幕間 バカップル観察日記(ルリト・アイリルア)
姉さんとランティス殿下の関係は謎だな。
姉さんがランティス殿下に翻弄されてるように見えて。
実は、ランティス殿下も姉さんの幼い言動にあおられて。
いつもの穏やかな反応うすい態度を忘れてる。
「サイ、夏夜会でのエレガントについてだか。」
ランティス殿下がニコニコとして言った。
「え?ランにしがみついてたらダメ?」
姉さんは小首を傾げた。
「それについてはもっとやってほしい。」
ランティス殿下が平然と言った。
「ええ?嫌だよ。」
姉さんは地雷を踏んだ。
「...今日はどこにも出さない。」
ランティス殿下様がご登場された。
「どうして?」
姉さんは最近書類運びのアルバイトをしている。
「こっちにこい。」
ランティス殿下が姉さんに手招きした。
「なに?」
子ウサギはみすみす狼の牙にかかりに行った。
「キスをしてもらいたい。」
ランティス狼は言った。
「...わかったよ。」
姉さん子ウサギは答えた。
姉さんはランティス殿下にキスした。
そのまま、もっと深いキスされてるよ。
「ランのバカ!」
そのまま膝の上に抱え込まれてるよ。
「...サイ、あなたはうかつすぎる。」
そうだけどさ、少しは手加減してやってよ。
「殿下、仕事中ですよ。」
オレは言った。
「すまん、瑠璃都。」
ランティス殿下は姉さんを下ろした。
「姉さんはこの書類を国王陛下の執務室に運んで、かえりに内務大臣室に寄って書類もらってきて。」
オレは姉さんに書類を渡した。
「出さないと言ったが。」
ランティス殿下は本当は姉さんを囲いたいらしい。
「し、ご、とです!」
でも、このバカップル少しは離さないと。
まだ、幼い姉さんがつぶれるからね。
「仕方あるまい。」
ランティス殿下は折れた。
姉さんは出ていった。
守護戦士のユーラさんを連れて。
「サイは出したくない。」
ランティス殿下はまだ言ってる。
「殿下、姉さんは壊れ物みたいな繊細な人じゃないですよ。」
日本じゃほぼ一人暮らしだし。
「日本では、一人暮らしだったな。」
わー、殿下エスパーですか?
考えてる事まるわかり?
「問題だ、どうするか。」
ランティス殿下は言った。
「どうにもなりません、大丈夫ですよ。」
どうせ、実習とか、学園生活でほぼいないんだし。
「...早く卒業してもらいたい。」
そうしたら、ルーアミーアに嫁入りですね。
超幼な妻?そうでもないか...。
殿下も若いし。
「ただいま~、おじさんにお菓子貰ったよ。」
ホクホクしながら姉さんが帰ってきた。
また、地雷を踏んだな。
「そうか、よかったな。」
ランティス殿下は言った。
「何か怒ってる?」
さすがの姉さんも気がついたか?
「...食べさせてやろう。」
ランティス殿下が姉さんをよんだ。
「え、いいよ。」
子ウサギは逃げ腰だ。
「遠慮するな。」
狼は立ち上がった。
姉さん、逃げろ!
「お菓子返してくるね。」
何かわかったみたいだ。
「....よその部屋でもらい食いはするな。」
わー、子供扱い。
あるいは独占欲?
子ウサギはスゴい勢いで返しに行った。
「サイを餌付けしようなんて父上も姑息な事だ。」
ランティス殿下は言った。
あー、恐ろしいな、男の独占欲。
姉さん、なるべく、地雷踏んじゃダメだよ。
仕事が進まないからね。




