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その3 私の楽しい夏休み?2

「サイ、寂しいが仕事だ、話は夜にしよう。」

殿下、ランさんはそういってさっていった。

...あの、手の甲にキスってはじめてされました。

高校生にはハイレベルな対応だと思いますが。


『サイラ様、入ってもよろしいですか?』

扉のむこうから声がしたよ、鍵、開いてたっけ?

「どうぞ、でも閉まってるかもしれません。」

空間術はこう言う室内空間では使えないし、手続き必要なんだよね、確か。

やっぱり、台が必要かな。


やっぱり、鍵がかかっていて、外から開けて入ってもらった。

「サイラ様、お久しぶりです。」

身長の高い(と言ってもルーアミーアでは標準かな?)女性が入ってきた...お久しぶり?

「あの~、すみません、覚えていなくて。」

この、紫の髪の毛に青い瞳の美人は知り合いなのかな?

「...お忘れなのですね、サイラ様付きの女官、リゼーニナ・モニセルですわ、まあ、サイラ様はお小さかったから覚えていませんわね。」

ごめんなさい、全然覚えてません。

極力、あのカエル事件忘れようとしてたし。お父さんがあんまり、アイリルア公領につれてきてくれなかったから。

ルーアミーアってあんまり来たことないんだよね。

お正月に本家に行くくらい?

アイリルアのおばあ様も分家の挨拶は受ける必要ないからねって新年会も出してくれないし。

分家の人知らないなぁ。


「女官って何をするんですか?」

リゼーニナさんに聞くと。

個人秘書みたいな仕事なんだって。

仕事管理したり、予定管理したり、良家の子女が行う仕事場で。

資格も半端なくとるらしいエリート職らしいです。

侍女もまた、違う職種でやっぱり、資格が沢山必要らしい。

絶対に私にはできないよ。


「私が何でサイラ様を知ってるかと言うと、サイラ様が王宮に遊びにこられてた時、よく、ランティス殿下に泣かされたサイラ様をよく、なぐさめていた、ニナ姉さんだったからですわ。」

....本当に覚えてないや。

....ランさん、子どもの頃何をしてくれたんだろう...よっぽど、いやだったのかな?

「そうですか、改めてよろしくお願いいたします。」

私は頭を下げた。

「はい、よろしくお願いいたしますわ、サイ様と呼んでもよろしいですか?」

リゼーニナさんはにっこりして言った。

「はい、ニナ姉さんとお呼びしてもいいですか?」

覚えてないけど頼りになりそう。

「はい、公式の場では、モニセル女官ですが、普段はそれで結構ですわ。」

スゴく嬉しそうだから正解だったかな、お願いして。


「午後から婚約発表記者会見があります、盛装はお持ちじゃありませんよね、ドレスの方の事ですわ。」

ドレスの方の盛装は持っていません。

...って婚約発表記者会見ですか、いきなり。

「正装、正しい服装の方なら空間管理師仕様学生バージョンがありますが。」

学生にドレスは必要ないし。

...卒業レセプションのあとなら持ってるだろうけど。

「正装でけっこうです、見せていただけますか?」

ファッションチェックですか?


「....やっぱり、高校生の正装ですわね。」

リゼーニナさんが言った。

...そうだよね、空間管理師だから、マントとかつけてるけど。

大人がつけてるみたいな、仕事用の正装のような高級感はないよね。

どこでも一応大丈夫なんだけどさ。

「...不味いですか?」

ランさんは大人でしかも、この国の王太子だし...。

ま、私、場違いな婚約者だしね、ランさんが思い直して、諦めてくれれば。

安心して空間管理師になれるのに。

「いえ、かえって爽やかな印象付けに良いかも知れませんわ。」

気を取り直してリゼーニナさんが言った。

爽やかな印象付けってなにさ。


「サイラ様、ご存じですか?殿下のスキャンダルを。」

リゼーニナさんが言った。

...知ってるよ、美人女優と付きあってたのに、捨てたとか。

どこぞの姫とご成婚間近だったのに別れたとか、でてたよ。

「知ってます、全部でたらめだそうですね。」

自分で調べて、ルリトに問い合わせて聞いたんだ。

だって、好きな人がいるのなら、そちらと結婚してほしいから。

「わかっていただけて幸いです。」

リゼーニナさんはにっこりと微笑んでいった。


取り敢えず、午後まで、荷物ときをしたり、お茶飲んだりして過ごした。

お茶は烏龍茶っぽいお茶なんだよね、ルーアミーアって。

お菓子は、クッキーだった、きれいだな。


「サイラ、話は聞いたと思うが、記者会見では、微笑んでいてくれれば、私が進める。」

お昼御飯に現れた、ランさんが言った、わざわざ来たのかな?

「わかりました。」

変なこと言わない方がいいもんね。

「まだ、しっかり説明してないのに、すまない、私を信じてほしい。」

殿下は言った。

「...私より、適任がいるのではないでしょうか?」

もっと、美人女優とか、どこぞの王女様とか。

私のような平凡な空間管理師志望の高校生なんかより、ずっといいと思う。

「私は、貴女しか妻にむかえる予定はない、貴女は迷惑かも知れないが、そのつもりで今後は人生を生きてもらいたい。」

やや、強い句調で殿下に言われた。

...私の今後の人生は、殿下のものなのかなぁ...ハア。

「困ったことがあったら、何でも、言ってほしい、貴女は私のものなのだから。」

こんな、美青年にいわれたら、きっと本当ならドキドキだよね。

...ハア、なんでため息しかでないんだろう。

「わかりました。」

今のところ、あなたが悩みの種なんですとは言えないよね。

おいしい、料理なのによく、あじがわからないや。

...食後、また、手の甲にキスされた。

「サイの手はきれいだな。」

すみませんね、労働しらない苦労知らずの手で。


「ランティス王太子殿下は、いつ頃からサイラ・アイリルアさんとお付き合いしていたのですか?」

お付き合い?超最近というかしてないし。

「サイラとは、幼馴染みで最近だ。」

ランティス王太子殿下は微笑んだ、スゴいよ。

「いつ頃、結婚されるのですか?」

知らないよそんなの...私が聞きたいくらいだよ。

「サイラが高校生なのでまだ、未定だ。」

考えてくれてはいるんだね。


婚約発表記者会見で次々質問がかけられる。


「サイラ・アイリルアさん、殿下の事を愛してらっしゃいますか?」

私は指示どうり微笑んだ。

「愛してらっしゃるのですね?」

更に突っ込まれた。

...まだ、わからないよ、美青年だとは思うけど。

困惑して、ランさんを見上げると。

ランさんは微笑んで代わりに答えた。


「サイラの事は、生まれる前から愛している、サイラも、その事はわかっている。」

ランさんがそうに言って私を、だ、抱き締めた。

...カメラでとられてる、何か、人生終わった気がするよ。


「すなかった、夜にでもゆっくり話そう。」

記者会見の後、私を抱き寄せて、額にキスをしてから。

ランティス王太子殿下は忙しそうに仕事に戻った。

...良いけどさ、抱き寄せて、額にキスも高校生には刺激的なんですよ。

特に私、彼氏居たことないし...。


なんで、こんな事になっちゃたんだろう。

数日前までは、呑気な高校生が。

王太子殿下の婚約者?

本当に私の人生どうなるのかな?

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