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120匹目 南門防衛戦 4

本日2匹目です。お気をつけください。

 

「きゅいぃいいいいいいいい!!」


「……!!」


 イカの全ての足をもぎ取ることに成功したボーパルが、残りHP1割ほどのイカにトドメを刺す為に大空へと跳びあがり流星蹴りを……


「「「「待って!!ボーパル(ちゃん)!ちょっと待ってぇ~~~~~!!」」」」


「きゅい?」


 発動する前にギリギリで呼び止める。

 ふぅ。危なかった……折角試射に丁度いい的があるのに消し飛ばされる所だった。


「さぁ、どうぞ。ぶっ放してください」


 ボーパル含め全員を甲板まで呼び戻して、隅っこの方に退避しながらレン君達にトドメを譲る。

 どんな砲撃が出るんだろうか。わくわく。


「う、うん。なんだろう。微妙に釈然としないんだけど……まぁいいか。

 ボーパルブラスター!撃て()ぇええええ!!」

「晩御飯になれぇええええええ!!」「光になれぇええええええ!!」


「おお!」

「きゅい!!」

「ホー!」

「~~~~!!~~!!」

「……んにゃ」

「コーーーーン!」


 エネルギーを限界まで溜めたボーパルブラスターは青白いプラズマの奔流のように砲台からどこまでもまっすぐに伸びていき、クラーケンを貫通して遠くに見える地平線の彼方へと消えていった。


 ……あれ?気のせいかな?ボーパルブラスターの飛んでいった方向が始まりの街の方向だった気が……

 うん。気のせいだな!そういう事にしておこう。


「最後の一撃は、せつない……というか虚しい」

「ただの動かない的だったからねー」「まさしく試射だったからねー」


 エネルギー放射式の砲台だったのに、何故かガシャコン!プシューっと排熱している砲台をサクサクと片付けている間に、渦潮もいつのまにかおさまり、イカの素材もインベントリに大量におさまった。

 排熱はロマンらしいです。気持ちは分かる。


 というか、本当にイカの素材が多いな。

 何故かクラーケンの触手が20本程インベントリに入っているんだが、どういう事?レン君やミヤヒナも沢山の触手を手に入れたらしく、4人の合計で50本ちょっとの大量だ。レン君が言うにはあのイカはどうみてもレイドボスだったから、レイド戦に参加したプレイヤー全員に行き渡るようにドロップ品が多かったんじゃないかとのこと。

 そういえば、ワイバーンのドロップ品もワイバーンの数よりも明らかに多かった気がする。ちゃんと数えてないから覚えてないけど。


 《モンスター軍南方面大将のクラーケンが討伐されました。南方面軍は撤退します》

 《モンスター軍東方面大将のタウンイーターが討伐されました。東方面軍は撤退します》


 およ?南方面だけじゃなくて東方面もボスを倒したのか。東に居るのはシルフと、約束を覚えていてくれたなら精霊ちゃんもいるはずだな。まぁ、あの超火力の精霊ちゃんがいるならさっきのクラーケンぐらいの敵なら余裕だよな。ただ、精霊ちゃんが本気を出しちゃうとプレイヤーに報酬が入らないんじゃないかと心配なんだが……大丈夫だよな?手加減してるよな?……ダメな気がする。東門のプレイヤーの皆さんに合掌。


「よし。それじゃあユウ君。ドロップの確認も終ったし街へ帰ろうか。他の場所のイベントボスも倒されてるみたいだし、急いで戻らないと魔人ちゃん(ラスボス)戦に間に合わない気がするしね」

「せやな……というか魔人ちゃんもボーパルブラスターで吹き飛ばせば勝てるんじゃね?」


「あー、ボーパルブラスターはボーパル号の全エネルギーを集約して放つ砲弾だからボーパル号から取り外せないんだよねー。魔人ちゃんが海に来てくれればチャンスはあると思うけど、見晴らしのいい海の上で派手なエフェクトを撒き散らしてチャージする砲撃にはなかなか当たってくれないと思うよ?ボーパルブラスターを放つ瞬間は障壁を解くからそこを狙われても嫌だしねー」


「そっかー。ならしょうがないな」

「うん。しょうがないね」


 《モンスター軍北方面大将のロックドラゴンが討伐されました。北方面軍は撤退します》


「って、おしゃべりしている場合じゃなかったね!ミヤちゃん!ヒナちゃん!急いで街へ戻るよ!面舵いっぱぁあい!」

「きゅーそくせんかいー!」「きゅーそくせんこー!」


「いや、潜行したら沈むからね!?ボーパル号は潜水艦じゃ無いんだからね!?」

「くすくす。そんなの見ればわかるのにね?」「くすくす。レン君必至だね。ちょっと沈めてみる?」


「やめてーー!?」


「……本当に間に合うのか心配になってきたんだが……大丈夫だろうか?」

「きゅい!」


「あ、はいはい。マジックキャンディーね。全部食べちゃってもいいから今のうちにMPを全回復しておこうな~」

「きゅい!」

「ホー!」

「~~~!!」

「……んにゃぁ……」

「コン……」


 俺の出血大サービスに大喜びなMP使った組(前半3匹)と落ち込む殆どMP(後半)使わなかった組(2匹)

 あー、マジックキャンディーは甘くておいしいからな。しょうがない1つずつだけあげような。みんなにはないしょだぞ?


「にゃん!」

「コン!」


 あはは~かわいいやつめ。もふもふ。もふもふ。


 《モンスター軍西方面大将のスフィンクスが討伐されました。西方面軍は撤退します》


 《モンスター軍全方面の大将が討伐されました。生き残った全モンスターが魔人指揮のもと始まりの街の付近へ出現します》


 え?


「「「「……え?」」」」

「きゅい?」


  -------------------------------------


 え?なに?もう出番なの?予定より早くなーい?伝令の間違いとかじゃなくって?本当に四大将全てが討たれたの?


 これが報告書?ふむふむ。1人の人間(サモナー)が開幕と同時に西方面のモンスターを殲滅して、東方面に引きこもりの精霊を援軍として呼び寄せてモンスターを殲滅して、南方面のモンスターを殲滅後クラーケンを討伐して、人間の巣に後一歩の所まで飛んできていたロックドラゴンの翼を焼ききって落とした?

 そんなバカな……いくらなんでもありえないでしょ?たった1人の人間がいたから全方面軍が敗れたってゆーの?うちの軍はそれだけ弱ちいって?

 まぁ、こんな伝達1つまともに出来てないんだからそう言われてもおかしくないかなー。


 で?今残っている兵力は?

 ふむふむ。全部で4万強かー。だいぶ残っているね。んー、でもワイバーンが全滅してるのは痛いなぁ……貴重な私以外の飛行戦力なのに。パパに新しく召喚して送ってもらおうかな?

 ……ううん。パパは私ならこの戦力で人間の巣を潰せると信じて軍を託してくれたんだもの。なら私も私を信じるパパを信じるだけね!


 だって正義は私達にあるもんね。突然後から現れたくせに、元々ここに住んでいた私達に挨拶も無く、仲間を狩り続ける人間なんて私が退治しちゃうんだから!


 ……ところでパパはどうして四大将が全部倒されるまで私に出撃したらダメって言ったんだろう?

 この後の戦闘で使うスキルも制限されたし……


 んー、よく分かんないけどパパの言う事だからきっと何か意味があるんだよね!

 よーし!人間退治、がんばっちゃうよ!

 パパも私の活躍をしっかり見ててね!!

もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。


プレイヤー達は始まりの街を攻めてきたモンスターを侵略者とか言ってるけど、どう見てもプレイヤーの方が侵略者な件。

なにせある日突然現れて、なんの罪も無い原住民を殺して、体の一部を剥ぎ取って武器や防具にしたり、門番を殺して無理やり奥のエリアに押し入ったりしてるからね。

そりゃあ攻められるわ。でも、プレイヤーは攻められて喜んでいるから嫌がらせにはなっていない件。全員ドMなのかな?


そして、魔人ちゃんのパパかー、きっと名前が2文字でテから始まってトで終るような人なんだろーなー。誰のことだろーなー(棒)


次回は掲示板予定!たぶん!

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