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176匹目 実は難易度インフィニティ

日付を飛ばしていくと言ったな!アレは嘘だ!


・・・なんでかなぁ。どうしてこんなに話が進まないんだろう?

 

「zzz……」


 精霊樹騒ぎの翌日。俺は自室で悠々と惰眠をむさぼっていた。昨日はウィアナちゃんにあげるお小遣いをいくらにするか相談したり、しばらくお留守番だったからか構ってちゃんモードになってたイナリの相手をしたり、気づいたら全員来ておしくらまんじゅうをしたりしている間にいい時間になったのでログアウトした。リーンちゃんやフェアリーに引っ張って来られてちょっと照れてるウィアナちゃんがかわいかったです。まる。


 そして今は朝から一切お布団を出ずに二度寝三度寝を満喫しているところだ。

 休日で色んなことが出来るのにあえて何もしないっていう、この時間が幸せでたまらないわ~。


 コンコンガチャッ。


「お兄ちゃん朝だよ起きてとぅっ!!」

「グボハァ!?」


 な、なにごと!?まったりお朝寝にしてただけなのに急にお腹に衝撃がっ!というか、こんな事をするのは1人しか居ねえ!


「がはっ!ごほっ!つばさぁ~!殺す気か!お前の方が俺よりでかいんだから飛び乗るな!潰れるわ!というかノックから扉を開けるまでも、声掛けから実力行使までも短すぎるだろ!」


 俺がちょっと涙目になりながら抗議の視線を腹の上の圧迫感へと向けると、予想通り俺の上に馬乗りになっていた翼が何故か少し不思議そうな表情で小首を傾げながら俺の顔を見下ろしていた。


「……あなたトト〇っていうの?」

「人違いです」


 あんなにでかくないわ。というかそのネタをやるためだけに俺は不意打ちボディープレスで叩き起こされたのか?前の金曜日になんのロードショーを見たのかは知らないが迷惑にもほどがあるぞ。


「もぉ~!お兄ちゃんノリが悪いよ?」

「……寝ている所をボディープレスで叩き起こされて、その犯人とノリノリで話す奴がいたらそいつは変態だと思うんだが?」


 というか重いから早く退いて。息苦しくは無いけど動けないから。視界と物理の圧迫感が凄いから。


「なによぅ。あたしが重いって言いたいの?」

「少なくとも俺よりはでかいし重いだろ!……なんか言ってて悲しくなってきた……」


 年下の妹よりも小さくて軽い高校生って……うぅ……


「あっ……なんかごめんね?今降りるね?」

「優しくしないで。逆に辛いから」


 いそいそとベッドから降りた翼に向き直る様に布団から足を出して横向きにベッドに座る。

 一連の暴挙をしてきた翼をキッ!と睨みつけてやると、そっとティッシュを差し出された。……べ、別に泣いてなんかないし!翼が飛び乗ってきたのが苦しかっただけだし!……あんがと。


「んんっ……で?なんで俺は肉体的にも精神的にもダメージを負わされてまで叩き起こされたんだ?」

「いや、精神ダメージは自爆……まぁ、いっか。ねぇお兄ちゃん今日暇でしょ?」


 疑問形の形をとっているだけで既に断定されている気がするのは気のせいですかね……?まぁ、暇だけども。


「今日の予定は……FWOでレベル上げするぐらいかな?」

「いいね!あたしも丁度今日予定あいちゃったから一緒にレベル上げいこ!」


 え~……前回の闘技大会は出場者1人だったからいいけど、今回は全員参加だから全員のレベル上げ必要なんだけど……翼連れってたら貰える経験値減るやん。


「いやいや、あたしめっちゃ役に立つよ!近接も魔法も出来る魔剣士系統だし!お兄ちゃんにめっちゃ合わせるし!」

「戦力……確かに昨日はちょっと危なかったしな……」


 白銀ちゃんは強かったよなぁ。となると近接戦闘が出来る護衛役がいた方が安心かな?一応役割的にはイナリがそうなんだが……うん。イナリがいるから要らないな。


「お願いお兄ちゃん!あたしを助けると思って!というか助けて!1人じゃ碌な狩場に行けないの!お願い!」

「やっ!」


 NOと言える日本人の俺は翼のお願いを一刀両断に切り捨てる。

 前かがみになりながら両手を合わせて片目をつむると言うあざといポーズをしている翼だが、俺には効かんよ。フィアちゃんだったらアウトだったけど。


「もう、またそんな可愛い事言って!ほらほら、どこでレベル上げするつもりだったかお姉ちゃんに言ってみ?ね?」

「なんで俺が我儘言ってるみたいな扱いに……というかお前妹だろ。あと可愛い言うな!」


 はぁ~。全くしょうがないなぁ翼は……


「はぁ~。全くしょうがないなぁ翼は……」

「……ねぇ、お兄ちゃん。それわざわざ口に出す必要あったのかな?」


 あります。俺の仕返し的に。


「で、今日行く予定の狩場だったよな……んー。パーティ戦の練習も兼ねてウサギエリアで戦おうかと……」

「なにそれ楽しそう!!」


 近い近い。顔が近い!

 前かがみの態勢からずずいと顔を近づけて両肩を掴んでくる翼の勢いが怖い。キラッキラした瞳で見つめてくる翼の圧力に負けて布団に押し倒されそうになるのを後ろに手を付いてなんとか堪える。

 ベッドの反対側は壁だから後ろに倒れたらベッドに倒れる前に壁に後頭部を強打するんだよ!押し倒すんなら時と場所を考えろ!


「ウサギエリアってなに!?始まりの町の周辺以外にウサギが居る所があるの!?」

「お、おう。森エリアを奥に行ったら草原というか丘陵のエリアがあって、そこに色んな種類のウサギ達が……」


「是非行こう!!」

「あ、はい」


 どんなウサギ天国を想像しているのか翼が今にも口笛を吹きそうな程楽しそうにクルリと回って俺から離れる。

 ……どちらかと言えばウサギ天国よりもウサギ地獄だと思うんだが……


「……そんなに行きたいのか?」

「あったりまえでしょ!ウサギエリアだよ!もふもふだよ!あたしがどれだけ楽しみにしてるか分かんないの?お兄ちゃんの鈍感。ニブちん。ラノベ主人公♪」


 なんかすっげぇ楽しそうに罵倒された。ドSなのかな?しかもずいぶんタイムリーなネタだな。


 ……タイムリーってなにがだ?まぁいっか。


「じゃあ、俺はフェアリーガーデンにログインするから第四層に着いたらコールして。迎えに行くから」

「……ごめんお姉ちゃん。ちょっと何言ってるか分かんない」


 まだ見ぬもふもふを夢見て楽しそうに回ってる翼にそう言うと、何故かピシッと固まった翼が錆びたロボットの様にギギギっと首だけを回して振り向いてきた。回転してる最中だったから片足立ちのでかなり不安定な状態だと思うんだけどバランス感覚スゲーな。


「あれ?家買った事言ってなかったっけ?フェアリーガーデンに建てたから今度見に来る?と言っても基本的に俺は留守だけどね。探索に出てるかログアウトしてるかだから……あれ?なんで俺家買ったんだろ?荷物も全部ストレージに仕舞えるし……いらなくね?あ、でもウィアナちゃんが住んでるから要るか。もはやウィアナちゃんの家と言ってもいいぐらいに住んでる時間に差が出来てるけど」

「いや、そっちじゃなくて……ううん。そっちも気になるけど今は良くて……え?第四層?お兄ちゃん達アレ(・・)を倒したの?」


 アレって?……あぁエルダートレントか?


「エルダートレントの事?アイツ難易度高いよなぁ~。倒すの大変だったよ~」

「いやいやいや!大変なんてレベルじゃないよお兄ちゃん!!一定ダメージと時間経過で無限に増えるエリア全体攻撃!当たったら捕まってる間に他の攻撃で死ぬ枝の鞭!見えない地中からの後衛狙いの座標攻撃!そもそも減らない莫大なHP!エルダートレントはキツネちゃんとは比べ物にならない程の鬼畜なんだよ!……まぁ、他のエリアの三層ボスも似たようなもんだけどさ……」


 ……うん。なんかそうやってエルダートレントの要素を列挙してみるとスゲー鬼畜に見える。よく勝てたな俺。というか他のエリアも同じような難易度なのか。行きたくねーなぁ……


「確かに座標攻撃とかヤバかったけど……動き回ってたら案外当たらないもんだよ?」

「……動き回ってても空から降ってくるアレコレは無差別に降ってくるんだけど?」


「そこは迎撃すれば……」

「真上見てたら足元がお留守になるし、迎撃してたら攻撃が出来なくなるんだけど?」


「移動役と迎撃役を分ければ……」

「おんぶして走れって言いたいの?それとも荷車でも引く?絶対転ぶと思うよ?」


「……イナリに乗ったり……」

「それが出来るのはお兄ちゃんだけだよ!!」


 言われてみれば確かに……というかイナリにフィアちゃんと2人で乗っても防御と回避で手一杯だったしな。エルダートレントに纏わりついていたボーパルと空を飛んでいたミズキは足元を気にする必要が無かったから攻撃する余裕があったのか。流石古参2人は違うぜ。


「いやでも。エルダートレントは頭上を取っちゃえば一方的に殴れたぞ?それさえ分かれば余裕じゃん。やったね」

「……どうやって?」


「え?」

「……どうやってあの巨大なエルダートレントの上を取るの?」


「……」

「……」


「……ティーニャを憑依召喚して浮遊したり?」

「それができるのもお兄ちゃんだけだよぉぉぉぉぉぉ!!」


 せやな!あれ?エルダートレントって召喚モンスター無しにどうやって倒せばいいんだ?宝珠があればいけそうだけど、アレがドロップするのはエルダートレントを倒した後の第四層だし……不可能じゃね?

 ……ま、まぁ。俺はサモナーだし?召喚モンスター無しで戦う状況なんて無いし?サモナーさんじゃないし?


 その後ウサギエリアに行けない事が判明して闇落ちしかけた翼を宥めるのに結構時間を食われた……

 昨日奥義を使っちったから一緒に倒しにも行けないしな。残念だが自力で頑張ってくれと言ったらまた泣かれた。


 ……嘘泣きしても死ぬのが分かってて一緒に行ったりはしないので諦めなさい。

もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。


どうも。最近きりたんのフリーテキスト合成サイトで色々喋らせて遊んでるテトメトです。

きりたん超かわいいよね!買う気は無いけど。高いし。

今回は何故かシルフが寝込みを襲撃・・・おかしい。こんな予定は無かったはずなのにどこから湧いてきたんだ?

そしてリアルでは翼って呼んでるのにどうしてもシルフって打っちゃう。あとお姉ちゃん。だいたい直したはずだけどまだ残ってるかも。残ってたらすんません。

シルフと一緒にレベル上げするかはまだ未定~。というかほっといても勝手についてきそうな予感が・・・ストーカーかな?

シルフやタクは基本森に引きこもってるユウを別のエリアに引っ張っていく要員だからな~。次の召喚は闘技大会後にしようと思ってるからやっぱり出番は無いかも。

とりあえずGW中にサクサク進めていきたいんだが・・・予定は未定って事で1つお願いします。

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