『特殊能力』VS最強
いきなり始まったデスゲーム。私は、市民だった。このゲームにおいて、私の存在は殺し屋にとって大きく邪魔になるだろう。誰が殺し屋になるかによってそれは変わってくるが・・・。おそらく。私の真実を知っているあの人だったら厄介に思っていることだろう。
「なんたってね・・・」
そうして、次の瞬間。
「っ・・・!!」
あ・・・危ない。なんとか間一髪で、避けることは出来た。が、
「ちょっと、掠っちゃったか」
完全に避けきることは出来なかったようだ。そして、私は攻撃をしかけてきたその人に視線を飛ばす。
「流石に、顔は隠してるのね」
そんなものがこの世界に存在しているなんて正直驚きだが、この人は殺し屋だろう。だから、顔がバレないように仮面を被っているのだ。
「何か話したらどうなの?流石に、不意を突いて攻撃してくるっていうのはタチが悪すぎない?」
「・・・」
それでも、その仮面は黙り込んでいた。・・・でも。でもね。
「貴方は、随分と頭が悪いんですね」
もう、仮面の正体が誰だかなんて。目星がついていた。
「どれだけ、貴方の近くにいたと思っているんですか?あれだけ、貴方に関わっていたら流石に貴方の匂いくらい覚えますよ。それと、貴方ならそうするだろうって考えていましたからね」
攻撃の仕方も、少しだけ見覚えがあった。不意を突いてくるとは思わなかったが・・・それでも、特徴があの人に似ていた。
「もう、バレているんですよ?そろそろ、姿を表したらどうですかね?」
そう促しても、その仮面は何も言葉を発さないので、私から結論を述べることにする。
「ねぇ・・・無叶 大和さん」
私が、その名前を読み上げると。
「・・・お前の特殊能力は、嗅覚か」
「さぁ。どうでしょうね」
少し、疑問に思っていた部分はあった。だって、あの時、俺に放たれた”何か”は、現実に存在するはずがないものだったから。だから、おかしいと思った。未だに、こいつが特殊能力を覚醒させた方法だけは判らないが・・・。これでようやく結論がついた。
「お前の特殊能力は、嗅覚。それを覚醒させたことによって、お前のその特殊能力が発動できるってことだな。そして、その嗅覚は・・・対象の異能力をコピーする・・・と言ったところか?」
「・・・ハハッ。全て、お見通しですね。その考察力があって、それでも尚Fクラスって・・・。頭おかしいんですか。普通に、Bクラスほどの実力があるように思えるんですけど」
「さぁ?たまたまだろ。別に、ただ単に推理力が優れているってだけかもしれねぇぞ?」
「それじゃあ、貴方の特殊能力は『頭脳』ですかね?」
「さぁな。どうだろうな」
その辺については、まだ俺にも分からない。ただ、この異常なまでの推理力があるのは・・・おそらく過去の世界から引き継がれたステータスなんだろう。
「さぁ。どうする?お前のその特殊能力も、所詮コピーするだけだろう?それに、そのコピーしたものがお前の体に適応するかどうか・・・の話じゃないか?」
「う・・・うるさいです。私は、貴方がやるというのなら戦います。貴方に殺されるなら、私は本望です」
「お前のその望みはなんなんだ。まぁいい。隠しても仕方ないだろうから、俺は宣言するぞ。俺は・・・殺し屋だ」
「でしょうね。私の真実を知っている貴方なら、私を殺しにいくだろうと考えていました」
「お前も、中々に推理力が長けているじゃないか」
「いいえ。これは、貴方だからこそ考えることが出来ただけです。もし、関わりがあまりなかったら、ここまで考えることは出来ないでしょうね。・・・それに、誰にでも共通する点があります」
「ほう。それはなんだ?」
「おそらく、貴方であろうと、その他の人物であろうと・・・。ラズと名乗った少女は真っ先に狙いに行かないでしょうね。それこそ、大馬鹿じゃない限り」
「ハッ。まさか、全てお見通しだなんてな。あぁ、元々そのつもりだ。あいつは、Sクラスの生徒。なんなら、この学園のトップ。最強だ。そんな最強を狙ったところで、すぐに殺せるはずがない。そうして、俺の中で先に殺しておいた方がいいと考えたのが、お前だ。何故なら、お前は他とは違う『特殊能力』があるからな」
「私も予想が的中していて嬉しいです」
「さぁ。お喋りタイムはここまでとしようか。・・・それで、お前は」
俺は、ポケットから煙草を取り出して、火をつけてから口に加えて、そいつに向かって言う。
「死ぬ準備が、出来ているか?」
その問いに、希空は・・・。
「勿論。準備万端です」
そう言いながら、俺にナイフを向ける。そっちがその気なら、俺だって・・・。
「ま、まさか。そんなものまであるんですね」
ポケットから、銃を取り出して、銃口をそいつに向けた。
「さぁ。始めようか。『特殊能力』を解放させた人間VS生身の最強『無叶大和』の戦いを____」




