浦人就活
冗長率を上げていきたい所存です
「じゃあ決まりね。テラキャの同級生になるのよね……あまり孤児院の子は少ないから仲良くしたいな、なんて……ハハ」
しかし浦人はまだ決めていなかった。
「よく考えてみたけれど。現高校生からしたらこの世界の科学はそこまでではないしむしろ魔法を学ばないとやっていけなそうなんだよな……王都ではあまり見なかったけど、普通にモンスターもいるし冒険者もいる、そして体を張るから保障も手厚いという……ブラックどころかホワイトやな。誰でも体を張ればできる替えが効く職業なのにな……よし、起業のノリで冒険者になるとしよう。ということで←ここまで小声かつ早口、
やっぱり俺は冒険者になるわ」
「やっぱ同じクラスかなー……え?」
「俺は冒険者になる」
「えーそれはないわー動機が若手特有のイキリだわー」
若手て。中世には大学生起業家はおらん。いや多分スルーされ始めているんだな……
この会話はなんと大体7秒強であったとさ。多分。
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「神父さん、冒険者には如何にして就職するのですか?」
「おや、もう就職。王立冒険者組合という場所があるのです。そこで即冒険者になれる王国所属冒険者への登録が簡単にできるのですよ」
「へぇ、あざっす。それにしても王立とか王国とか推しますね……」宗教かな?
「当然です。他国にも冒険者は存在しますし。国民は皆国のギルドに所属するのですよ。他国のギルドに所属するのは祖国からも他国からも顰蹙を買いますよ。」
「へぇ、あざっす。」
「それにしてももう会わないとなると、寂しくなるものですねぇ。なんだか一瞬で言葉を覚え魔法を行使し就活し始めているような気がしますけどね。」
神父はそういうと俺を玄関まで案内し始めた。
「え、ここもう来れないんですか?」
「戸籍は孤児院の者として作成してあります。安心して生を謳歌して下さい。」
マジか。住居がないし、平和でも冒険者は戦うイメージがあるけども大丈夫なの?
「ここは生活保護の施設ではありません。それに冒険者は保障が充実していますし、あなたならきっと大丈夫でしょう。万一のために、この手鏡を持って行きなさい。これで私と通話できます。」
「ありがたいんすけども、魔力は電力なんすか?この手鏡はなんなんですかね?」
「これは対話鏡ですね。概念やの面通しが掛けられているので少しのマナで使えますよ。」
いや、面通して。
「あなたは荷物が少ないので、もう行けますね?
なにかあったら私達を頼って下さい。
求める者は受けられ、探す者は見つけ、門を叩く者は迎えられる。……でも、受け身にならないで下さいよ。すぐ戻ってこられてもちょっと……ねぇ」
「あはは、確かに」
「さぁ、おゆきなさい。出立の祝いに1万パウラと短刀を与えます。……テラキャで会えなくて悲しいです、しかしこれも選択の一つですからね。
さよなら、お元気で!」
「短い間で、今から準備するのでこんなこと言うのも変ですけど……今までありがとうございました、御達者で!」
そう、まだ冒険者について質問しただけ、出立など聞いてなかったのであった。神父は辛辣でも天然でもなさそうで実は天然だった。
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「ふぅ、外に出たはいいものの……やはり王都は広いなぁ」
澄み渡る青空。建物が収まりそうなほど広い道路。電子機器とは無縁なヨーロッパーな街並み。
これからここで生きていくのか。絶対ホームシックになるよねこれ。旅行気分ではだめだな。
「と、そうだ、王立冒険者組合とかいうギルドにいって登録しないと。具体的にどんな仕事内容でどんな需要でどんな技能が必要なのかは……
言われてねぇな。え?やばくね?」
★浦人、詰むーー。
「いや、当たって砕けろだな。れっつらごー」
そうだともさ、場所を知らないとしても、案内板読めばーーほら、着いただろうよ。日本の駅乗り換えという名のダンジョン踏破したんだよこっちはよお!
「あードキドキする。カウントダウンしようか。
ふぃあ。どらい。つゔぁい。あいん。ぜろ。よし、突入だぜ」
ゼロは日本で聴き慣れているからついつい言っちゃうんだよなぁ。ニュース番組のアレね。
っぜろーってやつね。扉を開けようと。
「ぉじゃましまーす……」小声で震え声
「お嬢ちゃん、これいくらだ?」
突然大男が隣を通った。
「はい、討伐後の素材の換金は……こちらは、千パウラですかね。お疲れ様です」
「うし、あぁりがとよ」
へー、買取をしているのか。……って、え?素材はいいけどあの男が持っているのって……血が出てるしこれは確実に……
「マジかー、R15もんだろこれは……」
資格とかいらないの?割とゆるゆるなのかな……
いやただ魔物は別物なだけだろうな
まあ役所のようなものだから警戒していたけど
別の意味で警戒するだけだし大丈夫大丈夫
読んあざですね。
王都の周りは未開拓地です。