134匹目 ゲットホーム
《”新しい拠点”を獲得しました。ホームに設定しますか Y/N》
「おお!でっかいのじゃー!」
「「「~~~!」」」
フェアリーガーデンの一角に貰った土地にログハウスをドドーンと建てた。というか置いた。欠陥住宅待った無しだな。地震がおきたらズレそう。まぁ、ズレても戻せばいいだけだけどな。
リーンちゃんに用意してもらった土地はかなり広く、ログハウスが3つは建てられそうなほどだ。
まぁ、1つしか無いけどね。残りは庭かな?家の庭と妖精の箱庭の境目は見た目じゃ分からないけどね。多分だれも気にしないし。
《”新しい拠点”をホームに設定しました》
ホームに設定した拠点ではゲーム開始時のスタート地点に設定できるらしい。他にスタート地点に設定できるのは、街の噴水と、フェアリーガーデンの湖。街の宿屋なんかだな。
あとはホーム内に居る間自然回復速度が上がったり、生産スキルにボーナスが入ったりするらしい。
この追加効果はホーム内に設置する家具で効果が上がったり、増えたりするそうだ。
……これ、こだわり出したらいつまでも終わらないやつだな。冒険を楽にするために家具を作ろうとしたのに、家具を作るために冒険に行くことになりそうだ。
《ホームを召喚モンスターの待機場所に設定しますか Y/N》
うん?この選択肢はレン君に聞いてないぞ?召喚モンスターって言ってるし、サモナー限定なんだろうな。とりあえずYESっとな。
《ホームを召喚モンスターの待機場所に設定しました》
《ホームで待機するモンスターを設定してください》
全員設定っとな。およ?
「ホー?」
目の前に今は召喚していなかったミズキが召喚されたな。となれば、やっぱり召喚していないモンスターがホーム内を自由に移動できるって事かな?
ホームがある場所はセーフエリア内だし、レベル上げとかは出来ないから完全にスキンシップ用だな。運営ナイス。
ちょうど召喚モンスターを増やしてもレベル上げがめんどいし、召喚を控えようかと思っていたんだが、召喚したモンスターがこの家で暮らすのなら、もふもふとか、ちっこかわいいモンスターをバンバン召喚しても大丈夫だな!
召喚したからといって無理して戦う必要性は無いからな。観賞用モンスター……ありだと思います!
「中も広いのじゃ~!木の匂いがするのじゃ~!」
「「「~~~♪」」」
「これが私の家ですか……」
「リーンちゃん達はいつの間に家に入ったんだ?それと、ここは俺の家であってウィアナちゃんは居候だからね?」
「きゅい!」
「ホー」
「メェエ」
「~~!」
「……にゃむ」
「コーン!」
二階の窓を開けて庭に居る俺達へとブンブン手を振ってはしゃいでいるリーンちゃん達に手を振りかえしつつウィアナちゃんを従えて俺達も家の中に入る。
レン君に半日で急造してもらったログハウスは、リーンちゃんが言う通りとても広いつくりになっている。
具体的には1階にリビングが1部屋と2階に寝室が1部屋しかない。
動物達が暮らす森の家みたいな構造だが、トイレもフロもキッチンもゲーム中には使ったことが無いから問題は無いな。
追加料金を払えばいつでも増築してくれるってレン君が言っていたけど、それもどう森っぽいな。まぁ、ここは妖精の森だから妖森って感じだけどな。
……嫌だな、妖森。字面が怖い。
「部屋が広くて落ち着かないです……とりあえず本棚が欲しいですね」
「いや、だからここ俺の家……まぁ、確かに家具は少ないよね。ぶっちゃけテーブルとソファとベッドしかないし」
レン君曰く扉とベッドがあればシステムには家扱いされるらしいが、もうちょっと家具が欲しいよね……
本棚もいいけど、クローゼットとかもあったほうがいいかな?でも収納系はインベントリに放り込んでおけばいいから必要ないんだよなぁ……
あれ?じゃあ必要な家具って殆どなくね?本棚すら要らなくね?
まぁ、本棚にぎっしり本が詰まってるのを見るだけで幸せな気分になるからいいよね。他の家具も実用よりも趣味みたいな感じなんだろう。家具と言うよりもインテリアって感じだな。
あと、俺が知っている家具といえば……錬金釜とか?フィアちゃんに頼んで1つ作ろうかな?要らないか。
俺は錬金術使えないし。フィアちゃんもこの家で暮らすんならともかくね。フィアちゃんもこの家で暮らすんならともかくね!
「……まぁ、家具は随時増やしていくよ。俺達はこれから月光草を摘みに行って来るから、ウィアナちゃんはここでリーンちゃん達とお留守番しててね」
「……」ふるふる
「いや、そんな裾を掴んで無言で首振られても……ウィアナちゃんを探索に連れて行くわけにもいかないでしょ?ウィアナちゃんオールステータス1だし。掠っただけで死ぬと思うよ?」
レベル0の効果なのか、今のウィアナちゃんはステータスが全部1でスキルは0だ。
箸より重いものを持てない(物理)だな。まぁ、戦闘時以外はそこまで酷くは無いけどね。
「リーンちゃんにはちゃんと言っておくし、しっかり者のミズキも置いていくから大丈夫だって。フェアリーガーデン内ならダメージは喰らわないしね。それに俺達もMPが減ったら回復に戻ってくるしさ。いい子で待っててね?」
「……ボーパル姉さまを置いていってください」
「それは無理だ」
ボーパル無しとか死んでまうわ!
「むぅ……はやく帰ってきてくださいね?」
「はいはい。晩御飯までには帰ってくるよ~」
もうとっくに夜だけど。
ウィアナちゃんはリーンちゃんが絡むと素直になるよな~。ナマイキな態度もかわいいけどね。
「お~い。リーンちゃ~ん!俺達は探索に行って来るから家とウィアナちゃんとミズキをよろしくね~!魔法をぶち当てて壊したりしないでよ~!!」
「ユウお姉ちゃんちょっと待ってください。それは魔法が当たって”家が”壊れるかも知れないって事ですか!?”私が”壊れるかもって事じゃないですよね!?いや、家が壊れても潰されますが!」
「任せるのじゃ~!わらわは家も人間も修理できるのじゃ~!」
ベッドしかないはずの2階で未だにドッタンバッタン騒いでいるリーンちゃん達に階段の下から声をかけると、細かな言い回しに不安を感じたウィアナちゃんが大声で叫んで、リーンちゃんが非常に不安な返しをしてきたんだが……
「……ユウお姉ちゃん。やっぱり私も連れて行ってください。外よりもここの方が命の危険が危ないです」
「……日本語が不自由になるぐらい嫌なのか……や、大丈夫だって。多分。
リーンちゃんも修理する前に壊さないでよ!!」
「……次から気をつけるのじゃ~!」
既に手遅れだったのか……
ベッドの上で飛び跳ねまくって耐久値削っちゃったとかかな?
まぁ。リーンちゃんも何故か木工を持っているみたいだし、大丈夫だろう。心配だけど。すごく心配だけど。
リーンちゃんは素直でいい子なんだけど、ウィアナちゃん捕食事件みたいに、微妙に常識外れな所があるからなぁ……。
まぁ、イタズラが存在意義みたいなフェアリー達の纏め役だからな。好奇心で猫を殺しそうになるのはある意味当然なのかね?好奇心で殺されて食べられそうになった側からすればたまったものじゃないだろうけどね。
「んじゃ、行ってきまーす!」
「きゅい!」
「メェエ!」
「~~~!」
「……にゃぁん」
「コン!」
「行ってらっしゃいなのじゃ~!」
「はやく……はやく帰ってきてください。私がまだ生きているうちに……」
「ホー!」
お留守番組に手を振りかえしてフェアリーガーデンを出て第3層へと向かう。
MP回復薬の便利さに慣れてしまったから、イベントで使い切っちゃった分を補給しないことには先に進む気がでないしな……
それじゃあサクサクと行こうか!
もふもふ!
誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。
どう森面白いよね~。地下室をドル袋で全部埋めたのは楽しかった。
WiiUで新作でないかな?




