最強ロリ!?
それから、俺は条件最低限のバッジをしっかりと集め、試験は何事もなく終了した。
「合格したものはおめでとう。そして、不合格のものはもっと頑張るように」
クラスの人数が多いこともあってか、合格より不合格が多かったのは目に見える事実だった。まぁ、結局は、実力がないやつが悪い。とまぁ、そんな感じで試験は完全に終わりを迎えた。
それから、授業が始まるまでは自由時間。とのことだった。俺としては、試験にしっかり合格できたことはよくやったもんだ。別に、高みを目指すつもりは毛頭ない。最底辺でも、俺は俺の目的が達成されたらそれでいいのだ。そんなこんなで、暇をもて余した俺は学園の敷地内を散歩していた。
「言っても、何もないな」
実力主義の学園と言うのもあって、設備は中々にしっかりしていると思う。それこそ、ここ以上に設備が優れた学園はないだろう。・・・と、俺が思いながら歩いていると、
「おや?君は・・・見ない顔だね」
その瞬間、聞き覚えのない声が俺の耳に届いた。
「あ?誰だ?」
と、俺が声のした方向に視線を飛ばすと、
「・・・え?」
「は?なんだよ。そんな素っ頓狂な反応をして」
あまりにも、驚愕した。だって、だって・・・。
「あまり舐めていると・・・痛い目見るぞ?」
俺が話しているそいつは、
「い、いや。なんでもない」
「はぁ。なんなんだねキミは。初対面の相手に向かってする反応か!」
俺は、そいつを知っていた。知っていた・・・というより、覚えていた。そいつの名前は、ラズ。あの世界で出会った、最強ロリだ。
「すまんすまん」
「敬語を使え。身の程を弁えろ。ワシを、誰だか知らぬのか?」
「い、いや。知らない・・・です」
一応、知っていることは隠しておいた。まぁ、転生者ということはバレてしまってはいけないからな。
「じゃあ、特別に自己紹介をしてやろう。ワシの名は・・・ラズだ。この学園においての、最高ランク『S』ランクの人間だ。どうだ!!ビビったか!!」
と、その問いに対して俺は、
「い、いや。あんまり」
と、返すのだった。すると、ラズは。
「は・・・はぁぁぁぁぁああああ!?!?な、なななな・・・なんだと・・・!?」
と、まるであり得ないと言ったかのように、そんな大声を上げる。
「Sランクなんだぞ!?というのに、全く怖くないのか!?・・・はっ!!まさか、お主もそこそこランクが高いんじゃ・・・!!」
これに関しては、嘘を吐く理由がないので、俺は正直に答えることとした。
「いや、最弱ランクのFランクだよ」
「じゃ、じゃあ・・・尚更なんでSランクのワシに楯突こうと思ったのじゃ!!さてはお主・・・舐めているな?」
「いやぁ。そんな。かたじけもない」
「目が泳いでおるぞ目が!!」
「・・・ハハッ」
「笑うでない!!」
でもまぁ、あの頃から性格が変わっていなければ、こいつは攻撃したりはしないだろう。だって・・・こいつは。
「まぁ・・・。ワシは、別に弱者を虐めたいわけではない。だから特別に解放してやろう・・・あ!!勘違いするでないぞ!!別に、赦したわけではないからな!!」
「はいはい。分かってますよ」
あの世界で、この最強ロリこと、ラズが弱者を攻撃しなかったのには理由がある。単純に、弱いものいじめが嫌いというのもあるが、こいつは強者じゃないと実力を発揮しないからだ。
「久しぶりに、見たな」
凄いことが、見た目が一切変わってないのだ。それから見る限り・・・あの世界とこの世界は繋がってないということだ。
「ま、そりゃそうか」
前世が、あのときの世界と繋がっているのだから。流石にそんな奇跡が起こり得るはずもない。・・・にしても、凄いよな。
「創世者は、そんな芸当も出来るのか」
おそらく、ラズも転生しているから転生者なんだろう。・・・ただ、俺とは違ったタイプの転生者。俺は記憶を持ったまま転生をしたが、ラズが俺の姿を見て覚えてないということは、記憶を失って転生しているというわけだ。なんというか・・・少々悲しかったりする。あのときの世界で、そこそこ仲良くしていたんだけどなぁ。でもまぁ、この世界でもSクラスに所属しているくらいだから。実力は異能力以外継承されているんだろう。
「それでも素晴らしいよな」
あいつは、備わった実力を乱暴しようとしない。というか、大体のSランクの生徒はそうだったりする。でも、AランクとSランクの生徒では、大きな差が生じている。
「それも含めて、あいつは凄いんだよな」
改めて、俺はラズを尊敬するのであった。
それから、普通に授業が始まった。Fランクの授業は、基礎中の基礎を習っていた。筋肉の名前と部位や、どういう攻撃が効果的か・・・など。俺からしたら、全て当たり前すぎて、聞いているだけで飽きてくる。
「はぁ。退屈だ」
俺は、机に突っ伏せた。すると、
「おい。寝るな」
その瞬間、教師が俺にパンチを繰り出そうとした。・・・さて、どうしようか。その攻撃は止めようと思えば止めることは容易なのだが、教師に勝ってしまったら俺の実力がバレるかもしれない。どうする・・・。と、俺が考えた結果、
「いって・・・。すみません」
掠る程度に、避けておいた。これくらいだったら、普通の生徒に気づかれるはずもない。に、しても。
(暇だなぁ~~~~)
と、俺はそう思わずにはいられなかった。




