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夏の狐のお話で。  作者: 雨音 傘
3/7

第三話  影

先週の投稿を忘れてしまいました。読者の皆様大変申し訳ありませんでした。

そのため、今回は文字数を増やしまして、3000字くらいです。

楽しんでいただけると嬉しいです!

大きな洋風な門が開くと、そこはまるで別世界のように広くて綺麗な庭だった。

長ーーーーーーーい車庫に車を入れ、立派な屋敷の中に入った。

「おじゃまします・・・。」

と小さな声で言ったのに、とても響いて大きく聞こえる。まるでホテルのロビーのような玄関・・・。

「おかえりなさいませ。結華様。」なんて言いながら横に並んでいるいお手伝いさん(?)が頭を下げてる。

「こっちですわよ。迷子にならないようお気を付けくださいまし。」

「ま、まい・・・ご?」

「ええ。部屋の数はざっと、80部屋くらいでしたかしら・・・?ですから、お気を付けて下さいまし。まぁ、玄関近くの部屋を選びましたから大丈夫だと思いますけど・・・。」

ニコニコっとしている鈴ヶ崎先輩と違い、80部屋と聞いて驚き、

「裕也!聞いたか!?80部屋だって!!すごいな!」

と、俺はつい小学生の様にはしゃいでしまった高校生の俺は「はっ!」となり

「ひ、広いお屋敷だよなぁ・・・!」

と、言い変え裕也の方を見ると、目を輝かせそわそわ、キョロキョロ・・・。

「お、お前のほうが、ガキじゃないかッ!!!」

俺がそう言うと

「え?いやぁ~、だってすごいじゃん!!広いし、何か、高そうなものいっぱいあるし、綺麗だし!!金持ちになった気分だなぁ!!なッ!篠木ちゃん!」

「えぇっ!?そ、そうですね!広いお屋敷ですね!!」

と、苦笑い気味に篠木さんが答える。

「はい、右の部屋が私と篠木さんの部屋。左が山寺君と宮田の部屋ですわ。遅刻のせいで予定がずれましたので、今は・・・8時40分だから・・・15分後また集合して9時には出発しますわ!昼からでは暑くなってしまいますし。では、一事解散!」

「「「はい!」」」

返事をし、金色のお洒落なドアノブに手をかける。ドアを開けるだけでこんなに緊張する日が来るとは。

・・・何てこった。音がしない。ガチャっという音がしないぞこのドア!

静かなドアを開けて入ると・・・

驚きのあまり言葉が出なかった。まるで高級ホテルの様な豪華で広い部屋。

わずかな自由時間は荷物整理に使おうと、重いバッグを高そうなーペットに置いたときに

思い出した。軽食いれていない!!軽食や水筒等の食料系は明日の朝入れようと準備していなかったのだ。

ナップザックの中をあさっていると、裕也が

「何だ?忘れ物か?」

「軽食と水筒忘れた・・・どうしよう・・・。」

俺は、この暑さで水筒がないなんて死ぬというのと、姉さんが準備してくれたであろう軽食のおにぎりを忘れたのがショックだった。読者の皆さん。この際だからはっきり言います。多分、俺はシスコンです。

・・・そんなことより、どうしよう。オロオロしていると、コンコンっとノックの音が

「失礼しますわ。山寺君、お客様がいらっしゃっていますわよ。」

誰だろう。まさかな、まさか姉さんが出てきたのか・・・?いやぁまさか。何年間引きこもってると思ってるんだと思いながら俺は玄関へ向かった。

ドアを開けてみると、そのまさか

「あぁ、うぅ・・・と、遥・・・し・・・ぉ忘れ物・・・。」

声が小さくて何言ってるか俺にはよく分からなかったけど、命の危機から救われたの確かだ。

「ありがとう!よかったぁ~」

「じゃぁね。バイバイ・・・。」

姉さんは微笑みを浮かべ帰った。久しぶりに外に出たから恥ずかしさと緊張で顔が赤かった。

部屋に戻ると、裕也がしれ~~っとした目で見てくるから

「・・・な、何だよ!」

と言ってみた。すると

「さっきの美人は誰だよ・・・。」

と言って来たから

「・・・俺の姉貴だけど。」

「いいなぁ~!俺兄貴しかいないからなぁ。お前にあんな美人な姉がいたとはな。・・・似てないな。」

「う、うっさいなぁ!!!か、関係ないだろう!?どーせ、似てないさ!美人な姉とはどうせ違うさ!知ってるよ、そんな事は!!」

「そうかなぁ・・・。私は似てるなぁって思ったよ?笑った顔とか、優しそうな雰囲気とか。」

いつの間にか、会話に入っていた篠木さん。

「えっ、わっ!し、篠木さん!?あ、ありがとう・・・。いつから、どうして・・・?」

「いつからは~・・・山寺君が部屋に入ってきたときだよ。一緒に入ってきたの。ドアに挟まれると思ったよ~」

「マジか。気づかなかったわぁ~。」

と裕也。

(こいつ・・・。あほだなぁ。気づいてやれよ・・・。)

「そぉーーーっと、入って来ましたから。どうしては、もう出発の時間だからだよ。」

ふわふわニコニコしている篠木さん。いつの間にそんな時間になったんだろうか。

荷物の整理は帰ってきてからにしよう。

ナップザック背負い、キャップをかぶりデジカメを首からさげたら玄関へ。鈴ヶ崎先輩は既にいた。

「皆さん、そろいましたね。少し、早いかもしれませんが・・・、出発!!」

九ノ里神社は鈴ヶ崎先輩の家から徒歩35分くらいのまぁ、歩く。

林の中が近道なんだとさ。蚊に刺されるのはやだなぁ。

最初の出発から10分後は会話も多めだったが20分後会話も少なくなり、朝にも係わらず30℃近い

クソ暑い林をただ歩く。森林の中も暑いのですね・・・。これぞ、猛暑。そんな中クソ裕也はひたすら何かを喋っているが相手をしている暇はない。しかし、俺は気になることがあったので口を開いた。

「あの、はぁ・・・もし、いたとして・・・はぁ、はぁ・・・どうすの?いたら・・・。」

「写真を撮って終りですわ・・・ふぅ・・・。」

「捕まえないんですか・・・?はぁ・・・」

「う~ん。狭いところに閉じ込めるなんて可哀相だよ?」

「そっか・・・。まぁ、そうだよね・・・はぁ・・・。」

また沈黙が続く。そのとき最後尾を歩いていた裕也が

「結華さぁん。つまんない。」

「山寺くぅん。暇。」

「篠木ちゃぁん。構ってよ。」

「しりとりしようよぉお。」

「篠木ちゃぁあぁん。しぃいいのぉおおきいいいぃいちゃああぁああん。」

と篠木さんの名前を叫ぶからから、優しい篠木さんは無視なかったのだろう。

「そ、そうですねぇ。じゃあ、しりとりでもしましょうか。」

苦笑いで篠木さんが構ってやる。ほっとけばいいのになぁ。

篠木さんと裕也がしりとりをしているのを聞きながら進んでいく。(以外に裕也が弱かった。)

意外とあっという間の17分経って、九ノ里神社へ。

「じゃあ、まずは御供え物のと御賽銭ですね。」

皆で、御饅頭を置いてお金を投げてガラガラ鈴をならし手を叩く。

あとは、待つ。カメラを構えてただ待つ・・・。

うーん。篠木さんと裕也のしりとりを聞いてるだけでは暇だ。(やはり、裕也は弱い。)

1時間経過。変化なし。皆、軽食を食べたり何なりと自由なことをしている。

2時間経過。変化なし。強いて言えば裕也のしりとりスキルが上がってきた。

3時間経過。変化なし。このまま4時間経過。

「やはり、そう簡単には遭遇できませんね・・・。そろそろ引き上げますか。」

と鈴ヶ崎先輩が言った瞬間。

『待たぬか。御主等。』

と女の人の声が聞こえた。

「え、ちょ、ちょっと待ってください。いぃ、今、待たぬかって、女の人が・・・!」

俺は皆にそう言ったが

「いいよ。今更そういう雰囲気出さなくても・・・。いいからもう帰ろうぜ。暑くなってくるぞ。疲れたし。」

と裕也。暑くもなってきたし、今日はここで引き上げた。峠道を下っている時、今さっき、俺の前に人影がサッっと素早く、驚く間も無く、通ったような・・・。あれ、人影だったか?動物に近かったような。いいや。気のせいだろう。きっと、この暑さで頭がやられているに違いない。

帰りもまた、篠木さんと裕也のしりとりはつづいた。

そして40分後鈴ヶ崎先輩のお屋敷に戻った。


最後まで、有難う御座いました。

次回もお楽しみに!

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