12匹目 ウサギ狩り始めました
来週末まで投稿はしないと言ったな。
あれは嘘だ!
一回言ってみたかっただけです。次回投稿は本当に来週末になると思われるのであしからず。
「うし、そこの休憩ポイントでちょっと休憩にするぞー」
「あーい」
「あー疲れた」
「ゲーム内の登山で疲れたも何もないだろう?」
「そりゃ肉体的にはそうだけど精神的にくるものがあるんだよ」
始まりの街の北。山エリアの登山道の途中にある少し開けた平らな場所で休憩を取る。
陽が昇る前から登山を始めてやっと半分ほど登り終えたぐらいか。
ここまではまばらに木が生えていたりもしたがこの上は岩ばかりで足場もさらに悪くなってくるが鉄鉱石なんかがちょこちょこ転がってたりするしモンスターのレベルも上がってきてレベル上げにもちょうどいい。
そして何より、
「んで、タク。ここの山頂にボスモンスターが居るってのは確かなのか?」
「ああ、少なくともベータではこの山の山頂にストーンゴーレムっつうボスがいたのは間違いない。ベータだとストーンゴーレムを倒しても鉄鉱石を大量に落とすだけで直ぐ後ろのエリア境界の壁にぶち当たったんだが本サービスからはその先にも行けるかもしれん。ぶっちゃけ今いけるマップはベータで行ったとこばっかだしな。早く次へ行ってみたい」
「ベータ組乙。私は本サービス組だから全部が新鮮で楽しい。つまり本サービス組は勝ち組。QED証明完了」
「はいはい。それでタク、ストーンゴーレムってのは強いのか?」
「デカイ、硬い、遅い。っつうある意味分かりやすい敵だな。一発貰うとやばいから当たらなければどうということはないを地でやるしかないな。交代で前衛をやりつつ後ろからチクチクやって倒すぞ。パターンが少ないから慣れれば余裕でかわせるようになる」
「ほー」
気のない返事を返し他のパーティメンバーと雑談に入る。いや、お前が聞いてきたんだからもっと興味持てよ。
《プレイヤー:ユウからフレンドコールされています応答しますか Y/N》
「おっ?ユウからコール?珍しいな」
というか初めてだな。
「もしもし?ユウか?お前から連絡してくるなんて珍s」
『タク!ドロップでウサギのなんか出たんだけど頭巾がウサミミ!?』
「え?ウサギのドロップでなんかウサミミの頭巾が出たって?」
『(コクコク)』
通信の向こう側でうなづく気配が返ってくる。いや通話なんだから喋れよ。俺か翼にしか伝わんないからな。
「そいつは多分うさぎさんずきんだな。本サービスから追加されたらしいウサギのレアドロップでセット装備だ。鑑定結果にセット効果ってのがあるだろ?」
『……あったけど効果がなしになってるぞ?』
「そりゃあセット効果なんだからセットを揃えないと効果はないぞ」
『つまりうさぎさんシリーズの装備が他にもあると!?』
「んー他のうさぎさん装備を見たって話は聞かないがセット装備である以上はあるんじゃないか?俺は見たことないけど。っと、それよりお前まだウサギなんかと戦ってるのか?今は山登り中だから無理だけど後でレベル上げを手伝ってやろうか?」
《フレンドコールが切断されました》
「あいつ切りやがった」
まぁプレイの仕方は人それぞれ。ウサギと戯れる(虐殺)のを楽しんでいても断然いいと思うしな。
「隊長?フレンドコールっすか?」
「ああ。リア友だな」
「はっ!まさか彼女っすか!?」
「ちげーよ、男友達だ」
「彼女……男……はっ!ぐふふ」
「おいリカてめぇ何を考えてやがる」
「ナニってそりゃ、もちろん」
「いや待て言うな!聞きたくない!」
火力特化の水メイジとしてはかなり優秀なんだけどこれが無ければなぁ……
「集合!そろそろ行くぞー」
「うーい」
どっこいしょと立ち上がるパーティメンバー達。
さて、陽が昇っているうちにボスを倒せればいいが……。
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《召喚モンスター:ボーパルがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください
《召喚モンスター:ミズキがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
《召喚モンスター:ボーパルがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください
《召喚モンスター:ミズキがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
《スキル:ダッシュがレベルアップしました》
《スキル:火魔法がレベルアップしました》
《召喚モンスター:ボーパルがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください
《召喚モンスター:ミズキがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
《プレイヤーがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
《召喚モンスター:ボーパルがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください
《召喚モンスター:ミズキがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
《スキル:火魔法がレベルアップしました》
《火呪文:ファイアーウォールを習得しました》
《召喚モンスター:ボーパルがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
《召喚モンスター:ミズキがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
《プレイヤーがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
《スキル:ダッシュがレベルアップしました》
ユウ サモナー
Lv6 → 8
体力 12 → 13
筋力 12 → 13
敏捷 13
器用 13
魔力 15
精神 15
スキル
杖Lv4 召喚魔法Lv5 火魔法Lv3→5 鑑定Lv5 ダッシュLv5→7 回避Lv4 防御Lv4
《スキルポイントを2点獲得しました。SP11→13》
《スキルポイントを2点獲得しました。SP13→15》
ボーパル ウサギ
Lv3 → 8
体力 10
筋力 8 → 11
敏捷 16 → 18
器用 12
魔力 4
精神 7
スキル
索敵 気配察知 跳躍 ダッシュ
ミズキ フクロウ
Lv3 → 8
体力 10 → 12
筋力 10 → 12
敏捷 16 → 17
器用 10
魔力 6
精神 5
スキル
飛行 奇襲 索敵 夜目 高速飛行
そろった……そろったどーーーーーーーーー!!
時刻は午後2時過ぎ。すでに辺りは暗くなり出現するモンスターはウサギからラットへと切り替わっている。結構ぎりぎりだったが日を跨がなくて良かった。
さて、とさっそく装備しようと言いたい所だがまずは戦利品を並べて観賞しようか。
「むふふ……ボーパル達は露払いよろしく!」
「きゅい!」
「ホー!」
バビュンと弾丸の様にかっとんで行くボーパル達。なんか露払い(殲滅)みたいになったけど邪魔が入らないのなら問題ない。
さっそくストレージからうさぎさん装備一式を取り出し並べる。
【防具:頭】うさぎさんずきん レア度2
防御力+15 重量1 耐久値300
ウサギの毛皮を使って作られた頭巾
ウサギのミミを模した飾りがついており装備者にウサギの様な素早さを与える。
【効果】
敏捷補正:中
セット効果:なし
ふわふわの毛皮でできた頭巾からぴょこんと生える2つのウサミミと正面についている赤い小さな目と口の模様がなんともプリチーなこのうさぎさんずきんだがその真価は装備して初めて発揮される。
最初に見つけた時嬉しくてちょっと被ってみたんだがなんとこの帽子……耳が動くのだ!
くやしいのは耳が動いているところを自分で見れないことだが今度絶対鏡を買おう。そうしよう。
【防具:手】うさぎさんてぶくろ レア度2
防御力+10 重量0 耐久値200
ウサギの毛皮を使って作られた手袋
手の甲にウサギの飾りがついており装備者にウサギの様な器用さを与える。
【効果】
器用補正:中
セット効果:なし
手の甲に小さいウサギの顔のぬいぐるみがついたような手袋。ふわふわもこもこであったかそうだけど武器がすっぽ抜けないか心配なんだがそこはゲームだからか大丈夫みたいだ。
【防具:足】うさぎさんぶーつ レア度3
防御力+10 重量1 耐久値200
ウサギの毛皮を使って作られた靴&ニーソックス
靴とニーソックスの上辺りにウサギの飾りがついており装備者にウサギの様な素早さを与える。
【効果】
敏捷補正:中
セット効果:なし
膝上までのニーソである。しましまニーソである。これの製作者は分かっている。
また靴自体もウサギの形をしており正面からみたらウサギに見える。なんか昔こんなスリッパをどこかで見たような気がする。そんなデザイン。
【防具:服】うさぎさんわんぴーす レア度?
防御力+50 重量1 耐久値500
ウサギの毛皮を使って作られたワンピース
腰にウサギの飾りがついており装備者にウサギの様な素早さを与える。
【効果】
敏捷補正:大
セット効果:なし
ウサギの毛皮を使った真っ白なワンピース。袖は肘までで裾は膝からよりも股下からの方が近い感じ。
右の腰に大きなウサギのアップリケがついており大変可愛らしい。
……うん分かってる。うさぎさんぶーつの時点で分かってた。
これ、女物だよ!?めっちゃ女物だよ!?
でも装備しちゃう。リアルで着る勇気は無いけど仮想世界ならそこまで忌避感もない。
リアルじゃないからはずかしくないもん!
かわいいは絶対不変の正義だ!
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