雨が降り注ぐ中で。
愛してるって、心の底から言ってれば・・・。
ポツリ。 ポツリ。
冷たい雨が、俺の顔面に当たる。
何もかもが、冷たい。
雨も、 他人の心も、 君の体温さえも。
いつの間にか、忘れていた。
大好きだった君の存在。
もう、繰り返されることのない日々。
君と過ごした楽しかった時間。
忘れたくはない。 だけど、忘れたい。
思い出すと辛いんだ。 君が大好きだったから。
何もかもを失った。 もう、戻らない時間。
言葉さえ出ない。 気持ちが気持ちを押し殺す。
「不器用だ」って言われたことがあったよね。 事実だと思うよ。
嘘ばかりついて君を誤魔化して、 僕は約束を破ってばかり。
「ごめん」じゃ足りない。 それを上回る「愛してる」でもダメ。
もう、僕らの関係は壊れてしまっている。 そんなことはわかってる。
だけど、それでも仲直りしたくって君のもとへと向かう。
でも、君の居場所がわからない。 どこに行ってしまったのか?
あの時、追いかけていれば。 今さら後悔しても、もう遅い。
わかっている。 わかっているのに。 わかってるのに、駄目だ。
君を忘れることができない。
口下手でもよかった。 不器用でもよかった。
ただ、君に向かって踏み出す一歩,その勇気が欲しかった。
最初の告白, その時の「愛してる」だけじゃ、
時間が経ってしまえば、“偽り”になってしまうかもしれない。
だから、時々でいいから、「愛してる」の再確認をする必要があったんだ。
それなのに、僕は君が「さよなら」って出て行くのを黙って見送っていた。
つまらない意地で、君を不幸にさせてしまった僕。 すれ違う僕ら。
気付いた時にはもう、 君は隣にいなくって。
――後悔しても、時すでに遅し。
きっと、そういうことだろうな・・・。