この作品を読んでいただけるそれこそが私にとってこの上ない幸せである
芸術の秋に気を取られて 前の休日に近所の美術館へと足を運んだ
美術館は展示は木彫りの彫刻や細工の展示が行われていて芸術に無沈着の私にとってもかなり印象に深いものであった
この展示会はここでは4年ぶりだったということで運良く職人さんと合う機会があった
職人というと気難しい人という印象が高かったが私があった職人さんはとても優しく人当たりがよい人であった
私は展示作品を少し距離を置いて見ていると、その職人さんは「ぜひ手に取ってみてください」と私に勧めてくれたのだ
私は「こんな大事な物をいいんですか?」と尋ねる
しかし その職人さんはにこやりと笑う
「ここまで真剣に私の作品を観ていただけるなんて「作り手としてうれしい」と感謝の気持ちを述べる
「触れてみてこそ、その作品は生きるのです」と
私は心配になりながらも作品を触ってみる
作品の質感や肌触りが伝わってくる
私はその対応に感動し 職人さんの虜になったのであった
「ありがとうございました!」といとまごいの言葉を述べると職人さんも優しく微笑んでくれた
職人さんはたとえ買ってもらえなくても 自身の作品を観てもらえるだけで私は幸せなのだと話す
地方のギャラリー経営は容易ではないと聞く。長引く景気の低迷や物価高で、私たちの暮らしもゆとりがなくなってきている
美術館というと入りづらいと思う人も多いだろう
作品の値札を見ればため息も出る。それでも少し勇気を出して作家との会話を楽しんでいきたいと思う
私としてもこの作品を読んでいただけることそれこそがこの上ない幸せである




