表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/51

追跡者 4

「ああ。まず、『竜使いの証』がなければいけない。これは先天的・後天的に手に入れることのできるものだが、今のお前にはどちらも入手不可能だ」

「入手って、それはモノなんですか?」

「違うな。なんて言うかその、遺伝子みたいなものだ」

「親から引き継がれるってこと?」

「それがまず一つだ。『竜使いの証』をもった親が子に引き継ぐことを選択することができる。それで生まれてきた子には、親の意思で竜使いの証が宿る。お前の親が竜使いでなければ、まず竜使いにはなれないだろう」

「そんな・・・」

「後天的な方法というのが、竜使いの数がこの世界で極端に少ない場合だ」

「つまり?」

「先ほど、子に引き継ぐことを『選択することができる』と言ったろう。選択しない場合も当然あるわけで、その場合親が死んだらその『竜使いの証』は永遠に葬られることになる。そうなった場合に、何故だか分からないが、この世界の竜使いに適した誰かの体に証が宿ることがあるらしい」

「だったらそれに賭けるしか・・・!」

「確率はかなり低いだろうな。まず、この世界の竜使いの数を把握できていないだろう。仮に分かってその竜使いを殺したとしても、次の証がお前に宿る保証はない」

「絶望的なんですね・・・」

「まあ仕方ないさ。今の自分にできる力で頑張るしかない。この世界のドラゴンたちのこと、しっかり見せてやるからさ」

「わかりました・・・」

これで帰る理由ができた。サントに付いて行けば自分も竜使いになれると思っていたが、それもできないと分かった以上、あまり長居をしている時間はない。

「ニール、次はお前の話を聞かせてくれよ」

「僕の話なんて興味あるんですか?」

「随分長い間塔にいたからね。今の世界のこと、少しでも知りたいんだ」

「分かりました」

「君の故郷には、ドラゴンはいるのかい?」

「いないです。だから初めてドラゴンを見た時感動しました」

「そうか、王都だったら確かにドラゴンは寄りつかないだろうからな」

「違うんです。故郷はルーハイってところなんですけど、ルー様が昔いたドラゴンを全て滅ぼしたからいないんですって」

「ルー様?」

「僕の故郷に伝わる神様です。昔はいたみたいなんですけどね」

「ルーハイか、名前は聞いたことがあるが、行ったことはない」

「主にどの辺りで活動してたんですか?」

「この島の中央部、そして東側さ。やっぱり西には近付きづらいからね」

「そんなに王都が怖いんですね・・・」

「ドラゴン達が怖がる。そして俺も、一度捕まってしまった嫌な思い出があるからな」

サントは苦笑した。

「一つ、聞いていいですか・・・?」

「なんだい」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ