第1話・プロローグ
ふと異世界転移系統以外の物が頭に浮かんできたので書いてみました!
つたない文章力ですが読んでくれるとありがたいです!
聖都・イベリア
今日この日は子供達にとって生涯を決める大事な1日、神殿で一生に一度の職業を貰える日。
神殿には多くの子供達が列を作り、自分の順番を待っている。
「ラウ君は、なにになりたい?」
僕に話しかけてきたのはエリス・ブランケットという少女だ。
栗色の髪の毛を腰くらいにまで伸ばした可愛らしい女の子で、性格はのほほんとしてるかな。
「やっぱり戦いに向いてる職業がいいかな!お世話になってる孤児院に恩返しもしたいし!」
僕はラウ、ラウ・カーウィン。
両親はいない、僕が子供の頃に死んだらしい...
何で死んだかは聞かされていないし、形見もない。
だけど僕の髪は母さんや父さんと同じ銀髪という事だけは覚えてるから寂しくない。
育てて貰った恩を返したいから、冒険者になって稼いで僕のような親のいない子供達のためにお金を寄付するのが今の目標だ!
「そうだよね!私もお母さんと同じ弓使うのがいい!違うかっても戦闘系が良いなぁ」
エリスの両親は冒険者で色々な場所を飛び回っていて、両親が居ないときだけ孤児院に預けられている。
「約束通り一緒にパーティ組もうね!」
エリスとは同じパーティでやって行こうって約束をしてある。
僕が前でエリスに後ろから弓で援護して貰うのが理想のパーティだと勝手に思ってるよ。
話してるうちにも1人1人呼ばれて職業を貰っていってる。
自分の欲しい職業を貰って喜ぶ子供や、全く違う職業を貰って落ち込む子供等、皆一喜一憂していた。
「お主の職業は剣聖じゃ!!」
おおぉぉぉーーー!!1人の子供の職業が伝えられた瞬間、周囲の子供達や騎士達が大騒ぎしだした。
「剣聖が出た!」「すげぇ、あの子供将来は騎士団の幹部かトップになるな」
「くくく、やはり貴族である俺様にはそれ相応の職業が出るのだな!」
この子供はガイル・タウリン、ガイル家の長男。
貴族という事で高慢な態度を取り続け、孤児院の子供達からは嫌われていて僕もちょっと苦手なんだ…
「ガイルは剣聖だって!私達も頑張らないとね!」
「今更頑張るも何もないと思うよ?」
そう言うけど、エリスは僕の言葉なんて聞いちゃいない。
「今年はやべぇな...」
「あぁこんなに上級職業が一斉に出るなんて聞いたことねぇよ」
今年はここ数十年の中でも豊作の年なようで、剣聖ガイルの他に基本職業より上級な職業を渡された子供が多い。
過去にも豊作な年はあったが、それらは全て世界の危機に対抗するためだった言う...
「あ、私の番だから行ってくるね!」
エリスが手を振って神官の前へと向かった。
神官が水晶に手をかざし、結果を伝える!
「お主の職業は弓聖じゃ!!」
おおぉぉぉーーー!!周囲は剣聖が出た時と同じように盛り上がる!
弓聖は剣聖と同じ最上級職業たからだ。
「やったぁ!ラウ君私お母さんと同じ職業になれたよ!」
「よかったね!エリスはお母さんの事を尊敬してるもんね」
エリスは自分の目的の職業を手に入れる事ができたから、次は僕の番だ!
僕は神官の前に行き、神官の言葉を待つ。
緊張の一時だった...ここで自分の人生がほぼ決まるのだから仕方ない事だろう。
「む?・・・むぅ、これは失敗?いやそんなはずない・・・」
おや?神官が小声でぶつぶつと何か言っているけど上手く聞き取れない、どうしたんだろう?
「変わらないという事はこういう事なのか。お主名前は?」
「僕はラウ・カーウィンです!」
他の子達は名前なんて聞かれなかったはずだけどな...
「ラウ・カーウィン!お主の職業はない!」
「・・・は?」
僕の人生が最悪の物だと決まった瞬間だった...
読んでくださりありがとうございます。
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