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番外編:3月3日はうさぎの日 !!(U・x・`)ウサッ!

3月3日はうさぎの日!!(U・x・`)ウサッ!

そして今日はごちうさのゲームの発売日!

ごちうさ・・・うさぎの日・・・はっ!←今気づいた


※注意※

この話は番外編です。本編の進行には殆ど関係ない上に基本的にうさちゃんをもふっているだけです。

別の世界線のパラレルワールドのお話だと考えていただけると大体合ってます。

『3月3日はうさぎの日 !!(U・x・`)ウサッ』


から始まる告知文が運営から届いたのが何日前だったかな・・・

メッセージタイトルを見た時点で確信したね。FWOの作成者・・・略して作者がうさぎ大好きだと!!


・・・まぁ、闘技大会の司会者をやっていたあの人が主犯で間違いないだろうけどさ。


ともあれ、今日がその3月3日。もうイベントは始まってる時間だし急いで行くぞ!


-------------------------------------


うさっ!


「あっ!人参見つけた!」

「ホント?やったじゃん!」


もふっ!


「あ、うさぎさん!うさぎさんいたよ!!たれみみうさちゃんゲット!」

「え~ズルイ!私なんてまだ1つも見つけてないのに・・・」


うさもふっ!


「やった!またうさちゃんゲット!あ~でも、もふもふうさちゃん(桃)はもう持ってるや・・・誰か~!もふもふうさちゃん(桃)と交換してくれる人はいませんか~?」

「あ、私もふもふうさちゃん(桃)はまだ持ってないから、ふわふわうさちゃん(桃)か、ちびちびうさちゃん(白)となら交換してもいいよ!」

「本当!じゃあ、ちびちびうさちゃん(白)と交換して!」


ログインした始まりの街の噴水広場では、頭のうさみみをうさうさと揺らし、お尻のうさしっぽをもふもふとふりながらうろうろとする女の子達がピョコピョコと跳ねているうさぎに飛び掛っていたり。なにやらデフォルメされた色んなうさぎのカードを持ち寄って交換したりしていた。


なんだここは。うさぎさん天国か?


「・・・なんだここは。うさぎさん天国か?」


俺の心の声そのままが隣から聞こえ驚いて振り向くと、たった今ログインしたのであろう頭からうさみみを生やしたおっさんが沢山・・・


ギャー!SAN値が!SAN値が削れるぅ~!SAN値ピンチ!


-------------------------------------


「ふぅ。ここまで逃げればひと安心だな・・・」


不定の狂気に陥る前になんとか噴水広場前に群れているムサイうさみみ集団から脱出するとこに成功した俺はとりあえず人目のつかなそうな路地に逃げ込みフラグっぽいセリフを吐いていた。


さて、突如街中にうさぎ人間が溢れた原因だが・・・まぁ、考えるまでも無く今日のイベントだろう。というか運営の趣味だろう。

鏡が無いから目では確認できないが俺の頭にもうさみみが生えているんじゃないか?


うさっ。うさうさ。


おお。確かに何か生えてる。触ってみた俺の手にはもふもふとした気持ちいい感触が伝わってきているが耳じたいには触られている感触は無いな。

ふむ。ようは外せないうさみみカチューシャ(しっぽ付き)を強制装備させられてる感じかね?

というか俺が普段から装備しているうさぎさん装備にもうさみみの飾りは付いているから普段とあまり変わらないんだが・・・。

噴水広場辺りを散策していたうさみみっ娘達も殆ど気にしている様子は無かったしな。これぐらいなら変に照れる必要もないな。みんな一緒だし。


さて、見た目の変化についてはこんなものでいいとして、詳しいイベント内容の確認をしたいんだがっと。

およ?運営インフォが届いてるな。いつのまに・・・えーと?なになに。なるほど?


んー、ざっくりと要約すると今回のイベントは街中に逃げ出した戦闘能力の一切無いうさちゃんを捕まえようっていうイベントだな。


逃げ出したうさちゃんは『もふもふうさちゃん』『ふわふわうさちゃん』『たれみみうさちゃん』『ちびちびうさちゃん』の4種類で、それぞれ(白)(黒)(茶)(桃)(金)の5色存在しており。全20種類存在している。


イベント開始と同時に一斉に町中のいたるところからポップし、うさちゃんを捕まえようとするプレイヤーから全力で逃げる。


小さな体を最大限に生かして時に走り、時に跳び、時に隠れるうさちゃんは通常ならなかなか捕まらないが、街の中に隠してあったり、NPCにもらえたりするにんじんを使えば簡単に捕まえることができる。


プレイヤーが捕まえたうさちゃんはその場でデフォルメされたうさちゃんの描かれているカードになり、そのカードは所有者以外は触ることができない。


他のプレイヤーの持っているカードを手に入れる方法は同じ枚数同士での交換。もしくはイベント終了1時間前から兎博場(とばくじょう)で開催されるうさちゃんレースに出場して勝つことのみ。うさちゃんレースに勝った場合は他の相手の出場うさちゃんを全て手に入れることができる。


午後7時になったらうさちゃんのカード化及びカードの所有者変更が不可になる。


また、手持ちのうさちゃんカードは明日から一ヶ月後までの間、全て原寸大のうさちゃん人形と交換可能になる。また、同じシリーズのうさちゃんカードを(金)以外の4種類集めた場合特別な報酬と交換可能。出現数の少ない(金)のうさちゃんカードは単体でまた別の特別な報酬と交換可能。っと。


・・・うん。多分内容はこんな感じであってるはず。

というのも多すぎるんだよ!余計な文章が!より具体的にはこれを書いたであろう運営のうさぎ愛が!気持ちは良く分かるけども!


まぁいいか。今回のイベントのルールはだいたい把握した。となれば次は行動あるのみだな!目標はただ1つ。全報酬のコンプのみ。つまりは全種類のうさちゃんカードを2枚ずつ集めればいいわけだ!

ちょっと出遅れたけどうちのパーティは索敵能力に優れているし、プレイヤーじゃ入れない狭いところに逃げ込んだうさちゃんも追いかけられる。これぐらいのハンデは軽く跳ね除けてみせる!


・・・というかそれ以前に街に放たれてるうさちゃんの数が多すぎるような気もするんだよな・・・本通りの方からうさちゃんを捕まえたって声がひっきりなしに聞こえてくるし、俺の耳にもうさちゃんのたしたしという足音がいくつか聞こえてきているし・・・運営の目的がプレイヤーにうさちゃんを捕まえさせる事じゃなくて街中をうさちゃんで埋め尽くすことなんじゃないかと疑うレベルだな。

まったく、うさちゃんが脱走したって設定はどこへ行ったんだか・・・はっ!まさかこの街の地下には超巨大なうさちゃん牧場が存在するとか!?

・・・ここの運営なら微妙にありえそうで困る。


さて、謎の地下施設なんていう定番の都市伝説は置いておいて、とりあえずみんなを召喚してうさちゃんの確保に向かうことにしますかね。サモンサモンサモンっと。


「きゅい!」

「ホー!」

「メェエ」

「~~?~~!」

「・・・にゃむ?」


「ぶふぅっ!」


いつも通り召喚されたみんなのいつも通りじゃない姿に思わず吹き出してしまった。

だって・・・だって・・・全員うさみみとうさしっぽが生えているんだもの!誰だってかわいすぎて吹き出すって!!


「きゅい!」


まず最初に動き出したのは我らがエースアタッカーボーパル。この場にて唯一いつもと姿が変わらないボーパルは『みんなあたちとおそろいなの~!』とでも言いたげに召喚したみんなの周りをぴょんぴょんと回っている。いつもならそんなボーパルを抱きしめてもふもふしたい衝動し駆られている所だが今日だけは流石に他のみんなの方が気になる。


「ホ~?ホ~?ホゥー・・・ホゥウ!?」


ボーパルの次に召喚されたミズキは突然吹き出した俺に不思議そうに首を傾げ、その首の動きに遅れるようにうさっ!と動いた自分のうさみみに始めて気づいたらしく、なんとか視界に入れようとぐぐぅ~っと頭を後ろに倒してそのままバランスを崩してひっくり返っている。ひっくり返ったことで見えたミズキのお尻はふわふわだった尾羽がもこもこのお団子さんみたいなうさぎさんしっぽになっているな。


うわ~なんというか・・・すごく握りたい。むぎゅってしたい。むしろ、むぎゅってした。

怒られた。『転んだレディーを助け起こしもせず、お尻を握るとは何事ですか』って怒られた。言葉は分からないけど多分そんな感じ。ゴメンよミズキ。反省はしていない。後悔もしていない。また、今度触ろうと思う。


「メェエ」


アイギスは・・・いつもと変わらないな。頭の天辺のヤギみみのすぐ内側から新しくうさみみが生えている上に、ちっちゃなヤギしっぽがまん丸うさしっぽになっているのに一切気にした様子も無く、そんな事より食い物寄越せって顔をしている。

まぁ確かにお前はそういうやつだったよ。自分の体がうさぎになったとかならともかく、ただ感覚の無いうさみみとうさしっぽが生えたぐらいじゃ気にもとめないのな。うん。将来大物になりそうだよお前は。


でも俺は気にするから撫で回すけどな!ほうほう。もふもふでふかふかでやわらかくて暖かいな。ん?なんで暖かいんだ?うさみみカチューシャ的な扱いだと思っていたんだが一応肉体の一部みたいな判定なのかね?もふぅさ、もふぅさ。・・・怒られた。『邪魔』と、ど突かれた。でも、クッキーあげたら機嫌が直った。アイギスさんマジチョロイン。お母さんはいつか騙されて攫われるんじゃないかと心配です。まぁ、扱いやすくていいけどね。


「~~~~?~~~~~¿¡~~!~¡」


召喚されて速攻で自分の頭からうさみみが生えていることに気がついたらしいティーニャは『ナニコレ!?ナニコレ~~~!!』って感じの事を叫びつつ視界の隅に映っているうさみみの先端へと短い手を伸ばしながら後ろへ飛んで・・・結果グルグルと振り回されるヨーヨーの様に空中で無限バク宙をキメている。

徐々に加速している回転速度とティーニャだと思われる金の軌跡から響いてくる楽しそうな悲鳴から察するに、うさみみを触りたいという当初の目的を完全に忘れてジェットコースター的なスリルを満喫しているんだろうな。

外だったら止めているところだが、街中ならダメージは喰らわないし、ティーニャの気が済むまで。というか壁に頭をぶつけるまで回しとこうかな。見てる分には楽しいし。


「・・・にゃあん・・・」


最後はノゾミなんだが・・・なんだかすごく落ち込んでるな。

自前のネコミミも増設されたうさみみも両方をへにゃんと垂らして、座り込んだ自分のお尻の方を見てため息をついている。

そんなに落ち込まなくても・・・俺はいいと思うよ?うさ耳猫。なんかバグが多そうな名前だけどさ。


「あっ・・・」


なにかに落ち込んでいるノゾミの視線を追った先。そこにはノゾミのしっぽがあった。

いつもの細く長く、しなやかなしっぽではなく、丸く小さなポンポンのようなしっぽが。

自分で歩くときは立派な尻尾をくゆらせ、上品に歩くのが好きな事を知っているだけにこの変化はちょっとかわいそうかもな。

堂々と歩くノゾミのしっぽがこんなかわいらしいまんまるしっぽだなんて・・・かわいくていいんじゃないか?むしろいいんじゃないか?

と思ってたのが顔に出たのか『見世物じゃないのよ!』とでも言いたそうなノゾミに座ったまま両のおててで頬をむぎゅ~と押された。

心底嫌そうな顔をしててもけっして爪が当たらないようにしてくれるノゾミ様マジ優しい。ありがとうございます。


ゴチン!!


「っ~~~~~~~!!」


あ、後方でティーニャがついに地面に頭を打ち付けたっぽい。いい音したな~。

って、あ~あ~、痛かったのは分かるけど、地面をゴロゴロ転がったら服に汚れが付きまくるぞ?あー、ティーニャがどんどん薄汚く・・・


「・・・んにゃ~!」

「~~~~!?」


と、そこへ転がるティーニャをチラチラ見つつも必死で自分を抑えていたノゾミが我慢しきれず飛び掛ってキャットファイトに!

まぁ、転がるティーニャをノゾミがぺちぺちと叩くだけで全然ファイトじゃないけども。

叩かれているティーニャも楽しそうだしまぁいいか。ノゾミは興奮が収まったらはしたない事をしたと、恥ずかしさで悶えてそうだけどもそれもまたよし。


さて、みんなの姿も一通り確認したことだし、本格的にうさちゃん捕獲に行きますかね!目指せ報酬コンプでうさちゃん祭り!


-------------------------------------


「よっし!ちびちびうさちゃん(金)2枚目ゲット!!これで全うさちゃんカード2枚ずつゲットだぜ!!」


「きゅい!」


時計を確認するとイベント終了時刻の10分前だった。いや~危なかった。というかちびちびうさちゃんが見つけにくすぎるんだよ。他のうさちゃんはキャベツ1玉ぐらいの大きさがあるのにちびちびうさちゃんは手の平サイズだからな。そりゃあ探すのにも骨が折れるってもんよ。

いや~にしても無事に見つかってよかった。

途中ミズキ達、イベント限定うさみみ部隊が中学生だか高校生だかの女子集団に捕まってみんなでスクショを撮ったり、ボーパルをシークレットのうさちゃんだと勘違いして捕まえようとしたプレイヤーが周りにいた闘技大会を見ていたプレイヤーに『死にたくなければ止めろ!』と全力で押さえつけられたりという事を何セットかやっていた所為でギリギリになったが終りよければ全てよしだな。うんうん。

ただ、1つ言いたいのは・・・うさちゃん達俺が触った時点でカード化されちゃうから全然もふもふ出来ない!ってことだな。

まったく。もふもふコロコロなうさちゃんが目の前にいるのにもふもふすることが出来ないという、なんという生殺し!このイベント本当にメトの設計なのか?あ~でも捕まえたモンスターをカード化とかテトの趣味っぽいな。このカードもトレーディングカードっぽいし。


となるとやはり報酬のうさちゃん人形に期待だな。メトならばやってくれると俺は信じてるよ。いつか完成したらマイホームにも飾ろうかね。こう・・・ひな人形てきな感じで。時期的にぴったりだし。


「あ、ユウがいるデス!」


「んん?おお、エルか!アトリエの外で会うのは珍しいな」

「ホー!」


架空のうさちゃん人形をもふもふぎゅーする妄想にふけりつつボーパルを抱きしめていたら背後から大声で名前を呼ばれたので振り返ると頭からうさみみを生やしたエルが大きく手を振りつつこちらに駆け寄ってきた。

・・・そうだよな。ミズキ達でもうさみみが生えているんだからNPCにも当然生えているよな・・・


「こんなところで会うなんて奇遇デース!」

「そうだな。じゃ、すまんけど急にアトリエに行かなくちゃならない用事を思い出したから俺はこれで」


残り1分!急げばまだ間に合うか!?否、間に合わせるんだ!


「アトリエデスか?でも今はアトリエは締め切っていて誰も入れないデスよ?うさみみフィアがあまりにもかわいかったデスから撫で回していたら締め出されたデス・・・」

「なん・・・だと・・・」


脳裏で思い描いていたフィアちゃん(バニーガールver)がバリーンと音を立てて崩れ去っていく・・・

くそう!俺はなんともったいない事をしてしまったんだ!女の子達と記念写真を撮っている暇があったらアトリエに駆け込んでいたら・・・!まぁ、あれはあれで楽しかったけどさ。

はぁ、しょうがない。今度アトリエ行くときにうさみみカチューシャを作って持っていくことにしよう。そうしよう。


ババーーーン!!


『メトだよ~~。みんなお疲れ~。現時刻をもって捕まえたうさちゃんのカード化及びうさちゃんカードの所有者変更が出来なくなるよ~』

『テトだぜ。明日の0時以降になれば所有しているうさちゃんカードを各種景品と交換できるようになるぜ。一度交換したら返品は出来ないからよく考えて交換しろよ?ちなみに交換期限は1ヶ月だ。それを越えたら交換出来なくなるから注意な!』


消沈した気持ちのままエルと別れてすぐに、いつかの闘技大会の時みたいに空中に映像が浮かび上がった。ん~、今日のイベントはこれで終りか。結局うさちゃんがもふもふできなかったことが未だにもやもやしてるんだが、人形との交換は明日なんだよなぁ・・・。


『・・・さて、確かにうさちゃんのカード化と所有者の変更は出来なくなるんだが・・・』

『みんな気づいてるかな~?まだうさみみとうさしっぽが付いたままだっていう事に!!』


「きゅい?」


うさみみと言われてついボーパルの方へ振り向いてしまったがボーパルはイベント時も普段も見た目が変わらないから分からないな。ん~、確かにミズキ達の頭からは未だにうさみみがうさうさと揺れているな。もちろん俺の頭にも。でも、だからなんだっていうんだ?


『うさみみがまだ残っている。それはつまり・・・』


『『イベントはまだ終っていないってこと(だ!)』(だよ!)』


『リリース!』


なんだなんだ!?

メトの言葉が響いた瞬間ストレージにしまってあったはずのカードが勝手に飛び出してひかってるぞ!?

と、思ったらすぐに光は収まった。いったい、何だっ・・・たん・・・だ・・・


「「「きゅい!」」」


『きゃ~~~~~!!うさちゃんが!!うさちゃんがいっぱい!!!じゃ、私は降りてるから後よろしくね!ダイブイン!』

『あ、おい!あ~・・・行っちまったか。まぁこうなるだろうとは思ってたが・・・さて、それじゃあメトの分も俺から説明させてもらうぜ―――』


そこから先テトが何て言ってたのかは殆ど覚えてない。確か、手持ちのうさちゃんカードが全て友好的な性格で召喚されたとか、イベント終了と同時にカードに戻るとかそんな感じだった気がするがどうでもいい。

今はどうすれば目の前に広がる天国(ヘブン)を最も堪能できるのか考えるので忙しい。


「「「「「きゅい」」」」」


これはもふもふうさちゃん。スタンダートなうさぎスタイルでボーパルに近い見た目をしている。ピンと伸びたおみみとクリクリしたおめめがキュートでちょこちょこと忙しなく動く姿もかわいい!スタンダートな白色もいいけどかわいらしい桃色も大好き。もふもふ。


「「「「「きゅい~」」」」」


こっちはふわふわうさちゃん。全身がふわふわの毛で覆われていて伏せて耳を倒したらまんまるのお饅頭にしか見えない。動くのは得意じゃないらしくあちらこちらでお饅頭が量産されている。どう見ても首の存在しない一頭身なふわふわうさちゃんだが、ふわふわなその体に手を突っ込んでみると確かにお饅頭の中身が他と同じうさちゃんの形をしているのが分かるが、そんな事より手触りがふわふわでやばい。包まれてる!俺の手がふわふわうさちゃんの中に包まれてる!!ふわふわ。


「「「「「きゅう!」」」」」


そしてこっちがたれみみうさちゃん。他のうさちゃんと違い頭の左右に垂れているおみみがチャームポイント!柔らかな耳の下に手を差し入れてたぷたぷするとたぷたぷした方向へと少しずつ首が傾いていく。あ~んもぅ、ホントかわいいなぁ。たぷたぷ。


「「「「「きゅぃ」」」」」」


次がちびちびうさちゃん。手のひらサイズのちっちゃかわいいうさちゃんだ。両の手に一羽ずつちびちびうさちゃんを乗っけるだけでもう幸福メーターが限界突破する!ついでにもふもふメーターとうさうさメーターもメーターをガンと振り切ってるぅ!もみもみ。


「きゅい!」


そしてこれがボーパル。かわいらしい見た目と圧倒的な戦闘力を持つわれらがエースアタッカー。って、なんかさらっとボーパルもうさちゃんの海に紛れ込んでる!まぁかわいいからいっか!もふもふ。


「あ~もう我慢できない!とうっ!」


地べたに座り込みうさちゃん+αをもふもふしていた俺だが一羽ずつしかもふれない状況についに我慢が出来なくなってうさちゃんの海へと頭からダイブする。


「もしゃもしゃもしゃもしゃ~~!」


「「「「「きゅい」」」」」

「「「「「きゅい~」」」」」

「「「「「きゅう!」」」」」

「「「「「きゅぃ」」」」」」

「きゅい!」

「ホー!」

「メェエ!」

「~~!」

「・・・にゃん」


あ~、幸せ。手も足も顔ももふもふがもこもこでふわふわだ~。ん~背中に感じるほのかな重みと柔らかな体温はもふもふうさちゃんかな~?それともノゾミかもな~。あ~、一生ここに住みたい。ふわふわな雲の中を泳いでいる気分~。ふわぁ~。


あ、そう言えばストレージに余ったニンジンが入れっぱなしだったような・・・。っと、あったあった。

みんなたべりゅ~?


「「「「「きゅい~~!」」」」」


たべりゅ!と返事をしたのであろう、うさちゃん達が目を輝かせて一斉に俺へと群がる。その数100近く。


「「「「「「きゅい~!」」」」」」


もう~。そんなに慌てるなよ~。全員の分・・・は無いけどみんな仲良くね~。


「「「「「「「きゅい~!」」」」」」」


はぅぅ~背中に!俺の背中に沢山のもふもふ気配が!はぅ!だれか今にんじんを持った俺の手をなめた!チロって!チロチロって!


「「「「「「「「きゅい~!」」」」」」」」


むぎゅっ!ちょ、ちょっと待とうか。たしか俺がカード化したうさちゃんって100羽ぐらいだったよね?

こんなに重かったっけ?というかどんどん増えてない!?


「「「「「「「「「きゅい~!」」」」」」」」」


むぎゅぎゅぅ~。つ、つぶれる~。このままじゃうさちゃんにまみれて死んじゃう~。

なにそのうらやましい死に様。意外といいかも・・・身動きは一切取れないし圧迫感もすごいけど痛くは無いしもふもふな感覚が全身に・・・

あ、幸せ。俺今幸せだったわ。苦しいけど。


「「「「「「「「「「「きゅい~!」」」」」」」」」」」


よっしゃドンと来い!かわいいもふもふならいつでも大歓迎だぜ!ははははは!はははははは!はははh――――


-------------------------------------


ガバっとベットの上で跳ね起きた。

部屋は真っ暗だが、カーテンの隙間から漏れてる月明かりに照らされた部屋は俺の部屋で間違いない。

え、まさかの夢オチ・・・?


と思ったがそうではないらしい。枕の傍らの定位置に置かれているFWOのハードにエラーメッセージが出ていた。

なんでも街中で行動不能の状態になって一定時間経過したから強制ログアウトしたらしい。所謂※いしのなかにいる※対策だな。

街中じゃ、ダメージを喰らわないから死に戻りもできないし、腕が動かないとメニューからログアウトを選択することも出来ないからな。

んー、でもセーフティが発動するほど長くうさちゃんに沈んでいただろうか、と思って時計を見るとそろそろ夜の10時になろうかという時間だった。

7時からうさちゃん達が実体化をしていたからもう3時間経過しているわけだな。そしてうさちゃん達と触れ合える時間は後2時間しかない・・・と。


「ダイブイン!」


そこまで分かった時点で脊髄反射の如く最速で再びFWOにログインした。

ん~、そうだなぁ。次は始まりの街のどこかで俺と同じくうさちゃん団子になっているであろうシルフと合流してうさちゃんの見せ合いっこをするのもいいかもしれないな。あるいはうさちゃんを引き連れてアトリエに突撃するのもいいかもしれん。工房の中を隙間無くうさちゃんで埋める感じで!あ~でもエルがアトリエは締め切っていて入れないって言ってたけどどうなったのかな?まだ入れないのかね?


んー、もう!やりたいことがいっぱいあるのにイベントの時間が短すぎるんだよ!どうして明日ってのは、こんなに早く来るのかね?もっとゆっくりしていけばいいのにね。


「「「「きゃ~~~~~!!」」」」


「「「「きゅい!」」」」


ふわっと降り立った噴水広場には沢山のうさみみ女性プレイヤーとその何十倍ものうさちゃんが溢れて戯れていた。

なにこのヘブン・・・そう思っているのは俺だけじゃなく、外から見た自分の姿とかを一切気にせず、さっきまでの俺みたいにうさちゃんと戯れているうさみみ女性プレイヤーも、ちょっと赤い顔をしつつうさちゃんと戯れるうさみみ女性をチラチラと眺めている男性プレイヤーも同じだろう。


なんだここは。うさぎさん天国か?いや、ついさっきうさちゃんに押しつぶされたばっかりだからどちらかと言えばうさぎさん地獄か・・・ありだな!


「「「「きゅう!」」」」


そして俺が現状の把握をしたとほぼ同時にまた勝手にストレージが開き、ポポポポーン!とうさちゃん達が飛び出してくる。空中でくるっと回ってシュタッ!っと着地したうさちゃんたちは流石はボーパルと同じ種族だけはあるな。何羽か着地に失敗してコロンと転がっているところがまたかわいい!

そしてそう思ったのは俺だけじゃないらしく広場中でうさちゃんと戯れていたうさみみ女性の皆さんが一斉に肉食獣の目をしてこちらを見つめてきた。

あー、ここにログインした時点でちょっと遊んでいこうと思っていたから俺のうさちゃんを提供するのは全然構わないんだが、気のせいか何人かの視線がうさちゃんじゃなくて俺をロックオンしているような気がするんだが・・・


まぁいっか。というか俺を見上げるつぶらな瞳ともふもふな毛玉を前にこれ以上我慢とかマジ無理だから!

とぅ!


「「「「きゅい~」」」」


-------------------------------------


そして結局日付が変わってうさちゃんが全てカードに変わるまで俺は噴水広場から出ることは出来なかった。もふもふには勝てなかったよ・・・


あれから、うさちゃんの山に頭から突撃して全身でもふり回していたんだが、途中何故か俺までもふられたり。シルフやメトが乱入してきたりと色々あったがそんな事よりもうさちゃんがもふもふだった。


メトよくやった。来年も必ずやると言っていたが来年と言わず来月でもいいのよ?むしろ来週でもいいのよ?毎日は・・・流石に毎日徹夜はキツイからやめて欲しいけどさ。


さて、うさちゃんもみんなカードに戻っちゃったし、お楽しみの交換タイムといきましょうかね。

ん~と、まずカード単品で交換できるのはうさちゃんぬいぐるみセットだな。うさちゃんの手触りを100%再現したとメトが豪語していたやつだな。これは欲しいが先に全色コンプで交換できるものを確認してから・・・なん・・・だと・・・


まずはうさちゃんが関係なさそうな各種報酬とうさちゃんきぐるみ各色。これはいい。予想通りだし。

問題なのはうさちゃんシリーズ家具全5種類・・・ふざけるなよ!金以外の4色集めてやっと5種類ある家具のうち1つとだけ交換できるとか全部集めようと思ったら全色5枚ずつ集めないといけないってことじゃないか!そういう事は最初に言えよ!という怒気を瞳にこめてメトの方を振り向いたら既にログアウトしていたのか影も形も存在しなかった。


それからは一緒にうさちゃんをもふもふしていた元うさみみ女性プレイヤー達やシルフと共に暴れまわってやろうかと計画していたんだが、ひょっこり現れたタクが、所有者変更不可はうさちゃんカードだけなんだからうさちゃんカードと交換した報酬を交換するなり買い取るなりすりゃいいんじゃね?と言ったことであっさり鎮火した。俺もちびちびうさちゃん家具5点セットとふわふわうさちゃん家具5点セットを手に入れられてホクホクだ。でも、よく考えたらベットとか2つあっても要らないな・・・


まぁ、かわいいからいっか。鑑賞用にするなり、気分でベットを変えるなりすればいいだけだしな。

とはいえ、家具を置く為の家がまだ無いんだが・・・うさちゃんシリーズの家具がかわいかったからね。しょうがないね。


さて、報酬の交換も終えたし今日はもう落ちて寝ることにするかね・・・

はぁ。今日は楽しかった。後半俺だけ時間が10倍速で流れていた気もしたけど十分楽しかった。さすがはメトだな。ひな祭りイベントを潰してまでうさぎの日イベントをやるとは。しかも来年もやるって言ってたし。

でも、そういう自分に正直に生きていく精神。嫌いじゃないぜ。


それじゃあ、そろそろ寝ようかね。おやすみ~。


・・・あれ?何か忘れているような・・・?ん~、眠いしまぁいっか。

ちなみにこの日とあるアトリエではひな祭りの準備がしてあったらしい。

ただ、突如頭にうさみみが出現しウザくなった姉をアトリエから放り出した結果待ち人がいつまで経っても来なかったとかなんとか・・・


ちなみにこの話が3月3日はうさぎの日 !!(U・x・`)ウサッ!ver3だったりします。1と2はボーパルが増殖したり巨大化したりする話だったんですが分裂したボーパルを捕獲しようとした全プレイヤーが駆逐されたり、巨大化したボーパルの蹴りで世界が割れたりしたのでボツになり結果ひたすらもふるだけの話になりました。まぁね。ボーパルだからね。しかたないね。

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