187匹目 VS死のウサミミ 1
モンスター エリアボス 機動夜兎威デスウサイヤー Lv50
状態 アクティブ
「やっぱりレベルたけぇなぁ」
「きゅい!」
ただ何故か半壊してるけども。中破だな。雷撃戦はもう出来ないぜ。戦車だから魚雷は積んでないだろうけどね。
そして名前が酷いな。まだウサリンガルの方がましじゃね?なんで機動要塞の方にしたんだよ。当て字が雑すぎて暴走族みたいになってんじゃねーか。
あとデストロイヤーを捩ってデスウサイヤーにしたんだろうけど、デスとウサとイヤーでそれぞれ別の意味になってるからな?死のウサミミになってるから。上手いこと言ったつもりか!
「ぎゅいー!」
「「「「きゅい!」」」」
おっと、ツッコミをしている間にウサギ達が体勢を立て直してしまった。くっ、なんたる孔明の罠!あんな名前を見たらつっこまずにはいられないじゃないか!
「来るぞ!とりあえず雑魚から潰せ!以下適当に!」
「きゅい!」
「ホー!」
「メェエ」
「コーン!」
「にゃぁ」
雑魚さえ潰してしまえば後は鈍重そうなデカブツ1体。レベルは高いがHPは残り半分だし、張り付いてぺちぺちするなり内部から破壊するなりすれば勝てるべ。よゆーよゆー。
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……と思っていた時期が俺にもありました。
「ぎゅぃぃぃいいいいい!!」
パカッ。パシュパシュパシュパシュ。ズドドドドドドド!!
「ギャー!助けてぇ!死ぬぅぅぅう!」
「コーン!」
「にゃぁぁぁぁ!!」
「「「キュイ!」」」
バルルルルルルルルルルル!!
「ひぃー!!」
ちょっと待って!?死のウサミミさん強ない!?
ウサミミ型の尖塔の壁が”パカッ”っと開いたと思ったら、中にビッシリ詰まってた誘導ミサイルが一斉に俺をターゲットにして飛んでくるし、ミサイルを泣きながら迎撃したり死に物狂いで回避してるっていうのに戦車のあちこちから覗く銃座からマシンガンの如く無限の弾幕が降り注いでくるし、ハチの巣にならない様に隠れようものなら遮蔽物ごと主砲のレーザーが吹き飛ばしてさらに本体が轢き殺しにくるし……
死ぬわ!殺意高過ぎんだろ!なんなの?見た目ウサリンガルで、名前が死のウサミミで、中身はイモービルなフォートレスさんなの?ヘイルストームなドミネーションを連打されてる状況なの!?しかも本体がキャタピラで自由自在に動きまくるからめっちゃ性質悪い!「安全地帯?なにそれ美味しいの?」状態だよ!
まだエルダートレントは動き回ってれば当たらないから良心的だったよ……本体も動かないしな。
対して死のウサミミはと言えば、ミサイルが追尾してくるのをギリギリで回避しつつ偏差射撃してくるマシンガンを避けなきゃなんだもん。ちなみに足を止めると主砲をぶっぱしてきます。残った防壁に立て篭もるとランドセルラビットが群れで制圧にきます。もしくは嬉々として体当たりに来ます。死のウサミミが。ランドセルラビットごと。俺達を葬るために。ふ・ざ・け・る・な!
お前達に仲間意識は無いのかと言いたい所だが、あなたが死んでも代わりはいるもの。って感じなのかね?まぁ、どこぞのエリート幼女も戦争では人を数字で考える必要があるって言ってたもんね。仕方ないね。
「ギュィィィィィィイイ!!」
スガァァアアアアアン!!
「ギャーーーッス!!」
「コーン!!」
「にゃ、にゃぁ~♪」
やっぱり全然仕方なくない!!死ぬ!この物量は死ぬ!むしろまだ生きてる方が奇跡!攻撃は諦めて移動はイナリに丸投げし、ヒールクリームとノゾミの回復の歌で常時回復し続けてるのに爆風の余波とマシンガンで死にかけてるもん。やっぱりやる気だけでボス戦は無茶だったか……ちなみに一部のもふもふ達はやる気がヤる気になってたみたいだけどそんな事はいつもの事だしな。
……というかなんで俺達ばっかり狙われるわけ!?こういうのはアイギスの専門でしょ!と思いアイギスの方を見ると、無数のランドセルラビットに埋もれて兎玉状態になってた。
あ、うん。なんかごめん。頑張ってねアイギス。あ、ミサイルがそっちに……
チュドーン!!
「「「「きゅい!?」」」」
「メェエエエ!!」
……よし。見なかった事にしよう。ミサイルの爆発に巻き込まれて全身アフロになっているウサギとヤギなんて見えなかった。いいね。
大事なのはレベル差がありすぎてアイギスの挑発が死のウサミミに通じていないという事実だけだ。過程は重要ではない。
まぁ、レベル差以前に戦車に挑発って意味あるのかね?いや、操縦しているウサギが挑発に乗ってくれればいいのか。それならまだ活路はある……のか?良く分からんが今は効かないってことだけが分かればいいや。
「ぎゅぃぃぃ……」
さて、なすすべ無くイナリの背中にノゾミと乗って逃げ回っている俺達だが、無策で逃げ回っていたのかと言われるとそうでもない。
死のウサミミの攻撃は非常に強力だがインターバルがある。ミサイルは撃ちつくせば装填が必要だし、マシンガンも無限に撃ち続けられるわけでは無いらしい。主砲は発射までにチャージが必要でその間は動く事もできない。その隙を補うためにランドセルが発進してるんだろうが……フレンドリーファイヤで落ちたのが多数とアイギスの元に集っているのが無数。残りはイナリの尻尾を追いかけてる。
つまり何が言いたいかと言うと……今めっちゃチャンス。
「ボーパルぅ!」
「きゅい!」
俺の叫びに応じて遥か上空にあった小さな点から同じぐらいの小さな点が落ちてきて……その点は空中でドンドン大きくなっていく。
もちろんその落ちてくる点はボーパルであり、ウサミミハンマーだ。羽ばたき音が小さく影の無いというステルス機も真っ青な隠密性能を誇るミズキの背に乗って、デカイ一撃を当てるタイミングを今か今かと待っていたわけだな。
とりまきのランドセルは俺達とアイギスで引きつけ、死のウサミミはチャージ中なので、なんの妨害も無いボーパルは縦にグルングルンと凄いスピードで回転しており、一周ごとにハンマーの大きさが倍々になっているので、死のウサミミにぶつかる頃には十分死のウサミミを叩き潰せるだけの大きさにはなるだろう。もっとも……
「きゅい!!」
「ぎゅっいいぃぃぃぃ!?」
それだけで倒せる程弱くは無いだろうが。
ドガァァァン!!
ボーパルの振り下ろした渾身のウサミミハンマーは、見事死のウサミミの右耳を直撃。内部で装填中だったミサイルが爆発し次々と誘爆。反対のお耳にも飛び火して両方のお耳が吹き飛んでしまった。
ぷぷぅ。死のウサミミなんて名前なのにウサミミもげてやんの~。だっせ~!
と、内心で煽ってると死のウサミミ(ウサミミ無し)の大破に巻き込まれたマシンガンの射手のウサギ達が爆風で吹っ飛び、車体自体も心なしかフラフラしてる。
……あれ?これチャンスでね?
「イナリGO!乗り込め!ボーパルも来い!アイギスとミズキは外で露払いよろしく!」
「コーン!」
「きゅい!」
「メ~」
「ホー!」
「……にゃぁん」
俺とノゾミを背中に乗せていようがなんのそのと、軽い足取りでピョンピョンと死のウサミミを登っていくイナリに、爆風に煽られて空を舞っていたボーパルが空中を蹴って落下の向きを変えて合流。俺とイナリの狐火とボーパルとミズキの遠距離攻撃で襲い掛かるランドセルを撃退しながら、マシンガンの銃座をぶっ壊して無理やり車内に転がり込んだ。
こんにちわ~。お宅訪問でーす。お宅をぶっ壊しに来ました~!ってね。
もふもふ!
誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。
今回の執筆作業してて思った事~。
・・・掲示板回どうすんだろ・・・書籍って縦書きだよな?縦書きの掲示板かぁ・・・それに顔文字が・・・
う、うん!編集会社はプロだからいい感じにしてくれるに違いない!がんばって!




