番外編:??????????記念始めました 鬼ごっこ編
本日3匹目です。割り込み投稿で白銀ちゃんのその後を投稿してるのでお気をつけを。
「え~と、このモニターの扉は・・・モニターの縁が緑だから緑かな?緑に行くぞー!」
「きゅい!」
「~~!」
ちなみに今のお供はボーパルとティーニャの2人だけだ。
イベントで混みまくるのは想定内だからな。抱きぬいぐるみ代わりのボーパルと、場所を取らないちんまいティーニャだけだ。
「緑発見!レッツゴー!」
「きゅいー!」
「~~!」
緑の扉を発見して突っ込むと、扉の先は大草原だった。
何を言っているのか分かると思うけど一応言っておくと地平線の先まで続く草原であって、論者が沸いている訳では無い。
「あ!お姉ちゃん!やっぱりお姉ちゃんもこっち来たんだね!」
「シルフか。やっほー」
俺がもふもふはどこにありや?全俺は知らんと欲すときょろきょろしてると、同じ世界にいたシルフが釣れた様で右手を大きくふりふりしながらこっちに向かってくる。
「きゅい!」
「~~!」
にっこにこした笑顔でこちらに向かってくるシルフに、俺に抱かれているボーパルと頭の上でペタンと女の子座りしているティーニャが両手と前足をふりふりしてるのが分かる。
にしても今日のシルフはなんか違和感があるな。なんだろう?
「シルフもここに来てたんだな。まぁ、もふもふだったしな!来ないわけがないよな。ん?シルフちょっまっ!」
「むぎゅぅ~!」
「むきゅ・・・」
「~~~!!」
テケテケと駆けてきたシルフが一切減速せずに俺にぶつかるように抱きついてきた。
あぁもう!だからスピードを乗せて抱き着くなっていつも言ってるでしょ!シルフのスピードでタックルされたら俺なんてあっさり挽肉に・・・なってないな・・・
「むへへ~。もぅ~ボーパルちゃんを抱っこして頭にティーニャちゃんを座らせてるなんて私を誘ってるのかな?かな?」
「・・・シルフなんか遅くなってない?太った?」
「言葉のデッドボール!会話のキャッチボール拒否どころか全力で殴りかかってきたよこのお姉ちゃん!」
俺が素直な感想を伝えると、「お姉ちゃん・・・恐ろしい子!!」みたいな顔をしたシルフが俺から飛びのいて叫びをあげている。
俺からすれば咄嗟にそんな返しが出てくるシルフの方が恐ろしい子だと思うんだがなぁ。
「すまんすまん。女の子に体重の話をふるのはデリカシーが無かったな。えっと、それでこのエリアのミニゲームは・・・」
「ちょっと!私が太ったのが事実みたいに流すのはやめて!太ってないから!全然太ってないから!ほら
触ってみて!」
ざわっ・・・!
唐突に俺の手を取って自分のおへその辺りにあてがうシルフだが、もともとお前のお腹がどれぐらい出てたかなんか知らないし、ゲームのアバターなんだから太る訳が無いだろうが。
「はいはい。シルフは太ってないよ。俺が悪かったよ。で?ここは何のミニゲームなんだ?」
「むぅ・・・ほんとに分かってるのかなぁ・・・。まぁ(後でリアルで教え込めば)いいや。ここは鬼ごっこだって。私達が鬼役で、逃げ回る金ぴかのウサギを捕まえたら勝ちみたいだよ」
なんか今変な副音声が聞こえた気がしたけど気のせいだよな。うん。俺にサトリ能力は無いから気のせいに違いない。
「鬼ごっこか?それならシルフとボーパルがいれば圧勝じゃね?空中偵察用のティーニャも居るし、このゲーム余裕だろ」
「きゅい!」
「~~~!」
まっかせて!って感じで胸を張る2人がかわいいわ~。ぎゅってしちゃう。
「ぎゅぅ~♪」
「・・・なんでシルフはまた俺に抱き着いているんだ?」
「はっ!お姉ちゃん達があまりにも愛らしかったからつい・・・」
”つい”じゃないよ。実妹に抱き着かれても俺はあんまり嬉しくないんだが?俺も”つい”でさっきから視界の隅で明滅しているハラスメント通報ボタンを押してやろうか。
「こほん。私とボーパルちゃんで挟み撃ちにするのは難しいと思うよ。だってこの空間だとプレイヤー達 の敏捷は低い値で固定みたいだからね」
「あぁ、そういえば初心者でも大丈夫~みたいな事言ってたもんな。そりゃ配慮はあるか」
さぁ、通報してやろうかというタイミングでサッと離れて真面目な話を始めたシルフと仕方なく会話を続ける。相変わらず俺がキレるラインを見極めるのがうまいやつだな。ならそもそもキレそうになるような事を言うなよって話なんだがな。
「うん。それだけじゃなくてスキルも使用禁止みたいだよ」
「・・・じゃあ人海戦術で囲むしかなくね?」
鬼ごっこで鬼が人海戦術を使ってくるとかどうかと思うけど、向こうの方が速いならそうするしかないんでね?
「ところがどっこい。そうでもないんだよ!」
「・・・ところがどっこいって今日日聞かねえなぁ・・・」
「茶化さないの!んで・・・なんだっけ?そうそう。さっきも言ったけどプレイヤーはステータスが固定されてスキルを使えないの」
「うん。さっきも聞いた」
「きゅい」
「うん。だからね。プレイヤーはステータスが固定でスキルを使えないの」
「だから聞いたって―――」
「プレイヤーはそうなの」
「・・・NPCを連れて来いって事?一応来てくれそうなのは何人かいるけど・・・」
フィアちゃんか、エルか、リーンちゃんか、ウィアナちゃんか・・・
ウィアナちゃんは無理だな。全ステータス1だし。フィアちゃんもこういう人がいっぱいいるイベントとか苦手そう。エルとリーンちゃんはお祭り騒ぎ大好きそうだし、声をかけたら来てくれるかな?
「そうじゃないけど、その方法も使えるかも・・・ちょっと掲示板に書き込むから待ってて」
「あ、うん。了解」
シルフがなにやらポチポチしている間にゲームの解説が書いてあるのを見つけたのでそっちを読むことにする。
ふんふん。なるほど。もともとこの世界にいる動物にはステータスやスキル固定の効果は発動していないと。だからこの世界に居る動物と仲良くなって金ぴかのウサギを捕まえるに協力してもらおうっていう趣旨のイベントなんだな。なるほどなぁ。だからモニターにいっぱいもふもふが映っていたのか。
よし!そうと分かればさっそく出発だ!いっぱい友達を作ってもふもふ天国を作るぞ!おー!
「きゅい!」
「~~~!」
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「よしOK!検証班が動くってさ!それでこのゲームの趣旨なんだけど・・・あれ?お姉ちゃん?おーい・・・え?・・・あたし、ほう、ち・・・?」
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「うわははは!ここが俺の天国じゃー!」
「きゅいー!」
「~~~~♪」
俺は今もっふもふのアルパカみたいな動物の背中に抱き着いて全身でもふもふを満喫していた。
ちょっとした林っぽい場所の中で見つけた広場を仮の拠点とした俺達は近くにいたもふもふを根こそぎ手なずけては拠点へ連れ帰りを繰り返し、楽園を創造していた。
動物と仲良くなって協力してもらうのがミニゲームの趣旨にあるからか、誠意を持って触れ合えばみんな心を許してくれるのでもうウハウハだ。
アルパカっぽいのだけでなく、布団にしたら安眠間違いなしのふっわふわの羽毛を持つでっかい雀みたいな丸い鳥や、長毛をふぁさぁ・・・っと靡かせるお上品な猫のお嬢さんに、ポメラニアンぽいサクサクフワフワの新触感のもふもふまで完備!
さらには動物園の人気者であるパンダや、もふもふの代表格である羊(オリジナル)も当然いるし、変わり種だとグリフォンっぽいのもいる。なんか空を飛んでたからおいでおいでしたら近寄ってきて、なでなでしているうちに友情が芽生えたんだよね。他の子達も大体そんな感じ。
「いや~ほんと天国だわ~もふもふ天国だわ~。もう俺ここに住むぅ~」
「きゅい~・・・」
「~~~♪」
難しい事はぜ~んぶ忘れちゃってもふもふの享楽に溺れている俺だが、ボーパルやティーニャも似たようなもんだ。
ボーパルは寝転がっているでっかいウサギさんに寄り添うようにクルンと丸まって、まるで親子みたいにまったりしてるし、スキル禁止で飛べなくなったティーニャはちっちゃいヒヨコの背中に乗って走り回ってる。
ティーニャが乗れるサイズの動物って逆に珍しいからなぁ。馬なんかに乗ってもくっついてるだけみたいな感じだしな。丁度いいサイズのヒヨコを乗り回して楽しそうだ。
「くぅ~ん・・・」
「ん?君も混ざりたいの?おいでおいで。もふもふはいくらでも大歓迎だよ~」
「わふっ!」
広場に集い、まったりとくつろぐ俺達を遠巻きにうらやましそうに眺めていたワンちゃんをおいでおいでしてこすりつけてきた頭をなでなでしてしてあげる。
おぅおぅ。かわええのう・・・何もしてなくてももふもふが向こうからやってくる生活・・・最高か!やはりここは天国だった・・・(確信)
「コーン・・・」
「チゥ・・・」
「ガァ・・・」
「きゅぅ・・・」
「キツネちゃんも、リスちゃんも、ライオンちゃんも、ウサギちゃんも皆おいで~。皆で仲良くお昼寝しよ?」
ワンちゃんをもふもふの仲間に入れてやると、今まで遠くから様子を見ていたっぽいもふもふ達が次々に顔を出してきた。
ああもう!ちょっと不安そうに、でも隠し切れない期待を忍ばせて恐る恐る近づいてくるもふもふ達もかわEEEEEEEE!
はぁはぁ。この子達は俺をキュン死させに来た運営の刺客に違いない!たがもふもふの手にかかるのならば俺の生涯には一遍の悔いも無いぜ・・・
「コン!」
「チゥ!」
「ガゥ!」
「きゅぅ!」
「なでなでしてあげるからおいで~」
喜色満面な笑顔を浮かべて駆け寄ってきたもふもふ達を順番にもふもふする。
キツネちゃんの黄金の背中をふかふかして~。リスちゃんの栗色のしっぽに指をスポスポして~。ライオンちゃんの金のたてがみをタプタプしてから耳の後ろをカイカイして~。ウサギちゃんの金ぴかのお耳をふかふかする~。ん~。きもちぃぃ。手が幸せ~。はふん・・・手から伝わる快感で全身が蕩ける・・・
『緑の扉”鬼ごっこ”クリアおめでとう!』
『うらやましいよーーーーーーーー!!!』
「うわっ!?なんだ!?」
「きゅい!!?」
「~~~~!?」
突然エリア全体に響き渡った怨嗟の声で思わずアルパカちゃんの背中から飛び起きた。
それは俺だけでは無く、思い思いの恰好でお昼寝をしていたもふもふ達も突然の雄たけびにビックリして飛び起きてる。
『いや、まぁ。当初予想してたクリア方法とは全く違うんだが、クリア条件である”黄金の兎”への接触は達成したからクリアだな。うん。まぁ、あの人らしい達成方法ではあったよな』
『ユウ君ばっかりズルいよーーーーー!!ボーパルちゃんに続きこんなにいっぱいのもふもふまで集めて!!もういい!私もそっち行くもん!』
『おい、俺が折角名前を伏せた配慮を一瞬で台無しにするんじゃねえ』
『やめて!離して!ちょっとログインするだけだから!もふもふと戯れて気力回復してくるだけだから!仕事なんてしてられるかーーーー!!』
『お~いメト、キャラ壊れてるぞ~、っと。伝える事は伝えたし、メトも発狂したからこれで帰るぜ。一応言っておくと今解放されている文字数は今のを合わせて3つだな。この調子で頑張ってくれ。じゃあな』
『もふもふーーーーーーー!!』
「あ、あぁ・・・・」
「きゅぃ・・・」
「~~~・・・」
テトとメトの声がぶつっと途切れたが、今の俺にはそんな事を考えている精神的余裕はない。
その理由は目の前に広がる閑散とした広場が全てを物語っていた。
メトの魂から響くような叫びを聞いたもふもふ達は驚いてバラバラに走り去ってしまったのだ。
ステータスが元のままなら追いつけたかもしれないし、ノゾミ辺りを召喚して歌ってもらえばリラックス効果も期待できたかもしれないが、今の俺はステータスはザコいし、スキルは使えない。
逃げ去るもふもふ達を止めるすべは・・・無い。
「め・・・メト許すまじぃぃぃぃぃぃ!!」
次にメトに会ったらボーパルロケットからのボーパル達もふもふ禁止令の発令をしてやる!
くそぅ!くそぅ・・・!俺の天国がぁ・・・!!!ちくしょう・・・!!
こうなったら・・・速効で全ミニゲームをクリアして運営放送を全て封じた上でこのエリアのもふもふを全て集めてみせるとも!
もふもふ王に俺はなる!!2人とも俺に続けぇぇぇぇぇ!!
「きゅい!!」
「~~~!」
もふもふ!
誤字脱字ありましたら感想の方へお願いします。
メトへの ヘイトが 100上がった
鬼ごっこ・・・あれ、おかしいなぁ。鬼ごっこが・・・あれぇ?
ユウさん一ミリも走らずにクリアしちゃったよ?本気で鬼ごっこに挑戦している人達用のグリフォンとかまで確保してただだらけていただけのユウが正解だなんてこの世界は間違っている!ポイズン!
そして幸福状態だったユウの邪魔をメトがした所為でユウのエンジンに火が付いた!白銀ちゃん戦でも基本傍観しかしてなかったユウが本気を出すぞー!
逃げろカジノ!ユウのLuckはヤバイぞ!一発勝負でこのパーティメンバーを引き当てるからな!特にボーパル!
逃げろ宇宙人!ZAP銃を手にしたボーパルとの射撃戦とかマジ無理だから!
逃げて闘技場!もはや語る必要も無く逃げてぇええ!
いや、まぁ。次どこに行くかは決めてないんだけどね。何がいっかな~。投票とかしたら規制に引っかかるからしないけどね。時間も無いし。今日中にもう一話書き終わればいいんだけど・・・ニコニ〇ワイドショー見たい・・・




