デスゲーム
何度も言っているように、人間であれば、必ずしも特殊能力が存在する。俺が見た中だったら、異常なまでの回復スピード。あれは、特殊能力を応用したものなんだろう。そして、俺もこの世界においては人間兼神として君臨している。だから、俺にも特殊能力があるんじゃないか。と思って覚醒させるために試行錯誤しているのだが・・・。
「・・・はぁ。だめか」
あらゆる手段を試したが、俺の特殊能力が覚醒する気配はなかった。それどころか、まず俺は、自分の特殊能力がなんなのかすら知らない。
「俺の特殊能力ってなんだろうか・・・」
この、異常なまでの身体能力の高さは前世からの引き継ぎもんだし、それ以外に思い当たる節がない。戦闘は、何度か経験してきたが、その中でヒントになりそうなものもなかった。
「まず、あいつはどうやって覚醒させたのだろうか?」
俺の中でも、分かっていることは特殊能力があること。そして、その特殊能力が覚醒すること・・・だが。その覚醒条件も解っていない。
「俺が発動できないのにも・・・やはり何か理由が?」
この世界においての世界最強の俺ですら、人間を越した力を手に入れられていない。だったら・・・あいつは何者なんだろうか。次々と、疑問が浮かび上がってくる。
「一度、あいつについて調べるか?」
今、俺が探し求めている人物はあいつが一番近いだろう。異能力・・・ではないが、それに近しいものを使用することが出来る。だったら、あいつで調査するのが一番じゃないか?しかし、
「何をどう調査するかって話だよな」
結局、あれは戦いの場面でしか発動させることが出来ないだろう。常に発動させることが出来るなら話は変わってくるかもしれないが・・・。異能力と特殊能力は別物だ。だから、発動するには何かしらの条件を達成させないと、その力を使用することは出来ないんだろう。それが、人によって違うと言った感じか・・・?
「あぁ!!わからんな」
可能性が、ありすぎる。こんな経験は初めてだ。だって、あの頃と違うから。神である俺ですら、まだ何も判っていないんだから。
「でもまぁ、そんな急ぐことでもないか」
別に、時間はたっぷりとあるのだ。その中で、段階を踏んで解決していけば良い話。あぁ、それでいいのだ。
「とりあえず、今やるべきことはあいつから収穫を得ることだ」
なんとかしてあいつと更に関わる機会を作り、そうして情報を入手する。・・・それで、いいのだ。
そうして次の日。
「あ、おはようございます!!大和さん!!」
例の隣の席の少女、希空が話しかけてきた。あぁ、話が早い。
「おはよう。希空」
そうして俺がそう返すと、
「・・・え?」
と言って、希空の目が点になっていた。
「は?何かおかしなことを言ったか?」
「い、いえ。・・・でも、大和さんが初めて挨拶を返して・・・」
「そうだったか?別に、いつものことだろ」
「いや!!そんなはずは!!」
「なんでもいいんだよ。それで、なんか用でもあるのか?」
「いえ、いつも通り挨拶をと思ってしただけなので・・・」
「さいですか。用がないなら、話しかけるな」
・・・。手がかりを掴む。とは言っても、日常生活からは何も判らないだろう。何かしら、戦う場面がないと。
「席に着け」
すると、教師がそう促してきた。
「今日は、少し変わったことをする。試験・・・ではないが、それに近しいものだ」
・・・と、教師が言う。ほうほう、それは一体、どう言ったものなんだ?
「今からお前達には、この薬を飲んでもらう」
そう言って、教師は全員に薬を配った。
「なんなんだ?この薬は?」
「今から順を追って説明する。まず、この薬は一種の睡眠薬のようなものだ。これを飲むと、仮想空間へと飛ばされる。感覚的には・・・夢だ。この薬を飲んだ者は、全員一点の場所に集められる。そして、そこで行うのは・・・」
そうして次の瞬間、教師はそんなことを言い出した。
「デスゲームをしてもらう」
「は?デスゲーム?」
「あぁ。今回のゲームの参加者は、この学園に在籍する者全てだ。説明は後にする。まず、お前達はその薬を飲め」
教師が、そう言い放つ。
「ちなみに、飲まない奴にはそれなりの処罰を設けているからな。お前達は、強制参加だ」
つまり、俺たちには飲むしか選択肢が与えられていないと言うわけだ。
「クッソ・・・。飲むか」
嫌々だが、飲むしかない。俺は覚悟を決めて、その薬を口に含んだ。
「・・・ぐっ・・・!!」
刹那、途徹もない目眩が俺を襲った。と同時に、俺の意識は段々朦朧としていき・・・。
気づけば、とある会場に立っていた。
「ここが・・・仮想空間というやつか?」
見渡せば、Fクラス以外の生徒もいた。
「全員集まった様だな。それじゃあ、説明する。この中には、殺し屋がいる。所謂、人狼ゲームと似ている。市民になりすました殺し屋を見つけ出して、追放しろ。殺し屋が市民全員を殺したら、殺し屋の勝ち。そして、市民が全ての殺し屋を追放したら、市民の勝ち。そういうルールだ。もし殺されたり、追放されたら、現実世界に戻る。ただ、戻っても何も出来ないぞ。・・・それしか、伝えないでおく」
それは、一体どう言うことだ?何も出来ない・・・?現実世界に戻っても、意識はないってことか?
「勝った方には、莫大な利益をくれてやろう。せいぜい、頑張るように」
そう言って、一瞬にして数千人いた生徒がどこかへ行ってしまった。仮想空間だから、なんでもありということなのだろうか。気づけば、俺は一人部屋に転送されていた。
「机の上に置いてある紙を読んで、役職を確認するように」
「・・・これか」
そうして、俺が紙を見た刹那・・・。




