殿下のお気持ち1
私はランディス・パリュデス・ルーアミーア。
ルーアミーア王国の王太子だ。
「また、女性と噂話をたてられたそうですね。」
従弟のルリト・アイリルアが言った。
政治官2級を取得して父親のアイリルア公について修行中だったな。
「.....何故かな、ただ単に談笑しただけで、御成婚間近ってなんなんだろうな。」
確かに、王室の独身男なんてマスコミのいいえじきだが。
「殿下、女性の影無さすぎですから。」
ルリトは有りすぎだろう。
「女性に興味ないですか?」
女性にか?...子どもの頃は好きな子がいたな...あの....。
ああ、ルリトの姉だ、サイラ・アイリルア...何故かここ十年くらい会ってない。
「姉上は元気か?」
ルリトに聞くと怪訝そうな顔をされた。
何故だ?
「殿下の方がご存じだと思いますが。」
ルリトは言った、どういうことだ。
「姉はランディス王太子殿下の所有物ですから、情報は端末に詳細に送られているはずです。」
...所有物?なんの事だ。
...端末?開いてみるか。
「これか?個人情報だらけだな。」
そこにはサイラ・アイリルアのスリーサイズから。
趣味の遺跡巡りの事にいたるまでことこまかくにデータ化されていた。
毎日更新状態だな、この本日の健康状態なんて。
...一体どういう訳だ。
「姉は母親のお腹の中の状態から、殿下のものと聞いています。」
そんな話は聞いてないが。
「サイラ・アイリルアは知っているのか?」
知っていて嫌だから来ないのか?
「知りません、オレだって、政治官2級とってはじめて父さんと陛下から聞かされたのに。」
父上か?全容をご存じなのは。
「父上のところへ行ってくる。」
「あれ?ランディスにいってなかったっけ?おかしいな?」
父上は首をかしげた...聞いてません。
「私は、女性を所有物にするほど変態ではありません。」
サイラ・アイリルアには少し。
いや、大分惹かれるが、そう言う関係からはじめてはいけないはずだ。
「別に、恋人とか、の関係にしなくても...嫌、私なら絶対に囲うけどね。」
何を言ってる?父上。
「ランが最優先って言う契約なだけで、いらなければ、私がもらうよ、アイリルアの一族になんて渡さないし。」
ち、父上?サイラは...。
「サイラは父上の姪ですよ。」
冗談だろう?
「で、君の従妹、サイちゃんの事嫌い?」
...嫌いではないな。
「ラン、所有物っていう言っても、ランの奴隷にしろって言ってるわけじゃないよ。」
確かに、奴隷関係はないだろう。
この現代に.....会ってみるか。
「父上、サイラ・アイリルアと会って来ます。」
会った上でどうするか決めよう。
「うん、シュリに行っておくよ。」
父上は言った。
サイラ・アイリルアに会った瞬間。
私の心は決まった...。
サイちゃん、おかえり、ぼくは君とずっと一緒にいたいよ...。
初恋の君は大きくなって、ますます可愛らしくなっていた。
「貴女は私のものだ。」
変態でもなんとでも呼んでくれ。
私は彼女を自分のものにしたい。
...父上の囲いたい発言がわかった瞬間だった。