137匹目 森デート
今回後書きで重大発表!書籍化じゃないよ!
「……フィアも一緒に連れて行ってください」
「……ふぇ?」
え~と?連れて行けとは森の第四層へって事だよな?んな無茶な……
「えーと、フィアちゃん?自分が何を言ってるのか分かってる?森だよ?第四層だよ?足場も視界も悪いし、敵も強いんだよ?分かってる?」
「……分かってます。フィアが足手まといにしかならない事は。それでも連れて行ってください。フィアの所為で姉さんがこんな事になっているのに、後始末をあなたに任せて待っているだけなんて耐えられません」
あ、あのフィアちゃんが長文を喋ってる……。
じゃなくって、確かに石になったエルと2人っきりでアトリエで待つって嫌だな。こう……圧迫感というか、存在感が……
「んー、じゃあ連れて行く前にちょっと確認してもいい?」
「……はい。なんでも聞いてください」
「ん?、今なんでもって……じゃなくって、えーと、モンスターの攻撃を受けたらHPが減るよな?」
「……?そうですね」
「HPが0になったらどうなる?」
「……??噴水前に転移します。姉さんの話ではお金が減るらしいですが、理由は分かりません」
「なるほど……分かった。ありがとう」
「……???」
キョトンと目を瞬かせて不思議そうに小首を傾げるフィアちゃんかわゆす。
じゃなくって、俺が確認したかったのはNPCが死んだらどうなるのか?だ。
プレイヤーは死んでも復活するが、NPCであるフィアちゃん達もそうとは限らないからな。フィアちゃんは死んだからロストしました。とか笑えない。艦隊と違ってもう1回建造すればいいというわけにはいかないからな。
「ところでフィアちゃんはエリアボスを倒したりはしてないよね?倒してないなら、第一層から順番にボスを倒していかないといけないんだけど……」
「……すみません。フィアはこのアトリエから出ること自体が殆どないので……」
「いや、今更エリアボスを1回倒すぐらいは別にいいんだけど、それだけ時間がかかるよ?ってこと」
「……構いません。時間はあります。それに、ユニコーンは清らかな乙女のもとに現れると聞きます。フィアを連れて行く価値はあるはずです」
自分で清らかな乙女とか言っちゃうのか……
まぁ、そんなに行きたいなら連れていけばいいか。最悪死んでも戻るだけだしね。問題なし。
「うしっ!じゃあ一緒に行こうか。森デートだね!」
「……デートじゃないです。採取です……ありがとうございます」
「いいって、いいって。偶には誰かとパーティを組むのもいいしね。んじゃ、今から準備をして、30分後ぐらいにもいっかいアトリエに集合ってことで」
「……フィアの準備はカゴに爆弾と薬を詰めるだけです。今すぐ出発でも構いません」
「いや、お腹空いたから先にご飯食べてくる」
「……そうですか。分かりました。準備して待ってます」
うん。正直1回空腹を感じてからめっちゃお腹減ってたんだよね。
「あ、それと、フィアちゃんさっき、カゴに爆弾と薬を詰めるだけで準備が出来るって言ってたけど、服はそのままで行くつもりなの?」
「……ダメでしょうか……」
今フィアちゃんが着ているのは、俺が初めてフィアちゃんと会ったときに着ていた黒っぽいワンピースだな。膝から下が丸見えで、とても今から森へ探索に行こうと言う服には見えない。
まぁ、ミニスカ着物を着ている俺には言われたく無いだろうけども。魔法少女っぽいピンクのヒラヒラ衣装で森に入っている姉にも言われたくないだろうな。
「俺もこんな格好だし、ダメとは言わないけど、性能は大丈夫?防御力とか、耐久値とか……」
「……防御力は5です」
防御力5か。ゴミめ。
まぁ、普段着に防御力は求めてないからいいんだろうけども、第四層に向かおうっていうのに、防具がそれ1つだけって言うのはなぁ……
「あ、そうだ。アレがあったな!」
「……?」
捨てても売っても無かったからまだストレージに入ってるはず……お、あったあった。
「じゃ~ん!ウサギさんセット~!」
「……それは……あなたが前に着ていた服ですか」
「そそ。お下がりだし、万全の装備かと言われたらそうでも無いけど、フィアちゃんが今着ている服よりは高性能だよ。索敵もできるしね」
「……でもお高いんでしょう?フィアはそんなにお小遣いをもってないです……」
フィアちゃんはどこの通販番組のセールスマンだよ……ん~、もう着ないしタダであげてもいいんだけど、それじゃあ交易違反で性能が下がっちゃうんだよね……
「じゃあこうしよう。石化の解除薬が出来たら俺達にもちょっと分けてよ。それがこの服をあげる条件だ。もともとお下がりだし、そんなに価値は無いと思うしね」
「……そんなことは……いえ。分かりました。ありがとうございます」
《クエスト『錬金少女にウサミミを』を受理しました》
おい、ちょっと待った運営。なんだこのクエストは。運営はいったい何を想定してこんなクエストを用意してたんだ!?クリア条件が『ウサギシリーズの装備をフィアに着せて、石化解除薬の材料を取りに行く』とかピンポイント過ぎるだろ!むしろ俺の行動を監視して、今クエストを急造したと言われたほうが納得するレベルのピンポイントさだ。運営って暇なのか?
「じゃ、じゃあ俺達は一旦帰るよ。また来るからそれまでに準備を整えておいてね」
「……分かりました。待ってます」
アトリエを出てから直ぐに、ログアウトした。カップ麺を食べるだけで、30分も掛からないとは思うけど、急いで食べて戻るか。早い分にはいいだろうしな。30分で支度しな!
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10分後。俺はFWOのログハウスに戻ってきていた。
うん。自分でも急ぎすぎた感はある。フィアちゃんのウサミミ姿が楽しみだったんだろう。
んで、まだ時間があるから。今のうちにパーティメンバーを誰を連れて行くか考えておこうと思う。フィアちゃんをパーティに入れるなら同時に召喚できるのは4匹だけだしな。
まずボーパルは確定。居ないとボス戦がままならないしな。
「きゅい!」
「「「~~~~!」」」
ボーパルは今1階の窓から見える庭でフェアリー達と楽しそうに跳ね回っているな。召喚されていないモンスターはMPを使うスキルが使えないみたいで、空中起動は使えないはずなのに、2階の窓に足が届きそうなぐらいの跳躍をしているように見えるのは、種族特性なのかな?まぁ、ボーパルだし、それぐらいは出来てもおかしくないか。
2匹目はアイギスだな。フィアちゃんに攻撃がいかないように挑発をしてもらわないと困ってしまう。というかもうアイギスが強すぎてやばい。ボーパルと2匹で最強の矛と盾だな。
「メェエ……」
「う~む。むにゃむにゃ」
「「「「~~……」」」」
そのアイギスだが、今はログハウスの中で惰眠を貪っている。
……まぁ、アイギスに関しては”今は”というか、”今も”って感じだが。アイギスは殴られてるか、食べてるか、寝てるかの3択のような気がする。
今回、いつもと違うのは、寝ているアイギスを枕にしている子たちがいる事だな。
俺がフェアリーガーデンにやってくる直前まで泥遊びをしていたらしく、全身泥んこのリーンちゃんとフェアリー達が、ふらふらとログハウスの中に入って来ようとしたので、慌てて泉で水浴びをさせて、綺麗になったと思ったら、そのままアイギスを枕にして寝てしまった。
俺も1回枕にしたことがあるんだが、アイギスの呼吸に合わせて上下するからあんまり寝心地は良くなかった気がするんだけどな。リーンちゃん達は誰かと触れ合っていること自体が好きなんだろう。起きてたら騒がしいけど、寝てたらかわいいものだな。起きててもかわいいけどね。
問題は残りのメンツなんだよなぁ……
俺とフィアちゃんが戦力にならないと考えて、補助要員のノゾミはお留守番かなぁ。
となると、ミズキとティーニャとイナリの3匹から2匹だな。んー、最初にレベル上げをしたいイナリとティーニャを入れて、キツネちゃん戦からMPの少ない方とミズキを入れ替えようかな。うん。そうするか。
ちなみにこの4匹だが、今はログハウスの屋根に登って遊んでる。
下で見てたんだが、もともとはノゾミが日向ぼっこのために上に登っていて、イナリもお昼寝に屋根の天辺まで登って、ミズキも旋回飛行をしたあとの止まり木代わりに屋根を使って、楽しそうな雰囲気を感じたティーニャが混ざりにいった感じだな。
さっきまではドタバタ、コンにゃーホーと騒いでいたのに今は静かになっているから上もお昼寝中なのかもな。
しかたないから、待ち合わせ場所には俺とボーパルの2人で行こうかな。
他のみんなはクマ戦から呼べばいいだろう。それまではゆっくり休んでてね~。
もふもふ!
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6月はテトメトの誕生月!
という事は全く関係ないですが、明日新しい小説を5話と6話投稿します。
書きたくなったからつい書いちゃったけど、3小説並行進行は無理だとこの2週間で悟ったのでこの小説と評判がよかった方を連載しようかなーと考え中です。
でも、メインは”VRMMOでサモナー”にするつもりなので、これからもこの小説をよろしくお願いします!
1日で合計11話も更新できるだなんてテトメトはなんて幸福なんでしょう!この幸福はみんなで平等に分かち合わなければ!(ちらっちらっ)




