テスト前限界高校生とみそきん
テスト前限界高校生、雨樋朔はテスト前ギリギリの高校生であった。私は勉強に嫌気がさし、みそきんを買いに行こうと思った。私は大のラーメン好きだ。だから、どれほどみそきんが美味しいのか、好奇心が湧いてきたのだ。そこで近所のコンビニに向かい、カップ麺コーナーへ向かった。
ない。
みそきんが一つもない。
しかも売り切れとかじゃなくて、入荷もしてないんじゃないかと思うくらい何もなかった。
近所のコンビニにないのは誤算だ。テスト勉強もしなければならない。でもみそきんを食べてみたい。私はそう思い、母と友人に向かって、みそきんを求めてコンビニ巡りをすると宣言した。
しかし私が住んでいるのは田舎。各コンビニの距離が遠いのだ。さらに私は部屋着だ。中学のジャージに、謎のTシャツを着ていた。とにかくダサい。こんな状態で、果たしてコンビニへ向かうことが、許されるのだろうか?しかしみそきんが食べたかった私は、そんなの関係ねぇと思い自転車を走らせた。
2店目に向かう途中、悲劇が起きた。
降雨が私を襲ったのだ。それでも私は走った。全てはみそきんのため。
2店目。
かなりカップ麺の種類が豊富な店舗であり、期待大といったところ。
しかしいない。ヒカキンさんがどこにもいないのだ。
私は友人にないことを報告して、次の店舗へ向かった。
3店目。
行く途中に道を間違え、ふらふらになりながらも店内へ。ここも広く、期待大。
たが、案の定ない。
でも私はめげなかった。
続く4店目もなし。
私の友人は過去に、もうすでにみそきんをゲットしていたようだった。
私は悲しみに明け暮れていた。
ここまでみそきん探しは4戦4敗。
いつも出会えるのは、蒙古タンメン中本だけだ。
「そもそもみそきんなど、この世に存在していないのではないか」
という疑問も生まれるほど追い詰められていた。
近所のコンビニは次で最後。私はこの店舗に全てを賭けることにした。
全てを賭けた5店目。
もうダメかもしれないと思いながら、カップ麺コーナーへ向かった。
なんとそこには
「みそきん」
と書かれている札があった。
友人は
「お!」
「きた!」
私の実況に盛り上がってくれた。
しかし現物がない。みそきんが置いてないのだ。
「のー」
「...」
と友人も私と悲しんだ。
5店舗も巡ったのに、みそきんにありつけず、途方に暮れたまま、帰るしかないのか?
しかしがっかりするのが早かった。なんと値札には
「レジまで」
の文字があった。
私はあるかもしれないと、希望を取り戻した。
私は店員さんに尋ねた。
「みそきん、ありますか?」
店員さんはニヤッとして言った。
「ありますよ」
私は歓喜した。
「じゃ、じゃあ一つください」
私は無事、みそきんを購入することができた。
友人も私の実況に盛り上がってくれた。
私は家に帰り、早速みそきんを味わった。
これでもかというほど、濃厚な味噌スープ。
啜れば啜るほど上手い麺。
数々のインフルエンサーが、上手いという理由がわかった。
自転車で爆走した私の体に、みそきんは優しく染み渡った。これが、ラーメンだ。私の心の穴を埋める、ラーメンだ。
母にも一口食べさせてみた。
母は一言。
「上手い」
と、絶賛した。
私は近所のコンビニと、ヒカキンさんに深く感謝をした。
「ごちそうさまでした」
この言葉はいつものごちそうさまでしたよりも、深く重いものだったと思う。また食べたいです。
友人たちがいる、ディスコードに書いたことをそっくりそのまま小説にしました。「小説家決定」と言ってくれた友人に感謝。とてもおいしかったです。5店舗回った甲斐あって良かったです。テスト頑張ります。