーパルの先制攻撃!ウサギ達はやられてしまった!
いや、死んだわけでは無いが。銃座からは吹き飛ばされているから射撃が止まってアイギスとミズキの支援にはなるだろう。
ちなみにボーパルがした攻撃はハンマーの投擲だ。死のウサミミの中に飛び込んだと同時にハンマーをぶん投げて、急に飛び込んできた俺達にビックリしていたウサギ達を吹き飛ばした上に内壁をちょっと凹ませてる。
きゃー!ボーパルさんカッコイイー!そのままやっちゃって!!
「きゅい!」
ちなみに飛んで行ったウサミミハンマーは既にボーパルの手の中に納まってる。
装備品がいつでも手元に召喚できるのは便利だよな~。だからと言って扇を投げようとは思わないけども。投擲スキル込みでもカスダメージにしかならなそう。
「きゅい!」
「コーン!」
「「「きゅい~~~~!?」」」
「……あ、終わった?」
「にゃ~」
ちょっとキョロキョロしてる間に制圧が完了してた。
どうもマシンガンを撃つのに特化したウサギみたいで近接戦はさっぱりだったみたいだな。器用値極振りだったのかな?射撃性能がヤバかったからね。ウサミミミサイルみたいに追尾性能があるわけでも、イナリみたいに撃ってから操れるわけでもないはずなのに偏差射撃でバンバン当ててくるし、逆にダメージ自体はそうでもなかったから多分あってるはずだ。
「ん~。中は結構広いな。材質的には鉄か……ちっ、木なら放火したのに」
「コーン」
死のウサミミの中はかなり広々と空間が取られていてホールみたいになってるな。壁とかペラッペラだ。戦車としていいのかそれで。
んで、俺達が乗り込んだのはまん丸な恰好でお座りしているウサギ戦車の背中あたりだな。上と下にいく階段がフロアの隅にあるんだが……そっと上の階を覗いてみると、天井が吹き飛んで空が見える小さめのフロアの中で沢山のウサギ達がわちゃわちゃしてた。
あ~、ここ死のウサミミの頭の中か。ついでにウサミミミサイルの格納庫でもあるみたいだな。誘爆の被害を免れたミサイルが詰まってるっぽい箱が隅っこに積んであるし。火気厳禁っぽいマークが書いてあるから間違いないだろう。
……
キョロキョロ(誰もこっちを見てないか確認)
ぽいっ(狐火投下)
ダッ!(全力で階段を駆け下りる)
ダァァァァン!!(死のウサミミの頭部爆散)
きゅいいいいいいい!?(巻き込まれたウサギ達の断末魔の叫び)
「……よし」
「にゃぁ……」
後方安全確保よーし!
一部始終を見ていたノゾミに「何がよしなのよ……」って感じで呆れられてる気がしたが気にしなーい!
こうしている間も下から上がってこようとするウサギ達をボーパルとイナリが食い止めてるしな。上から狐火とハンマーを落としまくって。
なんだろう。地獄かな?もしくは配管工のゲームのカメの城。あのステージって溶岩と火の玉とカメのハンマーが飛び交うからなぁ。
「きゅい!」
「コーン!」
「「「きゅい!!」」」
さてさて、ボーパルとイナリが時間を稼いでいる間にこれからどうするか考えないとな……
なにせこのフロアに入る方法は階段を上ってくるだけじゃないしな。ほんのちょっと前に俺達がダイナミックエントリーしたばっかりだし。アイギスとミズキ達が抑えてるとはいえ空飛ぶランドセルがこのフロアに突撃してくるのも時間の問題だろう。
それにボーパルはともかくイナリのMPは有限だしな。対してウサギは無限にいるんじゃないかってぐらいいるし。もう100羽ぐらいは倒したと思うんだけどまだ尽きないからね。これ勝ったらめっちゃレベルアップしそう。負けたら経験値失うけどね。
んで、問題なのは死のウサミミの残HPなんだよな。イベントで50%吹き飛んで、ボーパルのウサミミ爆破と背中制圧と頭爆散と階段での戦闘で減ったのが10%ほど。
……個々が10%ずつじゃないよ?それだともう死んでるしね。俺達が必死こいて誘爆まで利用して削れたのが10%って事。残りは40%だな。
……無理じゃね?とても削れきれる気がしねえぜ……その前にこっちのMPとHPが尽きちゃう。
というかこれ絶対あれだよな。心臓部的な、動力部的なナニカを破壊しなきゃダメなやつだよな。いや、ダメじゃないけどかなりキツイやつとみた。
となればその心臓部がどこにあるのかが問題なんだが……恐らくだが最初のイベントの時に黒煙が出てたところじゃなかろうか?あそこが爆発してHPが5割削れたしな。ウサミミと頭が吹っ飛んでも合計1割もHPが減らなかったのに、だ。
普通に心臓の位置にある可能性もあるが……それなら最初のイベントをやる意味が無いしな。
「よし。決めた。ボーパル!イナリ!車体後方の最初に煙が出ていた所を目指して突っ込むぞ!そこがコイツの弱点だ!たぶん!」
今決めた。そう決めた。どの道このままじゃジリ貧だしな。それなら余力が残ってるうちに突っ込む。違ったときはその時はその時だ。次の俺達がもっとうまくやってくれる事だろう。
「きゅい?きゅい!」
「コン!」
突然敵陣の最奥に突っ込めと言い出した俺にボーパルが一瞬首を傾げるが、すぐに了承を返す様にビシッと敬礼を返してくれ、ここは通さないとばかりに階段の上で尻尾を大きく広げて威嚇していたイナリも、チラッとだけ視線を寄こしてニヤリと悪~い笑顔を見せてくれた。
戦闘面では2人に頼り切りになるだろうからな。頼んだぜ。
「にゃぁ~……」
「うしっ!行くぞ!」
最後に「しょうがないにゃあ……」と言わんばかりのやれやれと言った態度を隠そうともしないノゾミを肩に乗せてイナリの背中にヒラリと飛び乗る。
すまんなイナリ。最近乗り物扱いばっかりして。イナリだって敏捷特化ってわけでは無いんだが、俺よりは早いんだもん。あとは四足だから安定度が違うね。イナリは隠密と遠距離放火に特化させたいから乗り物用のモンスターを早くゲットしたいところだなぁ。出来れば飛べるやつで。ペガサスとかグリフォンとか。後はおっきい鳥とかドラゴンとか?
流石にドラゴンは無理だろうけど今度タクにそこらへんの目撃情報が無いか聞いてみよう。リアさんの方がいいかな?どっちにしろレベル上げもあるから闘技大会の後になるけどな。
「コーン!」
「きゅい!」
「「「きゅい!?」」」
俺が関係ない所に意識を飛ばしている間に心臓部(だと思われる)である死のウサミミの後方部分に突撃する前準備としてボーパルが突っ込んで階段に乗っていたウサギを全て蹴り落とし、イナリが階下に狐火全弾と滅多に使わない火魔法でのファイヤーボールを叩きこんで火の海に変えている。といっても燃え移る物がないからすぐに消えるだろうけど、ちょっとの間だけの目くらましにはなるだろう。
「コン!」
階下にワラワラと集まっているウサギ達が火の中に飛び込んでこない事を確認したイナリは、背中にしがみついている俺とノゾミを火属性耐性のあるもふもふの尻尾で包んで燃え盛る炎の中に突っ込もうと地に踏ん張る足に力を込め……ってちょっと待って!どこに突っ込む気だイナリ!?
「ちょちょっ!ストップイナリ!!どこに飛び出すつもりなのお前!?」
「コン?」
「きゅい?」
「にゃぁ?」
イナリの背中をバンバン叩いての抗議に、階下の炎とウサギの海に飛び込もうとしていたイナリだけじゃ無く、ボーパルとノゾミまで不思議そうに首を傾げている。いやいやいやいや。
「行くのは外!死のウサミミの背中を駆け下りてお尻の方から突撃するぞ」
「コン?」
煙が上がってるって事は穴が開いているってことだからな。イナリが入れなくてもボーパルだけでも詰め込めればそれでよしだ。それも無理なら影に沈ませたミズキを送り込もう。
……といった事を早口に説明したら「その手があったか!?」って感じで見開いた目からポロポロ鱗が落ちてるボーパルとイナリ。ノゾミは「し、知ってた……わよ?」って感じで目を逸らしてる。かわいいやつめ。ほっぺたをプニプニしてやろう。
「という訳で火が消える前に急いで行くぞ!ダッシュダッシュダッシュ!」
「コーン!」
「きゅい!」
「にゃぁ」
目指すは死のウサミミのお尻の穴の中だ!
……なんか嫌だなその表現。間違いでは無いんだけどね。
もふもふ!
誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。
まさか死のウサミミのHPが五割消し飛んだイベントにそんな大事な要素が隠されていただなんて・・・
テトメトも知らなかったわ~。基本的に未来のテトメトに丸投げするスタイルで書いてるからね。仕方ないね。
今回の書籍化のお話~。
書籍版の巻末に載せるテトメトのプロフィールのボツ案がこちら。
↓
『好きな物はちっちゃかわいい物!仔ウサギとか仔イヌとか仔ネコとかハムスターとか幼女とか。
やめて!通報しないで!
でもおっきいもふもふもそれはそれでいいよね。ぎゅっと思いっきり抱きしめられるし。大型犬とか羊とか妖狐とか幼女とか。
やめて!通報しないで!テトメトはロリコンじゃないよ!仮にロリコンだとしてもロリコンと言う名の紳士だよ!』
リアルの知り合いも読むんだっつーの!むしろ買えと命令までしてるレベル。
危なかったぁ。もうちょっとでテトメトの本性がばれる、もとい勘違いされるところだったぜ・・・セーフ!
・・・あれ?でも本編を読まれたらどのみち・・・う、うん!時間稼ぎって重要だよね!(白目)




