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170匹目 VS”白銀”の航空魔導兎

いやぁ、ガノンさんは強敵でしたね~。3回ほど死にかけましたわ~。


・・・第二形態よりも第一形態の方がつよゲフンゲフン。


 

 ネームドモンスター 白銀の航空魔導兎 Lv39

 状態 アクティブ カリスマ 飛行 バリア 


 モンスター 航空魔導兎 Lv37

 状態 アクティブ 忠誠 飛行 バリア 


 モンスター 航空魔導兎 Lv36

 状態 アクティブ 忠誠 飛行 バリア 


 モンスター 航空魔導兎 Lv36

 状態 アクティブ 忠誠 飛行 バリア 


 モンスター 航空魔導兎 Lv34

 状態 アクティブ 忠誠 飛行 バリア 


「アイギス!」

「メェエエ!!」


 アイギスが俺の叫びに呼応するように雄たけびを上げながら地を蹴って全力で離脱を図る。

 だが、その意図は勿論逃走では無い。むしろ真逆。囮役だ。

 なにせ、航空魔道兎とやらが見せた爆撃はマズイ。

 上を取られているだけでもそれなりに不利だが、まぁ、それだけならいくらかやりようはある。

 相手の攻撃が点や線ならば避ける事も難しく無いだろうし、こっちには避雷針(アイギス)もいるからな。

 だが、航空魔道兎の攻撃は点や線どころか面を通り越して球だ。爆心地の前後左右どころか上にいても食らってしまう。初撃は辛うじてボーパル達の迎撃と誘爆で処理出来たけど、射撃のタイミングをずらされたり散開されたら、全てを落としきれずに一発ぐらい直撃するかもしれない。

 その場合まず間違いなく爆発の余波でティーニャが落ちる。下手したら俺も落ちる。そうしたら全滅だ。


 一発でも抜ければ敵の勝ちという状況で防衛線とかマジ無理だから。普通に死ぬから。


 だから仕方が無い。信頼の置ける(アイギス)を即座に俺を庇える位置から動かすのは怖いが、近くに置いていても爆発に巻き込まれて死ぬだけだからな。

 これで兎達がアイギスの方に釣れれば、ボーパル達が迎撃だけじゃなく攻撃も出来るようになる。むしろ釣れてくれなきゃ何も始まらないまである。


 釣れろよ~。釣れろ釣れろ釣れろ!


「メェエエエ!!」

「「「「きゅい!!」」」」


「よっし!釣れた!」


 空中で陣形を組んだ兎達が構えているオモチャみたいなライフルの銃口が走り出したアイギスを追って俺達から逸れていく。

 よし。これでボーパルやミズキがフリーになった。後は1羽ずつ撃ち落すなり、蹴り落とすなりすれば終了―――


「きゅぅいぃ!!!」


 ドォオオン!


「なっ?」

「「「「きゅい!?」」」」


 どうやらそう簡単にはいかせてくれないらしい。

 航空魔道兎達を従えるように先頭を飛んでいたネームドモンスター。”白銀”


 銀の毛並みを棚引かせ、左胸に不釣合いな程大きな勲章を付けた白銀が、いきなり空中に向けて魔法を爆発させた。

 至近距離で爆発した魔法の余波と爆音で近くを飛んでいた航空魔道兎達が若干ふらついているのが見える。


 今のは……まさか気付けか?随分とバイオレンスな手法だが……効果はあったみたいだな。さっきまでアイギスしか目に無かった航空魔道兎達に、白銀の言う事を聞ける程度の正気が戻ってしまっている。


 ちっ、厄介な。あれか。カリスマの効果かな?味方の扇動なんていかにもそれっぽいじゃないか。

 それにしても、白銀はアイギスの挑発が効いてなかったのか?流石はネームドモンスター。精神系状態異常の耐性はバッチリってか?

 もしくは、常日頃から精神汚染をくらってて耐性が付いてるとか。そうだとしたらこの先に進みたくないな。洗脳使いとか絶対に戦いたくない。特に精神が低めのボーパルやアイギスが乗っ取られた場合死ぬ未来しか見えない。

 ……もうちょっと精神にもステータス振ることにしよう。そうしよう。


「きゅい!」

「「「「きゅい!!」」」」


 だが、今は未来の事より現在の事だ。

 すっかり統率を取り戻したらしい航空魔導兎達が再び隊列を組んで地べたを這いずる俺達を撃ち殺さんと銃口を向けている。

 今からティーニャを掴んで走ったところで空からの射撃をかわしきる事は出来ないだろう。

 アイギスを盾にしようにも、全力で俺たちのもとから離脱していたアイギスはまだ戻ってきていないし、戻ってきたとしても兎達のヘイトを集められるかは半々って所だ。

 少なくともあの一番強そうな白銀は間違いなく俺かティーニャを狙撃してくることだろう。そうなればおしまいだ。


 ……そうなれば(・・・・・)、な。


「ホー!」


「「「「「きゅい!?」」」」」


 航空魔道兎の全員が隊列を組んで地面に立つ俺らを狙っている。つまりは全員が同じ方向のみを向いている航空魔道兎達の背後に音も無く接近していたミズキの目が煌き、直後航空兎達の動きから精彩さが欠け、銃口がぶれた。

 麻痺の魔眼。大量のMPと引き換えに、有視界内の全ての生物に麻痺を付与するミズキのとっておき。

 麻痺の効果は全体的な行動阻害だ。長時間正座をし続けた足の様にプルプルして力の入らない感覚が全身に発生する。

 近接戦では武器を持つ手に力が入らず、魔法を使おうにも舌が痺れて詠唱が失敗しやすくなる厄介な状態異常だ。


 だが、麻痺は厄介な状態異常ではあるが、決定打になるわけでは無い。

 実際に白銀を含む航空魔道兎達も銃口がぶれて飛行の安定度が落ちているとしても、墜落したわけでもライフルを落とした訳でもない。

 戦闘も逃走も可能だろう。


 もし、ミズキが一羽で空を駆けていたのならば。


「ホー!」

「きゅい!!」


 今の今までミズキの背にしがみ付いて運んでもらっていた1つの影がミズキを足場に高く高く跳び、航空魔道兎達の上を取る。


 ……航空魔道兎達の何が悪かったかをあえて挙げるとするならば、優先順位の決め方だろう。

 自由に空を跳べる彼らにとって近接戦しか出来ないような相手は的でしかなく、警戒すべきは長距離超威力の魔法使いだ。

 故に、相手の魔力をある程度感じ取れる彼らはティーニャを最も警戒し、次点でユウとミズキを警戒していた。


 その判断はある意味で正しく、ある意味で間違っていた。


 その判断があったからこそ、航空魔道兎達は眼下にミズキの姿が確認出来なかった時点で最大限警戒し、不意打ちの魔眼を受けても歯を食いしばって耐える事が出来た。

 その判断があったからこそ、航空魔道兎達は最大の脅威が誰であるかを見誤り、麻痺の魔眼に耐え切った事で、少し。ほんの少しだけ気を緩めてしまった。


「きゅい!」


 戦場で、その最前線の鉄火場で、敵を前にして気を緩める。

 その愚かな行為の代償は、ボーパルの最接近という形で払われる事となった。


もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。


真面目に戦闘している・・・だとぉ!?

これが白銀パゥワーか・・・恐るべし・・・


次回決着!・・・するかなぁ・・・?したらいいなぁ・・・


もしかしたら、無能な部下を持って内心ぶち切れまくっている白銀ちゃん視点もあるかも。

もしかしたらね。

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