117匹目 南門防衛戦 1
まおあるが日刊78位ですって。サモナー始めましたはランキング外ですって。
・・・
いやいや、他意はありませんよ?まおある面白いですもんね。だから・・・別に・・・悔しくなんかないやい!
|テ|
|ト|
|メ|
|ト|
|専|
|用|
|電|ω・`)チラッ
|柱|
追記
てへっ♪間違えて短編の方へ投稿しちゃったぜ。
「よし。殲滅完了」
ボーパルが。
フィアちゃんとアトリエで楽しくおしゃべりした後。気づいたときには全員のMPが全回復していたので、イナリとミズキを交代して、南門の外に出てみたら、ガチでマジでピンチだった。ガチマジピンチ1000%だった。ドキドキで壊れそうだった。
これはヤバイと最初から全力出してあっさり敵軍を撃退し、出てきたボスっぽいのを転ばせて一撃当てた所でボーパルのMPが切れたけど、俺の後からどんどんやって来た援軍が袋叩きにしてトドメを刺していた。これだけ援軍が来るんなら、俺達来る必要無かったんじゃね?と思いつつ海の中に逃げ込んでいく敵モンスターを見送っていた。
海の中は砂漠より追撃が無理だな。ボーパルは蹴りで海ごと割ってダメージを与えていたけど。ボーパルぇ……
他のプレイヤーも大体同じ状況らしく、モンスターが消えて行った海を眺めていたり、闇雲に雷魔法っぽいのを撃ってみたり、スコップで海面を叩いたりしてる。
……いや、最後の人おかしくない?何故スコップ?スコップって武器なの?
鑑定結果
武器らしい。しかも、突属性と斬属性と打属性を全て持っているそうだ。優秀じゃね?代わりに攻撃力はそこそこだったけど。そういう万能武器は嫌いじゃないぜ?だからといってスコップは嫌だけど。バルディッシュなら許す。アサルトの方でもいいのよ?
「はっはっはー!どうやらボクの出番のようだね!!」
ん?あれ?なんか聞き覚えのある声が……
「レン君?久しぶり!最近ログインはしてるのに会えないから心配してたんだぞ?」
「きゅい!」
「え、あ、うん。その節はご迷惑をおかけしました……」
堂々の仁王立ちで登場したのに、急にちっちゃくなって頭を下げだした。まぁ、ちっちゃいって言っても俺よりは大きいんだけどね?ちっちゃくないよ!!
「わたしたちもー」「いるよー?」
ちっちゃくなったレン君の後ろから出てきたのはいつかの双子ちゃんだ。たしか鍛冶とか金属細工とかの金属関連が得意なんだっけ?名前は……えっと……
「ミヤだよー」「ヒナだよー」
「ふたり」「あわせて」
「「ミヤヒナだよー!」」
バーンとSEが付きそうなポーズで自己紹介をされてしまった。そんなユニット名みたいに言われても……本当に2人の名前を合わせただけだったし。
「そうそう。右結びの子がミから始まって左結びの子がヒから始まる事は覚えていたんだけどな」
「ふっふっふー」「くっくっくー」
「甘い!甘いよ!ユウさん!」「シロップをたっぷりかけたわたあめよりも甘いよユウさん!」
「いつからわたしたちが」「髪の結び方を変えないと錯覚していたぁー!」
「なん……だと……?」
というか、わたあめにシロップをかけたら一緒に溶けて落ちていくと思うんだが、いいんだろうか?溶けた時点でわたあめとは言えない気が……いや、今そこはどうでもいいか。
「つまりは左結びの方がミヤちゃんで右結びの方がヒナちゃん?」
「ちがうよー?」「今日は左がヒナだよー?」
「じゃあなんで言ったんだよ!」
「きゃー!怒ったね?」「きゃー!怒ったよ?」
なにこの双子……疲れる。
「……はぁ。で?レン君たちはどうして最前線ここに?生産特化でしょ?危ないよ?」
「よくぞ聞いてくれました!!」
おおぅ。レン君が復活した。
「そう!ついにアレが完成したんだよ!だから今日は試乗に来たんだよ!今日なら死んでもデスペナが軽いしね」
「ミヤたちもー」「手伝ったんだよー?」
ふむふむ。レン君がずっと作ってて、双子ちゃん鍛冶師が協力していて、海で試乗するものか。
「おお!ついに船が完成したのか!」
「もー!!なんで先に言っちゃうかな!!折角もったいぶってたのに台無しだよ!ユウ君はデリカシーが足りないよ!」
「くすくす。デリカシーが無いって」「くすくす。無神経だって」
いや、そこまでは言われて無いからな?この子たちさらっと毒舌だよな。まぁ、これぐらいなら気にならないけど。
相手がかわいい女の子じゃ無かったらまた対応が変わったかもだけどね。
かわいいって得だよね。
「んで?船はどこに?」
「ちょっと待ってね……いま出すから」
「わくわく」「うずうず」
そう言って空中で指を滑らせるレン君……え?船ってインベントリに入るものなの?
「出でよラビット号!着水!!」
「ラビット号だー!」「着水だー!」
いまいち気の抜ける双子ちゃんの掛け声に合わせて、どこからともなく(インベントリから)現れた大きな船がバッシャーン!と大きな波を作って着地をぉおおおおお!危ねえ!
「きゅい!!」
船が作りだした波に呑み込まれる……寸前で跳躍したボーパルが波を蹴りわって助けてくれた。
またつまらぬものを蹴ってしまった……と残心しているボーパルにお礼を言っておく。ありがとなー。
「うぅ、酷い目にあったよ……」
「危なかったねー」「うさぎさんありがとー」
「きゅい!」
自業自得というかなんというか、ボーパルが波を割った範囲内に居なかったレン君だけがびしょ濡れになっているな。もう乾いたけど。
……ボーパルさんや、かわいい女の子だけ優先して助けたりはしてないかい?アイギスとか波に攫われてあっぷあっぷしてるぞ?足が届く浅瀬で。
ヤギの短い足でどうやってあのお約束をやってるのかは分からないけど。実は足がついてるんじゃないか?
「ふぅ。ちょっとしたトラブルがあったけど、これがぼくたちの力作!ラビット号だよ!!」
「じゃーん!」「ばーん!」
うん。改めて言われるまでもなくさっきから観察しているけどね。船の型としては大きめの帆船だな。船については詳しくないからよく分からないけど、一本マストにでっかい帆がついたアニメやゲームで良く見るタイプの木製の帆船だな。船首にはおててを組んだウサギさんの飾りが付いていて、左右に3門ずつ砲台の穴っぽいのが見えている。
……これ風が吹いて無いと動けないとか言わないよな?風魔法を常時使うなんて、効率悪すぎてむりだぞ?
んで、まぁ姿形は凡そ普通の帆船なんだが……問題は帆に書かれている絵だな。
うん。ウサギが描かれているのはいいんだよ。名前もラビット号だし、俺達の船ならウサギが象徴として付いててもおかしく無いしな。
問題なのは、そのウサギさんの下にクロスしたカトラスが描かれていて、ウサギさんが海賊帽を被っていることだな。
……どうみても海賊船だよねコレ!?どうして船を作って欲しいという注文で海賊船を作ったんだよ!?問答無用で沈められてもおかしくないデザインだよ!?
という気持ちを込めたジト目でレン君を見つめる。ジトっと見つめる。目をそらされても見つめる。1年分ぐらい見つめる。
「……えっとね?最初は普通にボーパルちゃんの絵にしようと思ってたんだよ?本当だよ?ただ、作ってる途中で大砲を積もうって事になって、どうせなら軍艦みたいにしようかってなったんだけど、木造で軍艦っていうのも締まらないから、それなら海賊船にしたらいいんじゃないかって……テヘッ♪」
「てへっ♪」「ぺろっ♪」
世の中には美少女のてへぺろでも許されないことってあると思うんだ。まぁ、今回は帆を変えればそれで済む話だから別にいいけどさ……大至急新しい帆は作ってよ?
「大丈夫!もう注文済みだからね!!」
「リアさんに頼んだからねー」「だいじょーぶ!!」
なら最初から用意しておいてくれよ……
「よーし!それじゃあさっそく乗り込むよー!」
「乗り込めやろうどもー!」「しゅっこうだー!」
うぉおおおお!と雄たけびを上げつつばしゃばしゃと海水を跳ね上げながら海に浮かぶラビット号に駆け寄る美少女3名。(内1人男子)
……というか。
「……俺は空歩で乗り込めるけど、レン君たちはどうやって乗り込むんだ?」
「あっ……」
「あっ……」「あっ……」
何も考えて無かったのね……
はいはい。分かりました。分かりました。全員俺が運ぶからそんな雨に打たれるチワワみたいな目で俺を見るなって。
はぁ……心配だ。非常に心配だ。本当にこのメンツで大海原にくりだして大丈夫なんだろうか……でも俺は船の操縦の仕方なんて知らないんだよなぁ……
まぁ、最悪死んでもいいしな。気楽に行くか。そのほうが気が楽だしな。
え?なに?2人同時に運べって?んな無茶な……
はい?どうせなら上空から船を眺めたい?いやいや、俺の空歩はまだレベルが低いからそんなに跳べないからな?
ケチとか言うな!そういう問題じゃ無いから!
……本当に大丈夫なんだろうか……
もふもふ!
誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。
ユウが突っ込みに回っている!
これはダメかもしれない・・・
ちなみにレン君もミヤヒナも完徹+船完成+処女航海でハイテンションになってます。このテンションのまま海にくりだします。
・・・やっぱりダメかもしれない。処女航海で沈没とか嫌過ぎるんだけど・・・タイタニックかな?
2隻目は1隻目よりも建造に時間はかからなそうだけど、海方面の進出がこれ以上遅れるのもなぁ・・・
頑張れラビット号!ウサギの名を冠するお前ならきっと出来る!
・・・甲板でボーパルが暴れたせいで沈没する未来が見えた・・・ボーパルは船上での戦闘禁止な。




