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146匹目 ペロペロ

おひさしぶりです。テトメトです。

牧場の方が一区切りついたので更新再開します。

あと今回長いです。倍くらい。

 

「……いきます」

「がんばれー」

「きゅい~」


 フィアちゃんが横へ薙ぐ様に腕を振るうと、その細腕からは考えられない程の力がフィアちゃんの腕から鎖に繋がり、その先の鉄球へと届き、”破壊する”という単純明快な存在理由を果たすために敵へと突撃する。


「「「コン!!」」」


 しかし、対する敵もただで攻撃を受けてやるほど甘い相手ではない。

 野生の本能か、そういうスキルを持っているのか、フィアちゃんが動き出したその時には既に退避行動に入っており、フィアちゃんを中心に円を描くように迫る鉄球の攻撃範囲からギリギリ外れている。


「―――ッ!」

「「「コン!?」」」


 だが、自分より器用値の高い相手の攻撃をかわすのにギリギリで避けるようではダメだ。

 フィアちゃんがやったことは単純。鉄球の重さに引っ張られるように一歩踏み出しただけ。

 それだけでギリギリかわせる間合いは、死の暴虐の内側に飲み込まれる。


 1匹目のキツネちゃんは細長い顔を鉄球のトゲの部分でぶん殴られて切りもみしながら吹き飛んだ。

 2匹目のキツネちゃんはとっさにガードしようと展開したキツネしっぽごと、鉄球の質量と勢いで叩き伏せられた。

 3匹目のキツネちゃんは地面にバウンドし、跳ね上げる様に軌道を変えられた鉄球にバックステップで回避をしている体を下からかち上げられ宙を舞った。


 ……うん。何となく分かってたけどフィアちゃん俺より強いよね?

 恐るべきは器用値特化キャラの実力か……幻惑で本体の位置を若干ズラすとかいう小細工を一切気にせず叩き潰してる。

 攻撃が外れないってヤバイな。一撃の破壊力に特化している武器との相性が良すぎる。

 初めてトゲトゲ鉄球を装備した俺でもあれだけ扱えたんだ。昔から使っているフィアちゃんの実力は推して知るべしだよな。


 ……これもう。俺、要らないんじゃないかな……


 ま、まぁ?鉄球の構造上得意な距離は中距離だし?遠距離から攻撃されたり、間合いの内側に入られたり、攻撃したあとの隙も大きいから護衛は必須だし?

 アイギスやボーパルは必要だよね?それにこの2匹なら横なぎに振るった鉄球の鎖の位置よりもちっこいから間合いの内側に入っていても邪魔にならないしな。もしフレンドリーファイヤしそうになっても、受け止めるか避けるか出来るだろうし。


 ……あれ?やっぱり俺は要らないんじゃ……


「きゅい!」

「~~~!」

「コーン!」

「メェエ」


 俺が今から器用値を上げるべきか悩んでいる間に頼れる仲間達がキツネちゃん達を蹴り飛ばして、消し飛ばして、焼き尽くしていた。

 当然の様に近くにいたアイギスごと。

 まぁ、アイギスの方も既に慣れたもので、平然と歩いて戻ってきてるんだがな。慣れって怖いね。


 《召喚モンスター:イナリがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》


 イナリ 妖狐

  Lv25 → 26

  体力12

  筋力11

  敏捷36

  器用15

  魔力40 → 42

  精神15 → 16


 スキル

 爪術 火魔法 狐火 幻術 並列詠唱 幻惑無効 物理耐性 火属性耐性 混乱耐性 隠形 夜目 防御 回避 暗殺


「……やりました。フィアもちゃんと戦えました。これはご褒美にボーパルちゃんをもふもふしなくてはいけませんね」

「きゅい~」


 はっ!俺がキツネちゃんから毛皮を剥ぎ取ってる間にフィアちゃんとボーパルがもふもふしてる!


 ばんざいの形で持ち上げられたボーパルのもふもふのお腹に、フィアちゃんが自分の顔を突っ込んで、ヒシッとフィアちゃんの顔に抱きついたボーパルを、抱きしめ返しながら頬ずりしてる!


 ボーパルのお腹はふわふわもこもこできもちいからなぁ~。ボーパルをひっくり返して片手でもしゃもしゃするのが楽しいんだよ~。そのふわもこなお腹に頬ずりだと!うらやましい!ボーパルの体からちょこっと見えてるフィアちゃんの顔がえへへ~って感じにだらけてるのが、かわいいから交代してって言えないけども!


「むぅ……もふもふにはもふもふで対抗するしかない!ヘイ!イナリカモン!」

「コーン!」


 遊ぶ?遊ぶの?遊ぼう!


 って感じでしっぽをふっさふっさしながら近づいてきたイナリが鼻先で俺のお腹をつんつんしてくるので、そのままイナリの顔を捕まえて撫でくりまわしてやった。

 ほっぺたを両手で挟んでうりうりとこね回した後びろ~んと伸ばす。お~、よく伸びるなぁ。


「コ~ン……」

「あぁ、もう!かわいい!」


 俺にほっぺをもてあそばれているイナリが、変わらずしっぽをふりふりしながら、ちょっと困ったような目で俺を見てくるものだから、かわいいメーターが振り切れた俺はイナリのおでこにキスをするように抱きついた。


「イナリはもふもふでかわいいなぁ~」

「コーン!」


 イナリの頭に頬ずりしながら、伸ばした両手でイナリの肩の辺りをわしゃわしゃともふりまわす。

 ついでに俺の顔の目の前にピクピクと動くキツネミミがあったので、はむはむと口に含みながら、ふっと息を吹きかけてやった。

 イナリのキツネミミは俺が息を吹きかけるたびにピクンッ!と反応し、お返しのつもりなのか、むき出しになっている俺の鎖骨あたりをぺろぺろと舐めてくる。


「ちょっ、イナリ。くすぐったい!あはっ!」

「コーン!」


 激しく撫で回せれてテンションが上がってきたのか、嬉しそうにしっぽを振り回しているイナリは俺の首周りを余すところ無く舐め回すと、重なり合う着物の襟元の内側まで舐めようと顔を突っ込んでくる。

 くすぐったくてへにゃへにゃになっている俺はグイグイと来るイナリを受け止めきれず、尻餅をついて倒れてしまった。

 それで、今度は丁度舐めやすいところにきた俺の顔をイナリが楽しそうに舐めまわしてくる。

 もう、舐められることは諦めた俺は、興奮が堪えきれないように、タシタシとその場で足踏みを繰り返しているイナリの右足を掴んで、そのままイナリの肉球をぷにぷにして遊びながら舐められるに任せる。


 ふふん。これだけイナリとのラブラブ具合を見せられればフィアちゃんもきっと羨ましそうにしているはず。


「なん……だと……?」


 しかし、宙を舞うハートマークが幻視できそうなイナリにほっぺたを舐め回されながらフィアちゃんの方を見た俺の目に写ったのは予想とは違う光景だった。

 て、ちょっとイナリ!目は舐めないで!前が見えなくなっちゃうから!


「……えへへ。2人ともかわいくて大好きです。頑張った2人にもご褒美が必要ですね」

「きゅい!」

「~~!!」


 そこにはフィアちゃんが人差し指に付けたハチミツっぽい何かをペロペロと舐めているボーパルとティーニャがいた。

 フィアちゃんが右手をスススッと右に動かすと、フィアちゃんの指を咥えているボーパルもつられてふらふらと右に移動する。フィアちゃんが指を上に持っていくとボーパルもグーンと背伸びをして指を追いかける。フィアちゃんがもっと指を持ち上げると、ボーパルもググーンとつま先立ちになって追いかける。フィアちゃんがもっともっと指を持ち上げると、ついに口が届かなくなったボーパルがふらふらと不安定な体勢で両手をぴこぴこと振りながら頑張ってちっちゃな舌を伸ばしてフィアちゃんの指を舐めようとしてる。


 なんだあのかわいい生き物は。抱きしめたい。ぎゅ~ってして、すりすりして、もふもふしたい!


 それはフィアちゃんも一緒だったらしく、ボーパルの愛らしい仕草に、キュンっと、恋する乙女みたいな表情をしたかと思うと、デレデレに崩れた乙女が見せてはいけないような表情でボーパルの口元へと人差し指を持っていき、ちゅぱちゅぱペロペロとボーパルがフィアちゃんの指を舐める様子を楽しそうに見つめている。


 ティーニャはフィアちゃんが差し出したハチミツがついた指に文字通り飛びついて、コアラのようにフィアちゃんの指に抱きついて、ぺろぺろと一心不乱にフィアちゃんの指を舐めてる。

 当然抱きついている腕も服も顔をハチミツでベタベタになっているが、一切気にせず。満面の笑みでフィアちゃんの指にしゃぶりついている。

 これにはフィアちゃんも苦笑いでベタベタに汚れるティーニャを見ていたが、小さな手足でぎゅっと抱きついてくる感触と、小さな舌が自分の指を這うチロチロとした感触がくすぐったかったのかすぐに口元に笑みが戻った。

 自分を見て微笑んでいるフィアちゃんに気づいたティーニャが、ふわりとフィアちゃんの指から飛び立ち、ハチミツに塗れた顔で不思議そうにフィアちゃんの顔を覗き込むと、フィアちゃんは満面の笑顔になって。ティーニャのほっぺをツンツンと突いてクスクスと笑っていた。

 なんだか良くわからないけど、楽しそうだしまぁいっか。って感じでまたハチミツをペロペロする作業に戻ったティーニャを手のかかる娘を見る母親の様な顔でフィアちゃんが見つめていた。


 くっ、まさかイナリのペロペロ攻撃に合わせてうちの2大ちみっこズによるペロペロ攻撃を合わせてくるとは……!フィアちゃん……できる!


 まぁ、俺も何回か同じことしたけどね。ちみっこ達をみてるとついつい餌付けしたくなっちゃうんだよねぇ。ゲームだと太らないから大丈夫!おやつ代は嵩むけど!


 むぅ。俺もフィアちゃんの所にいってハチミツを貰ってきたい気もするけど、完全に押し倒される格好で俺の胸の上に伏せたイナリが俺の右腕を押さえ込んでペロペロと舐めまわっている上に、いつの間にかアイギスが俺の膝枕で寝てるから身動きが取れん……

 せいぜい左手でイナリの背中を撫で回すことしかできん。もふもふで気持ちいから別にいいけど、俺の腕はペロペロキャンディーじゃ無いんだぞ~。


「……ユウさん」

「ん?フィアちゃん?どったの?助けてくれるの?」


 どうしたもんかな~と、イナリの背中を撫で回しながら思案してると頭の上から声が響いた。

 ちょっと首を持ち上げて上の方を見たらパンツが見えそうで見えない微妙な位置に立ってこちらを見下ろしているフィアちゃんがいた。

 ハチミツが無くなったのかな?俺もハチミツは持ってないんだけどな。


 あと、フィアちゃんと一緒に近づいてきたボーパルが空いていた俺の左手を押さえて舐め回し始めて、ティーニャが身動きの取れない俺の顔に乗っかって遊び始めた。

 ちょっと、ティーニャさん。鼻に跨って座るのはいいけど、まつげ引っ張るのはやめて!取れちゃうから!やるならアイギスにして!


「……ボーパルちゃんとティーニャちゃんをフィアにください」

「ダメです」


 急にシリアスな声になって何を言い出すのかねこの子は。

 こちとら、キツネとウサギに両腕を捕らえて舐めまわされ、ヤギに強制膝枕でお昼寝され、天使に顔にイタズラされてるっていうのに。


「……むぅ。やっぱりダメですか……」

「いや、火力ツートップを引き抜かれたらそりゃ困るでしょ。そもそも召喚主である俺から一定距離離れたらボーパル達は消えちゃうし」


 火力が無くてもあげないけどね。貸すならともかく。


「というわけで、ボーパル達が欲しかったらもれなく俺もセットで付いてきます。お得!」

「……ユウさんが付いてくるんですか……うーん……」


 腕を組んでうんうん。と唸るフィアちゃん。うーんうーんと唸るフィアちゃん。うーうーと唸るフィアちゃん。


「……いや、そんな本気で悩まれたら流石の俺でもちょっと傷つくんですが……」


 俺が付いてくるのはそんなに嫌ですかそうですか。


「……ふふっ。冗談です。これからもフィアと仲良くしてください」

「フィアちゃんの冗談は分かりにくいんだよ……まったく。俺もフィアちゃんの事大好きだし。これからもよろしくな。嫌われてたら泣くよ、俺」

「きゅいー!」

「zzz」

「~~!」

「コーン!」


 俺のセリフに合わせて、ボーパル達も顔を上げてフィアちゃん方を見る(約1匹寝てるけど)みんな思いは同じだな。


「……はい。フィアもボーパルちゃん達の事が大好きです……ついでにユウさんも」

「フィアちゃんはやっぱり俺の事をボーパル達の付属品か何かだと思ってない!?」


 またはボーパル達の召喚機とか。サモナーの価値はそんなもんなのかもしれないけど、それでもへこむよ!?


「……冗談です。ちゃんとユウさんの事も大好きですよ。今ここにフィアがいるのはあなたのおかげです。ありがとうございます」

「お、おう。なんか照れるな……」


「……あなたが言わせたんじゃないですか……もう言いませんからね」

「えー?」

「きゅい~!」

「~~~!」

「コ~~ン!」


 言った時は真顔だったのに、言ってから恥ずかしくなったのかリンゴの様に頬を染めて照れているフィアちゃんをにやにや見てたら、あたちも大好きー!と言わんばかりにボーパルがフィアちゃんの胸へと飛び込み、ボーパルに続けとばかりにティーニャもフィアちゃんに抱きつき、なんか楽しそうだからつづけ~!って感じでイナリもフィアちゃんに飛び掛った。

 ……俺を踏み台にして。


「ドムッ!」

「……きゃっ!……もう。急にとびかかったら危ないですよ?」

「きゅい~」

「~~!!」

「コーン!」


 は、腹が……ぐふっ。な、なんか色々はみ出そう……


 というかイナリさん。しっぽが。俺の頭のちょっと上で座っている所為でもふもふのしっぽ様が俺の顔に乗っかってるんですが……


 大変結構なおしっぽ様ですね!もふもふ。


「……ユウさんはいつまでそこで寝ているつもりなんですか。ボスも倒しましたし早く先に進みますよ」

「いや、元はと言えばフィアちゃんがボーパルをモフり始めたから……いや、なんでもない。んじゃ、行こうか」


「きゅい!」

「メェエ?」

「~~!」

「コーン!」


「……はい。早くユニコーンの角を持ち帰って姉さんを治してあげないと……」

「……あっ」


 やべぇ。そういえばそんな理由で探索してるんだった。色々あって目的を忘れてフィアちゃんとピクニックしているつもりになってたぜ。うっかりうっかり。


「……ユウさん……」

「いやいや、ははは。忘れるわけ無いじゃないですかー。あー早く角モチカエラナイトー」


「……はぁ。まぁいいです。はい、捕まってください」

「お、ありがとう」


 ちょっと屈んだフィアちゃんがさし伸ばしてくれた手を掴むと、ひょいと一本釣りの様に釣り上げられ立たされる。


「……さぁ、行きますよ。まだまだ先は長いんですから」

「そうだね~」

「きゅい~!」


 ボーパルを片手で抱えたままのフィアちゃんが肩にティーニャを乗せてずんずんと先へ進んでいく。キツネちゃん相手に戦えたことで自信がついたのかね?

 もうこれ誰がリーダーか分かんないな。というか完全にフィアちゃんがトップです。本当にありがとうございます。




 ……ところで、フィアちゃんが俺を引っ張りあげたまま離すのを忘れていると思われるこの右手は指摘したほうがいいんだろうか……


 いや、フィアちゃんから繋いできたんだしね。しょうがないよね。


もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想の方へお願いします。


この間、幼女力チェッカーという謎のサイトを見つけました。

何という単語で検索したのかは触れちゃダメだぞ。


ボーパルの幼女力 -1000

幼女じゃなくてウサギだからね。仕方ないね。


ユウの幼女力 35 

ユウは幼女の見た目をした幼男だからね。当然だね。


テトメトの幼女力 99

おしい。後一歩で完璧で幸福な幼女だったのに。


フィアの幼女力 1000000 

さすが本物は桁が違った。

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