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156匹目 決着

ふはは!今日も更新だ!全員異常気象に苦しむが良い!

あ、ちなみに山は晴れてました。やったね。

「さて、ボーパルの所に向かうにしても、この足場じゃ大変だな……」

「ホー」


 右手に飛べないフクロウであるミズキを乗せて、左手でフィアちゃんを支えながら爆心地であるエルダートレントの中心付近へと向かう。

 飛べないフクロウはただのミズキだ……元ネタ的には飛()ないフクロウは~、の方が正しいのかもしれんがどうでもいいとして、ミズキはもふもふだなぁ。

 ふっふっふ~。飛べないミズキは俺の手から逃げる事ができない!つまりは俺がミズキの胸毛に顔をすりすりするのを受け入れるしかないって事よ!

 ここか~、ここがええのんか~。ふもふも、ふもっふ!


「……うぅん」

「おっとっと、あぶないあぶない」


 葉っぱから葉っぱへぴょんぴょんと。イタズラ笑顔で心ぴょんぴょん、もふもふさせながら移動してると、着地の瞬間にフィアちゃんが身じろぎして危うくバランスを崩しそうになった。

 葉っぱの上じゃなくて枝を歩けばまだマシなのかもしれないが、折角登ったのにまた葉っぱの下には入りたくない。

 仕方がないので、フィアちゃんの背中に回して支えていた左手をウサギしっぽがちょこんと生えているかわいいお尻にあてがって、ミズキが乗っている右手をミズキごとフィアちゃんの背中に回して支える事にする。


 支えないと落ちそうだからね。仕方ないね。

 という事で、不可抗力なので牢屋送りは勘弁してつかぁさい!


「きゅいきゅいきゅいー!!」


「お、近いな」

「ホー」


 心の中でここに居ない誰かに弁明しつつ、女の子を1人抱えているとは思えない軽快さで、ぴょんぴょこと跳ねながら進んでいると、ボーパルの声とエルダートレントのHPバーが近くなってきた。何処が中心なのか分かりやすいな。

 ……ふと思ったんだが、あそこから真下に巨大ドリルで掘り進んだらこのボスを簡単に倒せるんじゃなかろうか……いや、止めよう。思考がレン君やミヤヒナに近くなってる気がする。俺までマイホームを巨大ロボに変形させようと考え始めたら悲惨な未来しか見えない。

 でも、ドリルはやっぱり男のロマンだよな。あとパイルバンカー。レン君達も俺の家じゃなくて自分の家に細工すればいいのに……

 ……むしろしてない訳が無いか。地下に秘密基地があるどころか、スイッチ1つで屋根がパカっと割れて中からロケットがぶっ飛ぶぐらいはしてそうだな。

 レン君たち生産3娘の技術力は開発(テト)も驚いてたもん。明らかに材料が足りないはずなのに、代替品の代替品の代替品を使って結果的に同じ効果を作り出したりとか。

 人生楽しそうなレン君達を見てると俺も生産をやってみたい気もするけど、俺には新たなもふもふを探し出す使命があるからなぁ……


 ただ、リアさんは何が楽しいのかあんまり理解できない。大勢の生産職や、プレイヤー。アイテムの情報を集めて、整理して、適切に割り振る事が楽しいらしいけど面倒なだけじゃね?いや、助かってるけども。

 複雑なパズルをやってるイメージなのかね?もしくは、引っこ抜かれて、戦って、食べられる。ピクピクした生き物のゲームとか。あれもマルチタスクをなるべく効率的にこなす為に作戦を考えるのが楽しいゲームだよな。

 でも、あのゲームなら大好きだけど、リアさんがやってるのはどうしても”仕事”っぽいイメージが強くてなぁ……わざわざゲームの中で働かなくても……って思っちゃう。いや、依頼を受けて薬草を摘んでくるのも普通に仕事だけども。こう、ベクトルが微妙に違うんだよなぁ……


「ホー!」

「お、この下か。お~いボーパル~生きてるか~?」

「きゅい~!」


 どんな勢いで攻撃したのか、一部だけ葉っぱが吹き飛び、枝が折れてるエルダートレントの頭頂部。

 陥没したように空洞になっているそこを覗き込むと、落ちた葉っぱが引っかかり鳥の巣のようになっている中で、殴る蹴る齧る引きちぎると暴虐の限りを尽くしているボーパルがいた。


 ボーパルの小さな体がブレる度に、少し離れた所にいる俺達の所にまで衝撃が響き、エルダートレントのHPバーが数ドットだが確かに削れる。


 反撃も、逃走も出来ない相手を徹底的に殴るだけの簡単なお仕事です。

 俺もお手伝いするか。休憩して微妙に回復したMPを全て搾り取って炎の矢を出せるだけ出して、なるべく遠くに放火する。

 燃えろよ燃えろ~。炎よ燃えろ~っとね。


「きゅぃ~」


 一通りコンボが終わったのか、葉っぱの上にペタンとお尻をついたボーパルが、いい汗かいたわ~って感じで額を拭ってる。

 ウサギって、額に汗かいたっけ……?いや、やっぱりなんでも無い。突っ込んではいけない気配がする。


「ホーホー!」

「ん?……あぁ。雷はやめてよ?」


「ホー!」


 ミズキが仲間になりたそうにこちらを見ている。仲間にしますか? はい/いえす


 というわけで、ミズキを装備している右手を翳すと左右不揃いな翼を広げたミズキから風の刃が無数に飛んでいき、残り1割を切っているエルダートレントのHPをガリガリと削っていく。


「きゅい!」


 それを見たボーパルも負けじと攻撃を再開し、残っていたエルダートレントのHPを最後の1欠片まで消し飛ばした。


 いやあ、エルダートレントは強敵でしたね。でも最後は割りとあっけなかったな。下にいるイナリとアイギスは地獄を見てるかもしれないけど、結局対頭上攻撃はしてこなかったな。

 まぁ、確かに頭上にまで弾幕張られたら難易度高すぎるわな。次戦う時は最初から頭上を取ってれば完封出来るんじゃね?まぁ、味方から締め付けダメージを喰らわなきゃだけど。


「……ぅんん……ここは……?」

「あ、フィアちゃんおはよ~。丁度今終わったところだよ~」


 バッチリなタイミングでフィアちゃんが目を覚ましたな。いや、ボスがやられたて戦闘が終了したから状態異常が解除されたのかもな。

 フィアちゃんの相手もしてあげたい所だが、今はエルダートレントのドロップアイテムの方が気になる。

 エルダートレントは100回倒してまで欲しくはないし、木材は欲しい。新しい杖や家具の材料になるし、レン君も喜ぶだろうからな。


「……あぁ。じゃあやっと降りられるんですね。今日ほど地面が恋しいと思った日はありません」

「そうだな。エルダートレントをドロップアイテムにしたらエルダートレントを伝って降り……」


 あれ?なんか自分で言ってて違和感が……?

 だが、俺が感じた違和感が形になる前に、俺が取り出していた解体用のナイフは俺たちが足場にしている葉っぱに突き刺さり……


 ”ぽふん”と腑抜けた音と共に全てが夢幻であったように消えうせた。




もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。


・・・ところで、前書きとか前回の後書きとは全く関係ないんだけど、今日地震速報多くなかった・・・?テトメトは3回ぐらい見た気がするんだけど・・・

うん!気のせいだよね!俺は悪くねぇ!

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