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1匹目 FWO始めました

とあるサモナー小説に感化されて個人的に書いてた小説が5万字ぐらいになったのでちょこちょこ投稿しようかなーと思って入れました。

仮にどっかで見たことあるようなキャラが出てきてセリフが脳内再生されたとしてもそれは幻聴です。本作品とは一切関係ありませんので聞き流してやってください。m(_ _)m


「なあなあ祐よ、祐さんよ」

「んあ?何だよ急に、気持ち悪い」


 昼休み、退屈な授業も半分以上を消費しお楽しみの弁当をいざ広げようとしたタイミングで隣の席の悪友がいつもの様に机を真横にくっつけて、否、叩きつけて来た上に俺の顔のまん前に自分の顔を近づけ気持ち悪いにやけ面で俺に話しかけてくる。いやホントに気持ち悪いから。まじで、いつもの5割り増しでキモイ。


「なあなあFWOファンタジー・ワールド・オンラインって知ってるか?」

「……知ってるよ、散々ニュースでもやってるしな」


 全力で顔を後ろに引く俺に、なおもにやけ顔を近づけてくるこの悪友がいつにもまして気持ち悪いのもそのFWOのせいだしな。



 ……VRMMOというものを知っているだろうか?略さずいうとヴァーチャルリアリティマッシブリーマルチプレイヤーオンラインとか言うものらしいが、まぁそんな長ったらしい名前はどうでもよくて。

 ようは実際にゲームの中に入ったように見て、聞いて、触れるゲームらしいのだが、このゲーム機は、もはや別の世界に入る為の扉の様な物というのは俺の妹の言だ。

 ともかくそんな最新ゲーム機の新たなゲームが今日発売される。それがFWOだ。VRMMO初となる本格アクションファンタジーゲーム。剣あり魔法ありのファンタジー世界でプレイヤーは自由に旅をしてモンスターを狩ったり、店を開いたり、畑を作ったりと、とにかく自由度の高いゲームになっているらしい。

 そして何を隠そう俺の目の前にいるこの悪友はそのFWOのベータテスターの権利を抽選で見事引き当てた豪運の持ち主であり、5日前から店に並ばなくてもサービス開始と同時にFWOを満喫できるのである。……爆ぜればいいのに。


「……なんか一瞬寒気がしたんだが」

「気のせいじゃないか?……それで?そのFWOがどうしたって?また単なる自慢話だったらもぐぞ」


「なにをだよ!?てかこええよ!お前が言うと冗談に聞こえねぇんだよ!」

「……ほぅ。じゃあ手始めに耳から行ってみようか」


「やめろ!耳なしタクマには成りたくねえ!」


 そこまでじゃれあった所でようやくタクのやつは顔を離して自分の席に着いた。

 両耳を押さえて細かく震えているのは大げさにすぎるだろう。


「んで?そのFWOがどうかしたのか?」


 俺は中断していた昼食の準備を再開しつつ暇つぶしに話しに乗ってやる。何だかんだ言いつつ俺もFWOにはそれなりに興味があるしな。


「そう!それだよその話だよ!ムフフ~聞きたいか?聞きたいだろう~?」


 途端顔を上げまたあのにやけ面に戻るタク。

 ……キモイ


「……キモイ」

「刺さった!俺の心にクリティカルヒットだよ!」


「おっとすまん。つい本音が出ちまった悪かった……でどんな話なんだ?」

「お前のそれは謝る体を装った単なる追い討ちだよな!?」


「気にするな3割冗談だ」

「半分以上本気じゃねえか!しまいにゃ泣くぞ!……てぇいそんなことはどうでもいい。いや良くはないが、今はいい。それよりも」


 とそこまでいってまたずいと顔をこっちに寄せてくるタク。だからお前はいちいち顔が近いんだよキモイんだよ。


「お前もFWOやらないか?」


 半ば本気で目突きをやってやろうかと考えていたが続くタクの言葉でつい手を止めてしまった。チッ、命拾いしたな。


「……やれたらやってるよ。だがな、たとえ今からゲーム屋に直行しても5日前から徹夜で並んでいる人たちもいるんだろう?いまさら俺が何をした所で……」

「それでもできるとしたら?」


「……詳しく聞こうじゃないか」


 ニヤ~っと笑ういつもの気持ち悪い顔もこの時ばかりは若干頼もしく見えた気がした。


 ……いや気がしただけでやっぱり気持ち悪かった。



 その後のタクの御託満載の説明を弁当を食いながら聞いていた結果分かったのはタクがFWOをかなり前から予約していたが、ベータテスターの特典で1つもっているからそれを俺に譲ってくれるということだ。

 ちなみにここまで聞き出すのに昼休みが終わってしまったといえば、どれだけ御託が多かったかも分かるというものである。

 まあ途中で俺とふざけあってた所為でもあるが。


 てなわけで、ひょんな事から俺はFWOをプレイする機会を得た。

 サービス開始時間が迫っているとかで詳しい話は中でしようということになりタクは学校に隠し持ってきていたFWOのソフトを俺に押し付けるとダッシュで帰っていた。


 まったく。走った所で開始時間は変わらないだろうに。


 ……さて、走るか。


 今ならオクに流せばですごい値段になるだろうに譲ってくれるとは友達思いのいいヤツだなぁ、と思いつつここまでしてくれるのはもしかしてゲーム内で1人もフレンドが出来なかったからではないかと思い至りちょっと泣いた。せめて俺だけは友達でいてやろう。そうしよう。


 さてそんな悲壮な想像を繰り広げている間に午後6時。サービス開始時間だ。いっちょ行きますか!


「ダイブイン!」



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 目が覚めて最初に目に入ったのは真っ白な部屋。そして大きな鏡にうつる自分の姿。タクに聞かされた通りならば。ここはキャラクターエディットルーム。プレイヤーの容姿や名前。職業などを決める部屋だ。


 とはいえ容姿に関してはそこまで大きくは変えられないらしい。せいぜい髪の長さや色を変えられるぐらいで、性別を変えたり大きく体格を変えることは出来ないそうだ。何でもリアルの自分と余りにもかけ離れた容姿や違う性別でずっとプレイしているとリアルに戻った時に不都合がおきるとかなんとか……まあ出来ないものは出来ないので身長はそのまま。顔は、まぁ気持ち整えるぐらいで、髪は思い切り伸ばしてみるか腰ぐらいまで。色は黒のままでいいとして。よしこんなもんだろう。

 ぶっちゃけデフォルトにして、リアルとほとんど同じでもいいとは思うんだがそれをタクに言ったらリアル割れはこのゲームだとしょうがないにしてもなるべく防ぐべきだと言われた。俺はRPGのキャラ名とかはデフォがあればそれを使いたい派だったから容姿は妥協するとしても名前はユウにしておいた。これなら自分のキャラ名前を忘れる心配はあるまい。


 次に決めるのは種族。ヒューマン、エルフ、ドワーフとあるんだが……良く分からんからヒューマンにした。

 まあ大きく外れって事はないだろう。たぶん。


 最後に職業。と言ってもそんなに選択肢は無いらしい。このFWOでは転職というか上位職システムがあるらしく基礎職のレベルが一定まであがったらその職の上位職から好きな職を選んでクラスチェンジ。

 で、またその職が一定レベルまで上がったらクラスチェンジとツリー形式で職業が拡がっていくため最初に選べる所謂一次職はファイター(戦士)かマジックユーザー(魔法使い)かプロデューサー(生産者)になる。何か他にも珍しいのがあるらしいけど時間が無くて説明されなかった。

 この職業だが別に他の職の内容が出来ないわけではないし、だいたいのスキルも取得できるが自分の職にあったスキルならボーナスが入り、逆に合わないスキルなら効果が下がるらしい。


 せっかく魔法がある世界に行くのだからやっぱりマジックユーザーにすべきかと思っていたのだが、ふと目に付いたリストの一番下の職業を選択にしてOKを押した。


 さあこれで初期設定は完了。

 タクとの待ち合わせは最初の町のど真ん中にある噴水前だ。ログイン地点からでも見えるはずだといっていたので間違えることはあるまい。

 いざ行かん!ゲームの世界へ!


誤字脱字わんさとあると思うので見つけたら感想にでもお願いします。

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