殿下のお気持ち3
私は不甲斐ない男だ。
サイを守りたいのに逆に守られてしまった。
ああ、サイあなたはなんて優しい人なのだろう。
見に覚えがないとはいえ、自称、私の姫君達と対処してくれるとは...。
サイが腕の中にいるそれだけでこんなに嬉しいなんて思わなかった。
一時たりとも離したくない。
「仲良しさん♪」
....ホリィと外出か。
「サイ、明日は私と王都へいこう。」
ええ、忙しいんじゃないんですか?
ってなんだ、嫌なのか?
少しでも長く一緒に居たい。
「お兄さま、いい加減、サイちゃん離しなよ。」
ホリィがニヤニヤして言った。
「明日、王都いくの無理です。」
瑠璃都が言った。
「明後日ならあいてますよ。」
と続けて言った。
「サイ、明後日にデートをしよう。」
そうにささやいた。
「ハア、いいですけど。」
サイは言った。
「では、仕事に戻ってくださいね。」
瑠璃都が言った。
「わかった。」
執務室へ戻ろう。
「ランさん?あの、私、歩けます。」
サイを抱えていこうとしたら断られた。
「さっきふらついていた。」
それでも諦めきれずにそういって肩を抱いた。
「だ、大丈夫ですよー。」
サイはあわててる。
「う~ん、お兄さま、私が今はまってる、ネット小説並に甘いわ...あー、でも『陛下』の方がエロいけどね♪」
ホリィがつぶやいた。
なんだそれは?陛下?
「あなたに怪我をさせたくない。」
そうに言って微笑むとサイは赤くなった。
「あー、もう姉さん、移動するのに抱き抱えられるくらいいいじゃない、へるもんじゃなし。」
瑠璃都がうっとうしそうに言ってサイが気を取られてる隙に抱き上げた。
「え?困ります。」
サイは真っ赤になっていったが離すつもりはない。
「伝説のお姫さま抱っこだね♪リアル陛下?」
ホリィが嬉しそうに言った。
だからその陛下とはなんだ?私はまだ、王太子殿下だか?
執務室に戻ってソファーにサイをそっと下ろす。
離したくないが仕事がまってる。
「ああ、精神点がマイナスだよ~。」
何かさっきよりサイはぐったりしていた。
「お兄さまもある意味獣系だったか♪」
妙に嬉しそうにホリィが言った。
「ホーちゃん、ごめん、今日は無理です。」
サイがぐったりと言った。
そんなにお姫さま抱っこは精神的ダメージだったか?
「うん、わかってるよ、お兄さま、今度はサイちゃんをお膝抱っこしてあーんサイちゃんとし合うなんてどうかな?」
それはいいな♪だがどこで覚えた?
「ホーちゃん、どんな小説にはまってるのさー。」
サイは涙を浮かべてるな。
そんなに私に抱き上げられるのが嫌か?
「仲良しさん♪なんだからいいじゃない、たくさん可愛がってもらいなよ。」
もちろん可愛がるつもりだが。
その言葉どこで覚えた?ホリィ?
「殿下...今、父から連絡が参りました。」
瑠璃都が言った。
「そうか、なんと?」
私は聞いた。
「姫君達にたいし、陛下は事実と話され、姉との婚約は真実でお二人の早期の結婚を望むとのことです。」
早期の結婚か....少なくともサイが高校卒業するまでは無理だろうなあ。
「ランさん、私、ホーちゃんと部屋に帰るね。」
そうに言う可愛いサイに手招きした。
「なんですか?」
座ったままサイをだきよせキスをした。
膝抱っこは次回の楽しみにとっておこう。
「わー、リアル陛下だぁ♪」
ホリィ、リアル陛下ってなんなんだ、本当に。
時間が欲しい。
時間さえあればサイにあんなことやこんなこと。
沢山ふれあえるのに。
もう一度キスをして癒されておこう。
『陛下』はもちろん『女王陛下(多分)と異世界人(確定)』の『陛下』です。
どのくらいエロいかはよろしければそちらをご確認ください。
R15程度のエロさですが、多分。
阿野根の作者