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02ビタミンC

 一日経った。

 もうレトロウイルスが培養している体細胞に感染したはずだ。

 体細胞を二つに分け、片方を保存しておく。

 そして今回はもう片方を使用する。

 培養している体細胞にL-グロノラクトンオキシダーゼを混ぜる。

 L-グロノラクトンオキシダーゼとはビタミンCことアスコルビン酸を作るのに必要な酵素だ。

 ヒトはL-グロノラクトンオキシダーゼ遺伝子の活性を失っておりL-グロノラクトンオキシダーゼを作ることができない。つまり遺伝子さえ正常であればこの酵素を作ることが出来るという事だ。

 今回の実験ではレトロウイルスで試しに俺の遺伝子を変える事と、ついでにビタミンCの合成能力を得る事が目的だ。

 レトロウイルスが変化するまで一日待つ。

 寝るか。


 起きる。

 変化したはずのレトロウイルスに感染した体細胞を濾過する。

 濾過された液体を霧吹きに入れる。口を開けて霧吹きを噴射。肺に吸い込む。

 咳が出たが我慢して、ある分全て吸い込み続ける。

 飛沫感染だ。

 感染したら体中の遺伝子にL-グロノラクトンオキシダーゼ遺伝子が追加されるはずだ。


 二日後、熱が出た。

 これは免疫が反応しているのだろう。

 レトロウイルス頑張れ、免疫手加減しとけ。


 一週間後、熱が下がった。

 俺は新たに自分の体から体細胞を採取し、民間業者の遺伝子解析所に送った。

 以前調べた結果と比べて、変化した部分にL-グロノラクトンオキシダーゼ遺伝子があれば成功だ。


 一週間後、結果が送られてきた。

 パソコンに取り込み、変化した部分を確認する。

 成功だ。

 アスコルビン酸は俺にとってビタミンでは無くなった。

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