04レトロネットワーク
これまではレトロウイルスに酵素を混ぜて、その酵素を作り出すDNAを追加して合成する能力を得てきた訳だが、それだけでは出来ないことがある。
今回は自由にDNAを組み替える事が出来るようにする。
まずは、USBメモリに通信プログラムファイルとブラウザを入れる。それを用意していた物と一緒にビーカーに入れる。内訳は無線LANアダプタ、CPU、GPU、赤緑青の三色の発行ダイオード、コンデンサ、トランジスタだ。
それにレトロウイルスに感染した体細胞を投入する。
上手くいけば今後は必要無くなるが、保険に少しだけレトロウイルスに感染した体細胞を残しておく。
ビーカー内を混ぜ一日置く。
濾過し、霧吹きで吸い込む。
熱が出たらパソコンからレトロウイルスに無線LAN接続をして、感染中にRNAを書き換え、免疫の攻撃をを回避し、細胞内に常駐化する。
全身に広がったレトロウイルスは、パソコンからの指示で自由にDNAを組み替える事が出来る。
名付けてレトロネットワーク。
電子部品の性質を受け継ぎ、俺の体内のレトロウイルスはコンピューターウイルスの属性を得たのだった。